平成9年6月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
○4番(野村眞実君)私は政友会の野村まこと(眞実)でございます。高齢化と少子化に対応した活力ある福祉都市の実現を公約として,平成7年4月に初当選させていただきまして,以来,おかげさまで連続9回目の登壇となり,折り返し点を迎えることができました。既成の概念にとらわれずに,市民本位の活動をしていこうとの思いのもと,自然発生的にできた政友会の一員として今日あることに感謝しつつ,残された任期を初心をがみしめながら燃焼し尽くずことを改めてここにお警い申し上げまして,平成9年第2回定例市議会に当たり,通告に従いまして,ただいまから一般質問を行います。
質 問
最初に,福祉行政の質問でございます。精神障害者授産施設の早期設置についてでございますが,私は毎回福祉行政の質問をさせていただいておりまずが,精神障害者の福祉の質問は,初登壇の平成7年第2回定例市議会の一般質問の中,さらには本年3月第1回定例市議会の政友会を代表しての質問の中で,精神障害者の水戸共同作業所「ひだまり」の件を取り上げ,収益事業のあっせんを初めとした運営支援策,織員の身分待追の改善,環墳改善や法人化への支援策などと継続的に具体的な質問をしてまいり,執行部より今後の対応として未利用地の活用を図るなど,施設整備に向けて,国や県との協議をしてまいりたいとの前向きな答弁をいただいております。
精神障害者通所授産施設は,「ひだまり」や南作業所を利用されている方々を初めとした多くの市民の長年の願いでもありますが,水戸市においても,4水総3か年実施計画にも位置づけられており,その設置構想が検討段階に来ましたことは大きな前進と評価できるところであり,一日も早い実現を切に願うところであります。
そこで,その立地場所についてでありますが,利便性や遊休地の活用との観点から見ても,以前より要望してまいりました緑岡保育所跡地が最も適当であると考えますが,いかがなものか,立地場所についての見解をお伺いいたします。
また,その運営方法については,精神障害者の水戸共同作業所「ひだまり」や南作業所の運営に当たり,10年の実績を持つ水戸地区精神障害者を守る会か水戸市社会福祉事業団に委託することが道当であると考えますが,執行部の見解と実現へ向けての決意のほどをお伺いいたします。
いずれにいたしましても,施設の整備は,利用者にとって使いやすいことが絶対条件であります。そういう意味でも,計画段階から精神障害者に一番近い立場である水戸地区精神障害者を守る会の方々に御参加いただき,十分な論議を尽くし,「こんなはずじゃなかったのに」などの声が上がることがないようお取り組みくださいますよう要望いたしまして,福祉行政の質間を終わります。 次は,教育行政の質問でございます。
スポーツ振興くじ,いわゆるサッカー宝くじについての質問でございます。スポーツ施設の整備等のスポーツ振興策のためのスポーツ振興くじの制度化へ向けたスボーツ振興投票法案が衆議院を通過し,参議院で継続審議となっていることが新聞やテレビで報道され,話題になっております。
社団法人日本PTA全国協議会を初めとする多くの青少年関係団体の反対表明の声により,種々の改善が加えられてきたようではありまずが,どういうふうに手を加えようが,青少年の健全育成に及ぼす影響は想像を超えるものがあります。
サッカーくじは,子供には販売しないとのことですが,親がサッカーくじを買うときに,サッカー情報に詳しい子供に意見を求めることは,言わずとも知れたことで,当たりくじを換金したときは,家族で食事へ出かけて喜びを分かち合ったり,サッカーポールなどのスポーツ用品を買い与えたりと,知らず知らずのうちに間接的に子供たちが参加するようになることは明白です。
私は,PTAや青少年育成協議会や青少年センターの活動を通じて,青少年に接する機会が多く,また,ボランティアでつくり,現在運営している根本町サッカーグラウンド管理運営委員会にも参加している関係で,サッカーファンの子供たちとの交流が多いため,子供たちの気持ちが比較的にわかり,いろいろなことが想定できるのですが,その結果どういうことが起さるかというと,まず最初は,学校の体育祭のリレーでものをかけるようになり,果ては中学の総体や高校野球の勝敗までもかけごとの対象になり,あらゆることにかけごとが蔓延してしまうことになるのは時間の間題であると思われます。
先般,茨城県PTA連絡協議会の小林哲男会長と電話で話す機会があり,私見を申し上げましたところ,全く同感とのことで,青少年の精神がゆがめられることを懸念ずることから,絶対に制度化すべきでないとの考えで一致したところであります。
そこで,日ごろより青少年の健全育成に熱意をお持ちの教青長のスポーツ振興宝くじに対する見解をお伺いいたします。
また,できれば,国に対して制度化の見直しに向けた働きかけをしていただきたいと考えますが,その点についてもお伺いいたします。 教育行政の2番目の質問は,学級編制制度の改善についてでございます。既に御承知のように,現行の学級編制は,1クラス生徒数40人を基準として学級編制を行う制度で,文部省の学校基本調査は,児童数,学級数,職員数などを5月1日の時点で行うようになっております。そのため,4月の年度初めの学級編制の時点で,1学年の児童総数が120名の学校では,40名のクラスが3クラスでき,授業がスタートされることとなりまず。ところが,4月中に転校生が2名来ると,5月1日の時点での児童総数は122名となり,学級再編制が行われるため,30名のクラスが3クラスと,32名のクラスが1クラスにクラスがえが行われますが,逆の場合も同様に,学級再編制が行われるのであります。
職員の異動が絡むため,やむを得ないとのことでずが,せっかくクラスメートや先生になじんで,穏やかな気持ちで学校に通い始めた途端にクラスがえにより1がら出直さなければならないという制度は,いかにもお役所だなどと片づけることのできる範疇ではない,と言わざるを得ないのです。
クラスがえの児童生徒に与える心理的影響を考えるとき,年度当初の学級編制のまま,児童生徒数の増減にかかわらず,再編制を行うことのないよう,制度の改善を早急に行うべきであると考えますが,教育長の見解をお尋ねいたします。
また,県教青委員会並びに文部省に対して,できれば改善へ向けてお働きかけいただきたいと考えますが,その点についてもお聞かせいただければ幸いです。 続きまして.道路行政に関する質問でございます。
市道上中妻5号線は,平成2年に拡幅のための用地買収が行われ,その整備が既に完了しているにもかかわらず,歩行者軽車両用の大塚池踏切で行きどまりの状態にあり,踏切を挟んで接続されている市道河和田2号練も市営河和田住宅までの間の用地の買収が完了しているにもかかわらず,いまだ拡幅工事着手の兆しも見られないのが実情です。
上中妻地区の市民懇談会の中でも,何回も踏切の改良と河和田2号線の拡幅整備の要望が出されていましたが,JRとの協議が調わない,とのあいまいな説明があったようで,JR東日本が発足したのは昭和62年のことであり,上中妻5号線の拡幅のための用地買収着手前であることを見ても,既に協議は調っていたはずであり,遅々として進展が見られないのはなぜなのかと理解に苦しむところです。
市道上中妻5号線から大塚池踏切を経て,市道河和田2号線に至る路線の開通は,赤塚中学区の地元住民のだれもが生活道路として待ち望んでいるところでありますので,早急に大塚池踏切の改良を求めるところであり,協議を含めた進捗状況をお伺いいたします。
また,早急改良が何らかの理由で困難であるのであれば,河和田2号線のうち,田島道踏切より大塚池踏切までの間の側溝にふたをし,常磐線側の余裕地をJRより借用するなど,暫定的でもよいから何らかの代替策を講じ,一日も早く市民の要望にこたえるべきと考えますが,JRにひときわ信頼が厚いと言われております菅原部長の前向きな御答弁を求めるところであります。
以上で第1回の質間を終わりますが,執行部におかれましては,簡潔明瞭に試意ある御答弁をくださいますようお願い申し上げます。
答 弁
○議長(森富士夫君)保健福祉部長,備海暉雄君。[保健福祉部長備海暉雄君登壇]
○保健福祉部長(備海暉雄君)野村議員の福祉行政についての御質問にお答えいたします。
障害者が地域の中で可能な限り自立した生活を送るとともに,社会参加を一層促進するという観点から,平成7年7月に精神保健法が精神保健及ぴ精神障害者福祉に関する法律に改正され,住民に最も身近な行政主体である市町村における障害者行政の推進と障害者の自立,社会経済活動への参加促進等が位置づけられました。
また,新たに障害者が福祉サービスを受けやすくするため,精神障害者保健福祉手帳を希望者に交付することや,従来の通院患者リハビリテーション事業が精神障害者社会適用訓練事業と変更されるなど,市町村が精神保健福祉活動に参画できるようになりました。
市内には,精神障害者共同作業所として2つの施設が開設されておりますが,いずれも他の施設の一部を借用することにより,水戸地区精神障害者を守る会の会員が活動し,支えております。
現在,共同作業所を利用している通所者の通所年数は,長期化の傾向にあるとともに,施設の狭隘化,老朽化が進んでいる状況にあります。
このような状況を考慮いたしますと,精神障害者が杜会復掃や杜会参加を目指すための施設の整備につきましては急務と思われますので,現在検討しているところの精神障害者通所授産施設の建設については,議員御提案の旧緑岡保育所跡地も立地場所の一つとして検討してまいりたいと考えております。
また,その建設内容や運営方法につきましては,現在共同作業所を運営しております,水戸地区精神障害者を守る会,及び水戸市社会福祉事業団とも十分協議しながら,適切な対応に努めてまいります。 ○議長(森富士夫君)教育長,堀川賢壽君。
〔教育長堀川賢壽君登壇〕
○教育長(堀川賢壽君)野村議員の一般質問のうち,
スポーツ振興投票法案,いわゆるサッカーくじの制度化に伴う質問について,お答えいたします。
サッカーくじは,スポーツ振興のための財源づくりが目的でありますが,議員御指摘の制度に伴う青少年に対する影響につきましては,子供のかけごとの意識が芽生えてしまうことや,スポーツを愛する多くの子供たちに心理的影響を及ぼすなどの,その法案について世論を含めてさまざまな意見がありますことは十分承知いたしております。
したがいまして,このような観点から,国においては,それらの対応を含めて検討されるものと思いますので.国の動向を見きわめながら対処してまいりたいと考えております。 次に,現在の学級編制制度の見直しについての御質問にお答えいたします。
児童,生徒の学年ごとの学級編制は,公立義務教育諸学校の学級縄制及び教織員の定数の標準に関する法律に基づき,茨城県が定めた学級編制基準に従って行っているところです。
議員の御指摘のとおり,現行制度では,5月1日を基準日としているので,学年当初の学級数がその後の児董,生徒の増減により,学級増学級減につながってまいります。
したがって,新学期が始まり,約1カ月が過ぎた段階でクラスがえをする,というような状況も起こり得ます。
国においては,義務教育費国庫負担の親点から5月l日を基準日としておりますが,御質問の制度の見直しについては,今後,実情に即した対応ができるよう都市教育長協議会等の関係団体を通して,国及び県に対して働きかけを行ってまいりたいと思います。 ○議長(森富士夫君)建設部長,菅原信男君。
〔建設部長菅原信男君登壇〕
○建設部長(菅原信男君)野村議員の御質問のうち,道路行政についてお答えいたします。
市道上中妻5号線の現状でございますが,権利者の皆様方の御協力と御理解により,計画延長950メートルのうち,約950メートルが完成しておりますが,御指摘のとおり,大塚池踏切手前約50メートルの部分がまだ未整備であり,河和田団地方面からの河和田2号線につきましても,大塚池踏切までの150メートルの部分については,用地買収は完了しておりますが,未整備の道路となっております。
また,大塚池踏切の拡幅につきましては,これまでJR水戸支社と協議をしてまいりましたが,JRの踏切に対する基本方針は,踏切事故防止の観点から平面交差をなくし,跨線橋,あるいは地下道にするなど立体交差化にする傾向にあり,踏切の整理統合を求めております。
したがいまして,この大塚池踏切を拡幅するには,他の踏切を閉鎖することが条件となっており,かなりの時問を要すると思われますので.議員御指摘のとおり,河和田2号練を田島道緒切まで整備することにつきまして,前向きに検討させていただきたいと考えております。