平成9年9月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
質 問
○議長(森富士夫君)4番,野村まこと(眞実)君。〔4番野村まこと(眞実)君登壇](拍手)
○4番 野村まこと(眞実)君 政友会の野村まこと(眞実)でございます。 平成9年第3回定例市議会に当たり,通告に従いまして,ただいまから一般質問を行います。
高齢・少子化に対応した活力ある福祉都市・水戸を目指してをスローガンのもと,平成7年に初当選をさせていただいてから早いもので本日が876日に当たります。その間の議会での活動を振り返ってみるとき,福祉や教育の面での成果が遅々として進展していないように思え,残された任期と課題を考えるとき,焦りと憤りすら感じてしまう今日このごろでございます。
福祉問題や教育問題を考えるときに,必ずといってついて回るのが財政問題であり,また経済問題などのあらゆる政策課題を論じるときも,すべて安心した家庭生活が基本となるため,福祉や教育を切り離ずことはできないのでありまず。高齢化率のピークと言われる2025年には私も御多分に漏れず71歳になっております。そのときに働き盛りで国の政策や世の中の仕組みを決定するために,第一線でがかわっているのが今の中学生や高校生であることを思えばこそ,人の痛みをわかり合える心の教育や保健・医療・福祉などの社会保障システムの充実を叫ばざるを得ないのであります。
質問に入ります前に,質問に関連した基本的な考え方の一端を述べさせていただきましたが,質問はポイントを絞って簡潔明瞭に行わせていただきますので,関係部長並びに教育長におかれましても,執行部を代表されての立場であるとの認識のもと,明快かつ真剣に御答弁くださいますようお願い申し上げます。 最初は福祉行政の質問でございます。
保健・医療・福祉サービスの具体的な連携策についての質問でありますが,保健・医療・福祉の連携が時代の要請として位置づけられてきている昨今ですが,水戸市におけるそれらの在宅サービスの実情を見ると,各種機能の事業が具現化され,保健・医療・福祉サービスのメニューが配食サービスなどの一部を除いて出そろいつつありながらも,それら相互の具体的な連携という点においては,円滑に機能しているとは思えず,限られた財源であることも踏まえればこそ,さらなる施策の導入が急務と思われます。
国の健康保険制度の改正や公的介護保険制度の新設などの要因により,今後は受益者の自己負担が著しく増加することが明白となっている中で,受益者や扶養義務者サイドの経済的事情により医療や保健や福祉サービスの受給が控えられ,生活権まで侵害されるようなケースも起き得ることが予測され,行政サイドでの慎重な対応が極めて重要な課題となりつつあります。
私は,限られた財源を踏まえた上で,より効果的なサービスの展開という観点に立ち,定例会で毎回福祉問題を取り上げ,介護110番の設置に始まり,アンケート等の各種実態調査,さらには核となる組織体制の確立や情報管理システムの構築による情報の一元共有化など,多岐にわたる質問や提案などの意見を述べ続けてまいりましたが,一番大切な相互連携という部分が遅々として進んでいないため,せっかくの各種サービスが効果的に提供利用されていない非常に残念な状況で,すぐにでも核づくりに始まり,相互の具体的連携体制の確立を図るぺきと考えます。 そこで,質問ですが,水戸市は,市内6カ所に設置されたホームヘルプステーションと既設の訪問看護ステーンョンや在宅介護支援センター,デイサービスセンターなどのサービスの拠点と班体制の水戸市医師会や水戸市保健センターなどの機能を活用し,現行の保健・医療・福祉サービスをどのように,具体的に運携されようとしているのが。また,その際の問題点をどのようにとらえているのか,現状の認識と今後の展望をあわせてお伺いいたします。 続きまして,教育行政の質問でございます。
水戸市内の小学校には知的障害や情緒障害や難聴障害や言語障害のある児童のための特殊学級や通級学級があり,現在約90名の児童が利用しており,保護者の方々からも大変喜ぱれております。しがしながら,中学校には知的障害のある生徒のための精神薄弱特殊学級しがなく,その他の障害に対応する言葉であったり,聞こえ,心などの通級学級や特殊学級はlクラスも存在していないのが現状でございます。
幼椎園や小学校の通級学級や情緒特殊学級で教育指導を受けながら,何とか普通学級におくれをとらずに卒業を迎えることができた児童も,行き先がないために,障害の程度にかかわらず,中学校の知的障害のための精薄特殊学級や養護学校への進学を余儀なくされているのが実際のところのようです。
このことは,水戸市内の知的障害児のための精薄特殊学級の在籍数の平均が,小学校では1学年当たり7.4人であるのに,中学校の精薄特殊学級を見ると14人にぷえているところを見ても明らかで,そのためにせっがくの教育指導が立ち切れになってしまい,生徒の可能性を引き出してあげることができない非常に残念な実情です。
中学校に通級指導教室や知的障害以外の特殊学級を設置することは保護者の切なる願いでもあり,設置された中学校の普通学級の生徒たちの心の教育にも大きく寄与されるところであります。教育長は現伏をどのように認識しておられるのが,お伺いいたします。
また,鹿鴫市の平井中学校に昨年度がら言語障害の特殊学級「ことばの教室」が新設された事例もありますので,改めて中学校と小学校の特殊学級や通級指導学級に在籍したり利用している兄童,生徒の保護者ヘアンゲートによる実態調査を実施し,来年度からでも市内の中学校に障害別特殊学級か通級指導教室をモデル校として,せめて1校でも設置していただきたいと患いますが,教肯長は障害児教肯の第一人者とのことでもありますので,県や関係機関への,そのための働きがけの意思を含め,その実現の可能性についてお伺いいたします。 通告の質問は以上ですが,先日組閣されたばがりの橋本改造内閣は,システムの抜本的改革の旗印のもと,省庁再編を初めとした行財政改革を最重要課題に位置づけ,超高齢化や少子化時代でも困際社会の中で通用する社会システムづくりに,痛みを伴う覚悟で取り組むとの決意表明をしております。
また,一昨日,再選を果たされた橋本昌知事も,県政の3本柱の1つに行政改革の推進を掲げ,訴えておられました。
今さら申し上げるまでもないこととは思いますが,岡田市長並びに執行部におかれましても,第4次総合計画の政策の実施に当たり,そのような時代背景を踏まえた,長期的スタンスのもと,国の動向を先取りするくらいの決意で優先順位をつけて臨まれますよう,あわせてここに要望し,第1回目の質問を終わります。ありがとうごぎいました。
答 弁
○議長(森富士夫君)保健福祉部長,備海暉雄君。[保健福祉部長備海暉雄君登壇〕
○保健福祉部長(備海聴暉雄君)野村議員の一般質問のうち,福祉行政についてお答えいたします。
今日,高齢者の多くの方々は,住みなれた地域で家族や隣人と,健康で生きがいを持ち,安心して生活を送れることを願っております。
本市においては,高齢者のだれもが,こうした生活が送れるよう,各種の施策を展開しでおりますが,高齢者が介護を要することになっても,このような生活が維持できるよう,在宅福祉の3本柱であるホームヘルプサービス,デイサービス,ショートステイ事業に重点を置いて実施しているところであります。
議員御指摘のとおり,在宅福祉を充実することは,保健・医療・福祉の連携が必要であると認識しております。そこで,現在,水戸市高齢者サーピス調整チームの下部組織であります,市内の27カ所の保健・医療・福祉機関の専門職等で構成する在宅ケア検討会の中で,高齢者の二一ズの把握,高齢者に対するサービスの充実の状況及び問題点の把握や高齢者保健福祉情報のネットワークンステムの構築等を目的に検討しているところであります。
また,在宅介護の円滑な活動の一つとして,ホームヘルパー,訪問看護ステーション等が相互に連絡できる,在宅ケア連絡ノートの作成についても検討を進めているところであります。
さらに,水戸市医師会との定例会や水戸市が中心となって,高齢福祉課,保健センター,訪問看護ステーション,在宅介護支援センター,社会福祉協議会の専門職担当者から成る連絡会議を本年度に設置して,個別ケースに応じた連絡調整を図るなど,保健・医療・福祉の連携の向上に今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,要介護の状態や退院後のケアを的確に支援するために,病院のケースワーカーや在宅介護支援センター等の連携を密にしながら,よりよい在宅福祉サービスが均一に提供できるよう,本年度から高齢者や障害者の処遇方針を地域ケアシステム推進事業の中で,保健・医療・福祉の民間の専門家で構成する水戸市地域ケアシステムサービス調整会議を設置し,適切な処遇検討をして,サービスの充実に努めているところであります。
さらに,高齢者や障害者などの相談内容は,介護問題等保健・医療・福祉の部門にまたがり,複雑な問題を抱えておりますので,今後,市民にとって保健・福祉等の相談が同時に受けられる総合相談窓口を設置して,窓口の一元化を図っていくことが必要になりますので,現在,先進都市の状況を調査しているところであり,今後,実施に向けて推進してまいりたいと考えております。 ○議長(森富士夫君)教育長,堀川賢壽君。
[教育長堀川賢壽君登壇]
○教育長(堀川賢壽君)野村議員の一般質問のうち,教育行政についてお答えいたします。
市内の特殊教育については,小学校では障害の種類や程度に応じた指導が行われておりますが,中学校では精神薄弱児を対象とする特殊学級が設置されているのが現状でございます。
議員御指摘のとおり,障害の種類や程度に応じた特殊学級における適切な教育措置をとることは重要であると認識しております。児童期の言語や情緒の障害は,治療教育を主とする小学校の通級指導教室においておおむね解消されるため,中学校での通級指導教室は設置されていない現状にあります。
私といたしましては,教育の子供一人一人にとって,個に応じた教育の充実が図れるよう願っているところであります。特に,特殊教育は教育の原点であるという認識を持っておりますので,その子に応じた教育措置を十分に取り入れてまいりたいと考えております。
今後についても,議員の御提案を踏まえ,実情を調査し,必要に応じたモデル校の設置を含め,県に働きかけてまいりたいと思います。