平成15年6月定例会(葵政友会・代表質問)
野村まこと(眞実)の質問と答弁の全文です。
それでは,ただいまから,通告により代表質問を許します。18番,野村眞実君。
〔18番 野村眞実君登壇〕(拍手)
前文
○18番(野村眞実君) 私は,葵政友会の野村眞実でございます。去る18日,拉致被害者の横田めぐみさんの御両親が議会を訪ねられ,直接,救う会の方々を御案内いただいたのですが,お目にかかる機会を得ることができ,お話をうかがいました。その際,御家族のお気持ち,本当に平和な家庭を築いておられた,それが突然壊れたと,こういうことを感じまして,拉致被害者の一日も早い問題の解決,そういうことを,そして二度と起きないような恒久平和,こういうことを強く念願をいたしまして,平成15年第2回定例会におきまして,ただいまから,葵政友会を代表して質問をさせていただきます。
質問
最初の質問は,市長の政治姿勢についての質問であります。加藤浩一市長は,岡田前市長の参議院議員への転身に伴うさきの水戸市長選挙で,衰退する水戸に歯どめをかけ,「元気都市・水戸」の実現を前面に打ち出し,7万8,092票という過去最高の得票で圧勝いたしました。
多くの市民の期待からなる好成績を背景に,4月27日に当選するや否や,30日に初登庁され,庁内放送を通じて職員に抱負を語り,加藤丸のスタートを切ら れたわけですが,市長選挙において御推薦申し上げてきた我々葵政友会といたしましても大いに期待するとともに,適度の緊張感のもと,市民が主役であるとの 認識を新たに,市民福祉のさらなる向上へ向け,決意を新たにしているところです。今回は,我々議員にとりましても,加藤市長にとっても,改選後初めての議 会でもあるので,まず最初の質問として,加藤市長の政治姿勢のうち,市政の最高責任者としての考え方について,次の8点についてお伺いをいたします。
加藤市長に市民は何を望み,期待していると認識されているのかとい う質問でございますが,私は,市民が求めているのは,わかりやすさとスピード,つまり決断力ではないかと考えます。加藤さんなら問題を先送りにするのでは なく,できるできないをはっきりさせてくれるし,そのわけもあいまいにすることなく,わかりやすく説明してくれるはずということじゃないかと思います。
次は,加藤市長の市長観を伺いたく,通告をいたしました。
和田市長は,水戸市の水がめである楮川ダムや見川の総合運動公園をつくりながら,地方交付税の不交付団体である健全財政を誇りにしていた名市長でありま した。一方,佐川市長はと言えば,世界的に水戸を知らしめている芸術館や総合福祉作業所や保健センター,陸上競技場をつくり,生活環境問題に力を入れ,核 兵器廃絶平和都市宣言を行い,岡田市長は,すべての小学校区への公民館の設置,そして国際交流センターやボランティア会館,そして各地区の再開発事業を推 進し,生涯学習都市宣言,そして男女共同参画都市宣言,日本女性会議を誘致したという,それぞれ実績があり,両市長とも3期10年を務め,市債も増加をさ せはいたしましたが,いずれも名市長と評価をされているところであります。 今までになく厳しい時代にかじ取りを行う加藤市長にエールを込めて,過去三代の市長との違いをどのように位置づけられようとされているのか,お伺いをいたします。
市長の役割のうち,経営責任者として執務に従事する部分と,水戸市の顔としての渉外的な公務の両面がありますが,1カ月で279回の会合をこなした加藤市長は,市長としての仕事をどのように配分されようとされているのか,お伺いするところであります。
市議,県議を通した経験から,水戸市に一番不足している点は何であると認識されているのか,商業都市から文教都市,そして芸術文化都市と言われてきた水戸市の都市の性格をどのように展望されているのかについてもお伺いをいたします。
加藤市長は,中核市,政令指定都市を展望した50万都市構想を前面に打ち出しておられますが,総合計画の策定のための市民意向調査の結果では,適正人口規模について,水戸市民の約6割の人が今のままでよいから30万人までという回答結果が明らかにされており,私も当面は中核市ぐらいが適当と考える1人でございます。
それぞれ何年後ぐらいを目途と考えておられるのか,また,着々と進みつつある内原町との合併についての考え方,進捗状況と課題についてもお伺いをいたします。
また,所信の中でも,市長は,人口や経済の大幅な伸びが期待できない現在においては,いわゆる都市間競争が生じてくることから,地方の特色や独自性を高めるための政策を立案,実施していくことが必要と述べられており,全く同感に思うのでありますが,まさに政策力が勝敗の都市間競争に勝ち抜くためにも,政策立案能力を高める必要が急務となってくるわけであります。
現在,人事課で行っている全職員対象の政策立案研修講座という基本研修や選ばれた職員が受講している政策形成研修が行われており,過日その報告書を拝見し,内容の濃い報告に感心をさせられました。毎年18人の研修を修了した職員が生まれてくるのは心強いのですが,それらの能力が十分生かされる環境が必要になってくるわけで,私は各課の係を含めたそれぞれの部門ごとに,自分の課なり係が市役所の中のどの位置にあり,何を目的として組織されているのかを,日常業務の中で自然に振り返り点検する機会につながるような仕掛けが必要になってくると考えるのであります。職員の政策立案能力を高めるための方策と構想についてお尋ねをいたします。
企業や行政においてのアカウンタビリティー,つまり説明責任であり,情報開示であるディスクロージャーが求められる時代となり久しくなりますが,我々議会では,全議員により組織された行政改革及び政治倫理等に関する調査特別委員会での審議の結果を経て,議員提案による水戸市議会情報公開条例を制定し,委員会の傍聴とロビーでのモニター公開を行い,積極的に開かれた議会へ向けた改革を行ってきたところです。議会の委員会というのは,行政情報の中でも最も重要なものに位置づけられていることからも,執行部における会議などは,ほとんどの情報が開示されても当然で,開示した情報についての説明責任も当然に必要になるわけであります。そして,市民の皆様がそれらの情報をしっかりと得た上で,市政に参加し,責任も共有していくことが,加藤市長の言う新しい時代の市民参加型の行政なのではないでしょうか。
水戸市には,行政執行における68もの審議会があり,市民会館や好文カレッジ,「びよんど」,ミオス,国際交流センターなどの会議室のほか,庁内の政策会議室等で会議が行われています。高齢者保健福祉推進協議会や土地開発公社等の会議は,議会の委員会室を使っていることもありますが,多くの場合は,場所の確保にも苦慮されているようなのが実情でございます。この際,審議会の開催に可能な限り議会の委員会室を使い,あわせてモニター公開をしていくべきと考えますが,加藤市長の見解をお伺いいたします。
行政機構等の改編,改革についての質問であります。
「元気都市・水戸」の実現には,元気な市民と元気な行政,つまり役所が不可欠であり,そのためには行政組織や機能の抜本的な改編もかぎとの考えに基づき,次の11点について質問をいたします。
水戸市では,第5次総合計画,5水総ですね,5水総の策定に向け,水戸市総合企画審議会を公募による委員を取り入れ,メンバーも増強し,体制を強化し展 開しつつあり,既に会議をスタートし始めたところです。4水総の見直し時に審議会の委員であったころを思い出してみるとき,実際には執行部が作成した原案 をチェックするだけの承認機関のような機能しか発揮できないのが実情だったように記憶しております。
そこで,より専門的な見地で,例えば教育や福祉,環境,都市計画,産業振興などというように,政策ごとの諮問機関のようなものの設置が必要と考えるのであります。また,庁内の担当部門内での担当職員間の政策ごとの協議のための場の設置も必要で,単に意見を聴取するのみでなく,白紙の状態から独自の計画案を作成するというような機会への拡大も必要であり,さらには市民の方々からのアイデアの募集を行うなど,何らかの補完策も必要と考えるのでありますが,それぞれ市長の見解をお伺いいたします。
次に,市長公室の位置づけに関する質問でございます。
これは市長直轄の機関であることから,本来は企画の立案という専門的な機能が求められるはずなのですが,現状を見るとき,水戸市の企画課は,他の部門に属さないものを引き受けていくうちに,何でも屋的な要素が強くなってしまったのが実情で,議会の指摘もあり,統計等の部門をほかに移行してはきたものの,さらなる改善が必要で,本来の企画の立案と各課における新規事業の進行管理の確認や各部門間の政策調整の機能の強化を図り,行政力を高めるべきと考えるのであります。
さらに,議会での指摘を受け,総務部の中に法制係が設置されておりますが,私は,市長公室の中に企画部門と連動する形で法制部門を位置づけることにより,条例等の設置や行政へのクレーム処理や懸案事項に迅速に対応できるよう改善すべきと考えます。
また,加藤市長にぴったりの,すぐやる課的な新たな機構を新設し,市民ニーズにスピーディーに対応すべきで,あわせて現在の市民相談室を役所の総合窓口的な位置づけとし,より円滑な行政サービスを推進すべきと考えます。
また,少子対策課や男女平等参画推進室は,国でも内閣府の中に位置づけ,21世紀の最重要課題としてあることも踏まえ,この際,市長の直轄部門の中に位置づけ,さらに強化を図るべきではと考えるところであります。
そして,財政難の折だけに,市が所有している公共施設を効率,効果的に管理し,維持する必要があり,そのためにも営繕部門を独立した機関として位置づけ対応すべきと考えます。
また,市街化調整区域の国土調査がおおむね終了し,今後は市街化区域が対象となるので,この際,現行の農業環境整備課から土木課へ所管がえし,あわせてこの後の我が会派の村田正勝議員の質問にある住居表示の整理も行ってはと考えるところであります。
さらには,農業集落排水事業でございますが,これはれっきとした下水道であります。将来は企業会計に移行し,水道部門と一体化を図る予定でもあるので,専門的な施工管理やメンテナンス等の管理等は,下水道部で一本化を図るべきと考えます。
それぞれ勝手なことを申し上げてまいりましたが,決して執行権を侵害しようというのではありません。新しい市長の体制がスタートを切る今だからこそできるのではと申し上げたいわけでありますので,御理解をいただきたいと思います。
続きまして,総合企画行政についての質問であります。
元気なまちでは,大小を問わず常時何らかのイベントが開催され,人々が集まってくるとのことですが,水戸市の対応は商工課や観光課やごみ対策課等の所管課任せであり,総合的な見地での対応が必要と考えますが,参加者によるまちの活性化や経済波及効果が見込める大型イベントの積極的な誘致と何らかの具体的な支援策が必要と考えるところでありますが,見解をお伺いいたします。
城下町である水戸の歴史的な遺産でもある旧町名を復活すべきとの声が依然後を絶たない中で,加藤市長も復活論者であったように記憶いたしますが,この際,元気な水戸へ向けて英断すべきと考えますが,経済的な負担が少なく効果の大きいと思える水戸のギネスの復活等にあわせて見解をお伺いいたします。
また,水戸のギネスについては,過去の質問に対し,岡田前市長より前向きな答弁をいただいており,現 在,生涯学習課で検討中とのことですが,これは市民の皆様にナンバーワンを求めて競い合ってもらおうなどというものではなく,その人やグループにしかない オンリーワンを自薦,他薦により登録し,公開することにより,一人でも多くの方が自分の人生を見詰め,自分らしい生き方を求めるきっかけになればとの企画 であることを補足させていただきます。
市内には,福祉ボランティアに限らず数多くのボランティア組織が存在しており,それぞれ活動しており,潜在的なまちの力となりつつありますが,その基盤はいまだ脆弱であり,積極的な支援が必要と考えますが,市長が言われるまちを再生するためにも,空き店舗や空きビルの一角を借り上げて,ボランティア活動のためのスペースとして提供してはと考えるところでありますが,見解をお伺いいたします。
芸術館を核とした「カフェ・イン・水戸」が開催され,閑散としている中心市街地のまちを楽しめる企画としての観点でも,関係者のみならず市民の方々の評価を得たのは記憶に新しいところであります。私も最終日に歩いて散策してみたのですが,楽しいひとときを過ごさせていただいたのですが,知り合いと話をしてみると意外に開催の内容が知られていないことに驚かされたのです。同じような芸術館を核としてまちを楽しめる企画を継続して開催してはとの声が結構ありますが,市として何らかのイベントを開催してはと考えるのでありますが,
市長の見解をお伺いいたします。
続いて,地域経済の活性化についての質問であります。
市長は,所信の中で,経済を活性化させ,元気な水戸をつくるための就業の視点から,企業や事業所を誘致するとしており,相当の意気込みを感じるのでありますが,誘致はどのような職種の企業や事業所を想定されておられるのか,誘致の際の売り物はどのようなハードあるいはソフトを構想しているのか,長期にわたる空きビルや空き店舗を廉価で市が借り上げた場合や活性化に寄与する形で貸し出した場合には,固定資産税等の優遇措置を設けるなど,何らかの策が必要と考えますが,その用意はないのか,お伺いいたします。
末期状態とも言える中心市街地の活性化策は,再開発のような核づくりも必要とは思いますが,家族経営の事業者もあれば従業員を置いている事業所もあり,跡取りがいるお店もあれば一代限りのものもあるように,それぞれの置かれている環境はまちまちであり,商店街の個々の商店が個々の将来プランを設計できるよう,まず専門家による経営診断等を含めた何らかの個別支援策が何よりも必要と考えますが,加藤市長の見解をお伺いいたします。
続きまして,市民福祉の向上策についての質問であります。
合計特殊出生率が2050年までの将来推計を2年連続下回り,昨年1.33人であったのが 1.32人になり,超高齢化の進む中での国の数々の少子対策が功を奏せず,危機的状況が明らかとなり,国会においてもすべての自治体に少子対策の行動計画 の策定を義務づける動きが本格化してまいりました。
水戸市では,国に先駆け,少子対策へ向けた行動計画の策定に既に着手しており,見識の高い多くの市民の皆様が期待をしているところでありますが,国の動きに合わせることなく一日も早く策定し,行動に移していくべきと考えるのであります。 加藤市長は,本定例会の所信の中で,少 子化を特に深刻な問題として位置づけ,「少子対策に向けた行動計画を早急に策定し,男女共同参画の視点からも,子供を安心して産み育てることのできる環境 の整備に向け,子育て支援の充実を図るなど,行政でできるものは可能な限り推進してまいる所存であります」と力強く述べられており,私の公約とも一致しており,近い将来,私たちの愛する水戸市を,子育てするなら水戸市と言ってもらえるようなまちにできそうな予感がし,心強い限りであります。策定中の少子対策へ向けた行動計画はいつまでに策定するのか,策定した計画は5水総にも反映させるべきと考えますが,5水総との整合性にあわせ,加藤市長の見解をお伺いいたします。
複雑な現代社会の中での母子の負担は,物心ともに想像を超えた大きなものとなっており,一刻も早い対応が望まれているのは御承知のとおりです。行動計画の完成を待たずに子育て支援策が受けられるよう,子育て中の人が子供とともに集まり情報交換でき,そこに相談に応じられる専門的な知識を持った人がいるというような機能を持つ,子育て広場や子育て支援センターを設置するなど,できるところから制度化し,すぐにでもスタートすべきと考えます。
また私は,かねてから1中学校区に1カ所ぐらいは市民要望の強い児童館が必要と訴えてまいりました。児童館につきましては,我が会派の松本会長もせんだっての定例会の中で,設置すべきとの質問をしてきましたが,4水総の策定責任者である岡田市長としては,必要性の認識を明らかにしながらも,明快な答弁ができずにいたようですが,少子対策に人一倍理解のある加藤市長なら,前回と同じ答弁をされることはないと思いますので,改めて児童館の必要性についての認識についても,それぞれあわせて見解をお尋ねいたします。
次は,元気な高齢者のための支援策についての質問ですが,過去の市民アンケートでも,生き生きと活動できる場として老人福祉センターが強く切望されており,市民懇談会の中でも必ずといっていいほど要望の声が上がっていて,議会でも幾つかの陳情を採択していることは御承知のとおりですが,これらも1中学校区1施設ぐらいが必要と考えるところですが,必要性の認識と今後の見込みについて,市長の見解をお尋ねいたします。
子育て支援機能つきの県営住宅が日立市で設置へ向けて設計段階に入ったことが新聞報道で明らかになりました。私のところへ寄せられる最近の相談は,子供を何人も抱えて狭い住環境の中で子育てを頑張っている人や,障害のある子を抱えていたり,子育てをしながら高額な家賃が生活を圧迫していて困っている人で,公営住宅を希望しながら入居できずに待機している人たちからの相談が後を絶たず,何ともできない現状に腹立たしさを覚えているのであります。
そこで,子育て中で住宅に困っている家族を市営住宅を初めとした公営住宅へ優先的に入居できるようにしたり,新築の際の集会所の位置づけの中に,日中子育て支援センター的な機能として活用ができるような間取りや仕様を設計に織り込むなど,さらなる支援策が急務と考えるのであります。
もっとも市営住宅は慢性的入居待機状態でございます。民間住宅を借り上げて,この少子化対策のための優遇というものについては,子育ての期間中だけは民間住宅を借り上げて開放するというような措置も必要というふうに考えるところであります。
最後に,今まで申し上げてまいりました施設や事業の財源の確保についての質問でありますが,財源をいかに確保し,効率,効果的に執行していくかが重要であることは申し上げるまでもないことで,まさに福祉目的に交付されている貴重な財源でもある電源立地交付金は,少子・高齢化対策の施設等の整備費に充当するのにふさわしいものと考えますが,見解をお伺いいたします。
続きまして,行政改革についての質問であります。
加藤市長は,本定例会の所信の中の三つの重要な要素の一つに行政改革を挙げ,その冒頭で2,000億円を超える市債残高を明らかにいたしました。市長の所信の中で正式に認めたのは,たしか初めてと記憶するところでありますが,その削減に向かって全力で取り組もうとする市長の姿勢は評価するところです。
昨年度に続き,本年度の予算において,2年続けて人件費,扶助費,公債費からなる義務的経費が50%に達してしまった現状の中では,聖域なき抜本的な改革を行う以外に道はないのではと思料するところでありますが,同時に行政サービスが低下するようなことがあってはならないのは,今さら申し上げるまでもないことでございます。
また,続いて市長は,「ま ずは,行政のスリム化を図るため,外郭団体の見直しや民間委託化,PFIの導入の検討を推進するほか,効率的な行政運営に向けた行政評価システムの確立や 外部監査の導入などを進めるとともに,市民が今何を求めているのか,そしてそのことが本当に市民のためになるのかならないのか,最も優先すべき課題は何な のかを判断の基軸として,市民の視点を反映させながら,削れるものは削って,歳出の見直しに努めてまいります」と述べているのですが,スクラップのみならず,時代に合わせたビルドも当然必要なのではないかと考えるところでありますが,市長はどのような策をとられようとされているのか,お伺いをいたします。
また,土地開発公社や住宅公社のように,設立当時の役割が今の時代になじまないものも数多く,統合し,場合によっては解散し,本庁に取り込むべきとの考えもありますが,外郭団体等の統廃合等の見直しについての見解をお伺いいたします。
水戸市でも,国の指導に従い,バランスシートが作成され,議会の全員協議会の中で明らかにされましたが,予算制による現金主義と発生主義が混在しており,一般にはわかりづらい表記となっております。道路や公園などの資産の取得時期がまちまちであるため,評価が出しづらいなどの幾つかの問題が内在していることは承知しておりますが,この際,市民の皆様に市の経営状況が明確になるよう,わかりやすいものを作成し,つくるべきではと考えるところでありますが,見解をお尋ねいたします。
市長は,所信で,行政評価システムの確立を図り,外部監査制度を導入すると述べており,歓迎するところですが,私は,行政評価システムについては市民の方々に評価をしてもらわなくては意味がなく,外部監査についても,専門家と言われる公認会計士や税理士と言えども,行政の財務諸表については熟知しているわけではないので,ひたちなか市やつくば市等の監査委員とバーターし,お互いに相手の監査を行うという方が,内容にも精通していて得策ではと考えるところであります。それぞれの具体策と導入の時期をお伺いいたします。
PFI導入の手法を取り入れるとありますが,他市の例を見ても,うまいように機能している事例が見当たらないのですが,具体的にはどのような種類の事業に導入しようとしているのか,その詳細をお伺いいたします。
また,PFIより,私が昨年12月の定例本会議でも取り上げ御提案申し上げていた,市民向けで目的を明記し,販売先も例えば高齢者に限定するというような小規模な市債の発行こそ,市民の参画意識や自治意識の高揚にもつながることを踏まえれば,導入すべきと考えますが,見解をお伺いいたします。
職員の意識改革を進め,資質を向上することによって,市民サービスの向上を図っていくとしており,あわせて市民と行政の役割分担の明確化を進めるとしておりますが,意識の改革のポイントは適材適所にあると言っても過言ではないと考えるわけでありますが,具体的にはどのようにされるつもりなのか,見解をお伺いいたします。
また,意識改革には職場環境も大切であり,庁内の模様がえや以前から申し上げている制服の更新によるイメージチェンジも一案と考えるところでありますが,見解をお伺いいたします。
15年度の当初予算で,岡田前市長は,投資的事業全体の10%の事業費を留保した編成をしている中,今回,そのうちの水戸駅南大橋拡幅事業などで3億4,700万円を補正されましたが,残りは実際には9月に改めて再度の補正を行われるものと考察いたしますが,行財政改革という大命題の中,どのように特徴づけを図ろうとされているのか,お伺いいたします。
水戸市では,行政改革大綱に基づく実施計画の中で,平成18年までにおよそ60人の職員を削減するとしておりますが,歳 出の削減をしようとするとき,各課とも一律5%の予算カットという短絡的な削減措置であったり,職員を減らし人件費を削減するのが一番簡単であることはわ かりますが,現場にいる職員にとっては迷惑な話で,士気が下がり,やる気がなくなることほどマイナスなことはございません。また,行政にとっての人は財産でもあります。正職員を減らし,その分はビルドの部門での嘱託で補い,行政サービスの後退がないよう配慮が不可欠と考えるのでありますが,市長は水戸市の適正職員数をどのぐらいと考え,どうしようとしているのか,人員の削減の見通しについてもお伺いいたします。
最後は,教育行政についての質問であります。
教育委員会の独自性については,我が葵政友会の常井成一郎前会長がよく言われてきたことですが,教 育委員会が初めて制度化された当初の教育委員は公選制をとっていて,選挙によって選ばれていることもあり,時の首長に対しての予算要求権を持っていたとの ことで,時代が変わろうとも教育の重要性は不変であり,したがって,教育委員会はしっかりとした計画を立案する責任があり,その責任のもとに計画された事 業の執行に必要な予算については最優先すべきであるとのことで,私も同感に感じていたところであります。
教育行政は,まさに人づくりであり,国の将来を担う重要な位置を占めており,財政難の時代ですから,一つ一つの事業の予算執行においては,費用対効果の考察が必要であることは今さら申し上げるまでもないことでございますが,根幹の部分においては,財政主導で制約を受けるようなことがあってはならないと考えるのであります。この点については,昨年6月の定例会の代表質問で岡田前市長に見解を求め,教育委員会の意思や市民の皆様の意向を十分尊重,把握し,第5次総合計画に盛り込んでまいりたいと考えておりますという明快な答弁をいただいておりますが,改めて加藤新市長の見解をお伺いするところであります。
また,教育施設の整備に向けて,教育委員会が手づくりで大変内容の濃いバランスシートを含めた独自の教育施設整備計画を作成していることは,加藤市長も既に御承知のことと思いますが,今後の教育行政の推進の基本となるべき価値のあるものと考えますが,加藤市長の見解をお伺いいたします。
学校施設の老朽化に伴う建て替えと耐震調査に基づいての建て替えが計画されておりますが,過日の新聞で,県内の耐震調査の進捗が記事となっており,建築時期から調査が必要とされている建物の調査がなされていなかったり,調査の結果,改修や建て替えが必要との結果が出ていながら放置されている学校施設が数多く存在しているという実態が報じてありました。が,幸い水戸市においてはそのようなことはないとのことで安心をしたところであります。
一方,市内の学校を見るとき,今後において大規模修繕や建て替えの可能性のある学校施設の赤塚 中学校においては,学区の中心からは外れており,その敷地の7割が民間からの借地であることから,建て替えの必要が生じた場合については,学区の中心であ る第二清掃工場建設予定地であった土地に移転するなどのことも検討する必要があるのではと考えます。
また,下大野小学校においても,道路つきが大変悪いため,大型バスも通れず,通学路も大変狭隘で,ふたのない水路に面している狭隘な道路を通って通学をしている現状があり,学校関係者も改善を望んでいるところであります。県の公社が常澄駅の裏側の開発を計画していた当時は,駅の近辺に移転するという計画があったとのことでもあるので,常澄駅周辺への好立地への移転も視野に入れて検討すべきと考えます。また,下大野小学校において,移転の可能性がないのであれば,早急に通学路の改善を行うなど何らかの対応をすべきと考えるのであります。
また,学校施設の将来における安定性から,学校敷地は自己所有地が望ましいとの文部科学省の判 断も踏まえれば,現在,民間からの借地である河和田小学校や見川中学校,笠原小学校などに加え,今後において建て替えが計画されている新荘小学校,大場小 学校,見川小学校等については,最初に現在地ありきではなく,これから50年先の地域の将来を見据え,かつ地元の意向を確認した上で検討していくべきと考えるわけでありますが,移転と建て替えの判断の基準を含めた教育長の見解をお尋ねいたします。
最後に,市内の小中学校の屋内運動場,つまり体育館でございますが,児童,生徒はもとより,地域のボランティアに支えられながら夜間開放をしており,地域の方の健康増進に寄与していることは,今さら申すまでもありません。その体育館の照明ですが,電球が切れたままで交換がされていない学校も結構あるようで,その理由を調べてみたのですが,電球を交換する場合には足場が必要で,その費用は20万円近くにもなるため,1カ所,2カ所では電球の交換が割高につくと,そういうことで遠慮をし,迅速な対応を求めてないというようなことでもございました。現在,新設の体育館ではリモートコントロールによる昇降装置つきの照明が採用されつつあるとのことですが,この際,新築のみならず既存の体育館についても,年次的にリモート昇降式の照明に更新すべきと考えるのでありますが,市長の見解をお伺いいたします。
大変多岐にわたる質問になりましたが,以上で,葵政友会を代表しての質問を終わります。市長におかれましては,明快な御答弁をくださいますようお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○議長(小圷和男君) 市長,加藤浩一君。
〔市長 加藤浩一君登壇〕
答弁
○市長(加藤浩一君) 葵政友会を代表されましての野村議員の御質問にお答えをいたしてまいりたいと考えます。初めに,政治姿勢についてでありますが,私は選挙を通しまして,まちづくりのビジョンである「元気都市・水戸」の実現を掲げたところであり,市民の皆様から御協賛をいただき,期待されていると認識をいたしております。
これまで歴代の市長につきましては,それぞれ考え方や手法,それぞれに違いはあるものの,それぞれの時代に最善の行政運営をされてきたと感じておるとこ ろであります。現在の厳しい時代背景の中で,本市における課題,問題が山積していることを承知いたしておりますが,活力のある元気都市の実現に向け,しっ かり対応していくことで市民の皆様の期待にこたえていく所存でございます。
次に,水戸市に不足しているものはとの質問でありますが,水戸市に は,都市中,いわゆる都市の中枢機能,こういうものが集積をしておるところではありますけれども,昨今の社会状況の,あるいは社会情勢の変化,こういうも のの影響があって,都市としての活力が弱まってきている,こういうふうにも感ずるわけであります。私は,自然や歴史,文化,そしてスポーツなど多くの資源 を活用して,水戸市の魅力を創出し,元気で県都にふさわしい風格と安らぎのある都市の実現を目指してまいりたいと考えておるところであります。
50万都市構想につきましては,私は,県都として,地方中核都市圏のリーダーとして期待されるその役割にこたえるため,水戸市の持つ都市の魅力をさらに高めていき,都市の求心力を再生し,都市間競争に勝ち抜くことのできる活力のある元気な都市をつくり上げていきたいと考えておるところであります。
そのためには,個性ある都市の魅力をみずからの政策によって創出していくことのできる権限の拡大,そして財政基盤の確立に向けて,中核市,さらには政令 指定都市を展望しながら,広域合併の推進によって,住民福祉の向上や住民が誇りの持てるまちとして50万都市構想の実現を目指しているところであります。
この構想は,単に人口の50万人,行政区域の拡大,そういうことだけではなくて,新たな都市の魅力を創出するためにどのような都市機能の拡充が必要なのかを考えながら,周辺市町村を含めたエリアにおいて将来ビジョンとして描いているものでありますので,中長期的なものとして考えておるところでもございます。
内原町との合併につきましては,現在まで事務レベルの調整を進めてきたところではありますが,この合併は50万都市構想の実現に向けての足がかりとなることにもなりますので,周辺市町村の合併協議を促す意味で極めて重要であると考えておるところであります。
今後,他の模範となるよう,市町村とともに協力をしながら,今後の課題となるそれぞれの行政制度の調整や合併建設計画の策定について,本格的な協議を内原町と進めてまいりたいと,かように考えておるところでございます。
次に,政策立案能力を高めることについての御質問にお答えをいたします。
都市間競争に勝ち抜くためには,職員の政策立案能力を高めていくことが大変重要であると認識をしており,その方策としては,これまでも基本研修や専門研修の中で政策立案能力を高めるための職員研修を実施していたように聞いております。
また,行政目的の実現のために,各部課,それらにおいて,それぞれの役割,いわゆる分担のもとに,それぞれの組織目標を共有しながら,日常の事務を執行しておりますけれども,意識啓発の方策につきましては,検討してまいりたいと,かように考えているんです。
いずれにいたしましても,今後とも職員の政策立案能力を高め,自立した行政運営に努めてまいります。
次に,審議会等の公開についての御質問にお答えをいたします。
本市は,これまでの情報公開制度や行政手続制度を導入し,市政への市民参加の促進や行政の透明性の向上を目指してまいったところでございます。
審議会等の公開につきましては,個人情報保護審査会など,その審議事項の特性から本質的に公開ができないものもありますが,その他のものにつきましては,報道関係機関から要請があった場合におきましては,会議開催の都度,公開,非公開を判断することとしてまいりました。また,議事録につきましては,会議を公開できないものを除いて開示をしているところでございます。
しかし,市民に開かれた信頼できる行政の実現には,さらなる行政の透明性の向上が必要であり,一般の市民等への公開を進める必要があると考えておるところであります。審議会等の公開に当たっては,事前の市民への周知,傍聴の方法などを定める必要がありますので,これらの検討に着手をし,できるだけ早い時期に審議会の公開の実現に努めてまいりたいと,かように考えておる次第であります。
次に,行政機構等の改編,改革等についてお答えをいたします。
第5次総合計画につきましては,今年度中の策定を目指しているところであり,今後,基本構想などの素案がまとまった段階で総合企画審議会に諮ってまいりたいと考えております。
政策ごとの諮問機関等につきましては,個別の分野別計画を策定する中で,それぞれ附属機関を設置しており,各団体や関係機関等からの御意見をいただいておるところであります。
したがいまして,これらの御意見や施策等につきましても,総合計画に反映をさせてまいりたいと,かように考えておるところであります。
また,庁内におきましては,ワーキンググループを設置し,検討を行うこととともに,全職員の参画による原案の策定等を進めており,さらに積極的に職員の意見等が盛り込まれるよう,職員の意識の高揚を図ってまいります。
市民参加による計画づくりといたしましては,市民意向調査の結果を十分に反映させながら,素案等の作成を進めるとともに,まとまった素案等の情報の提供や市民からの意見,提案をいただくなど,多様な市民参加の手法を取り入れながら,計画の策定に努めてまいりたいと,かように考えておる次第であります。
次に,行政機構等の改編,改革についての御質問にお答えをいたします。
企画の立案や政策調整機能を行う組織につきましては,平成14年度から企画課に企画調整担当を設置し,企画調整員配置等による機能の強化を図ってまいりました。さらに行政力を高めるための機能強化につきましては,今後とも検討を重ねてまいりたいと考えております。
また,法制部門につきましては,平成14年4月に総務部総務課の文書法制係から法制事務対応に特化をした組織として法制係を分離,設置をし,組織上の強化を図るとともに,政策立案過程における法制上の相談等について法制係が対応しておりますので,御理解をいただきたいと存じます。
市民ニーズへの迅速な対応につきましては,公聴部門の組織として,市役所1階に市民相談室を置き,関係部署との連携のもとに市民の要望,陳情,苦情等々の処理に当たっているところであり,今後とも迅速な事務処理に努めてまいります。
また,少子対策課は,平成15年4月から,総合的かつ体系的に少子化対策に取り組むため設置をしたものであります。少子対策課の所属については,保育事業や子育ての支援などを担当する児童福祉課と連携を図りながら,新たな少子化対策の立案,調整を図る必要があり,保健福祉部に設置することとしたものでありますので,御理解をいただきたいと存じます。
公共施設につきましては,効率的,効果的な維持補修を踏まえ,施設の管理所管それぞれの部署において対応が可能なものを除き,建築課が営繕や維持管理指導の専門組織として対応してまいりたいと存じております。
国土調査法に基づく地籍調査事業につきましては,昭和29年度から実施し,市街化調整区域はおおむね終了をし,市街化区域の元吉田地区について,平成20年度完了の予定で,平成9年度から実施をいたしており,今後は市街化区域における事業が中心となりますので,所管部署のあり方等については検討します。
なお,住居表示につきましては,国土調査の実施状況とあわせて,都市基盤の整備状況を勘案しながら実施してまいりたいと考えております。
農業集落排水事業については,計画区域住民の同意をもって国に事業認可の申請をする事業でありまして,さらに米の政策改革大綱等による生産調整にもかかわる当該事業の立ち上げと工事の所管部署を分離することに困難性があります。また,維持管理につきましては,地域住民の参加協力及び理解が必要となってまいりますので,既設施設の下水道部への移管につきましては,今後の検討課題だと思っております。
次に,大規模イベントにつきましては,にぎわいの創出や本市の知名度向上,イメージアップにつながり,来訪者の宿泊や飲食,お土産品の購入などといった経済効果を期待することができます。このため,各種団体の全国大会やスポーツイベントなど,大規模イベントの誘致,支援のための施策について検討してまいりたいと考えております。
次に,旧町名復活についてでありますが,本市におきましては,都市化の進展に伴い,従来の町名地番では市民生活に種々の不便を来してきたことから,市街地について住居表示事業を実施してまいりました。この住居表示の実施によりまして,市民の住居に関する利便が図られ,市民生活の向上に寄与したところでもありますが,一方では,由緒のある町名が消滅したところもございます。
しかしながら,旧町名は,城下町として水戸の歴史と文化を伝える貴重な文化遺産でもあり,これを活用することは,地域社会のきずなや愛着を深めるとともに,水戸市の個性をさらに引き出すことにつながるものと考えますので,今後のまちづくりにこの旧町名をどのように役立てていけばいいのか,今後検討してまいりたいと考えております。
また,水戸のギネスの復活についての御提案でありますが,生涯学習意欲の増進に寄与できる新たな制度として,さまざまな視点から進めるべき検討を続けてまいりたいと,かように考えております。
次に,ボランティアへの支援についてお答えをいたします。
市内には,各種ボランティアがそれぞれ活動を行っており,これを支援する行政においても,担当がそれぞれの活動内容により分かれております。本市においては,今年度よりボランティア活動の総合的な窓口を市民生活課とし,各種ボランティア団体の把握と活動状況について調査を行う考えでおります。
今後,ボランティア活動の支援のあり方について総合的に検討してまいりたいと考えておりますので,議員御提案のボランティア団体の活動拠点としての空き店舗の活用につきましても,その中で検討してまいりたいと考えています。
次に,芸術館を核とした,まちを楽しめるイベントについてでありますが,昨年,展覧会「カフェ・イン・水戸」を水戸TMOや水戸青年会議所などと連携のもと開催をし,市民に現代美術に親しんでいただくための町中へのアートの設置などにより,大変好評を博したところであります。
この企画を来年度再び開催する予定で計画をしているところであり,水戸のまちの魅力の発見とにぎわいづくりに役立ててまいりたいと,かように考えておるところであります。
次に,地域経済の活性化策についてお答えをいたします。
長期化する経済不況のもと,企業の設備投資意欲が減退するなど,社会環境は変化しております。意欲ある新規創業者への支援やベンチャー企業の育成等,将来のある若者への就業の観点から,企業や事業所を誘致していくことは必要であると認識しているところであります。
これらを踏まえ,商店街活動や工業振興の支援については,既存振興策を引き続き実施するとともに,今後は,商工会議所等関係団体と連携をし,幅広い業種を対象とした総合的な振興策を検討し,地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えます。
具体的には,創業支援といたしまして,創業についてのノウハウや基礎的知識の習得を目的とした,仮称でありますが,創業支援塾等の創設や,企業誘致に当たっては,市内への進出企業に対する優遇措置を検討してまいります。さらに,金融支援の拡充として,市制度融資のあっせん要件を一部緩和し,新規創業者に対して門戸を開くとともに,商店街の空き店舗についても,家賃や改装費等の補助を行い,出店を促進させるなど,さまざまな角度から検討してまいります。
また,個店に対する経営診断等につきましては,これまで店づくり事業として商店街単位として行ってまいりましたが,御指摘を踏まえ,今後は専門家の派遣制度の創設についても検討してまいりたいと,かように考えておる次第であります。
次に,市民福祉の向上策についてお答えをいたします。
まず,少子化対策に向けた行動計画の策定についてでありますが,少子化は深刻な問題であり,社会環境への変化,また地域社会での子供の健全な育成等,さまざまな影響を与えることが懸念されます。
国においては,今国会で,すべての地方自治体に平成16年度中に行動計画の策定を義務づける次世代育成支援対策推進法案が審議されておりますが,本市と いたしましては,これに先駆けて,少子化進行の解消に向け,地域の実情や市民ニーズに即応した総合的,計画的な指針としての行動計画をより早い時期に策定し,第5次総合計画との整合性を図り,施策の適切かつ効果的な推進を図ってまいりたいと,かように考えております。
次に,子育て支援策としての広場やセンターの設置についてお答えをいたします。
少子化が進行する中,子育ての不安や育児ストレスを解消する子育て支援につきましては,急務の状況ととらえております。
現在,育児相談機能を持った地域子育て支援センター事業につきましては,今年度から民間保育園1カ所をふやし,7カ所で地域の子育て家庭に対する育児支援を行っております。
今後,さらに中核的な役割を担う基幹的子育て支援センターの位置づけを検討するなど,地域全体での子育て支援基盤の形成に積極的に努めてまいりたいと考えています。
次に,児童館建設ですが,児童館は児童福祉法の児童厚生施設で,満18歳未満の児童の健全育成事業の推進を図る施設であり,また子育て支援センターは,地域における子育て支援体制の強化を図る施設であります。その持てる機能として共通する部分があり,役割の重要性を認識しているところでございます。今後,第5次総合計画や少子対策行動計画の策定にあわせて検討していきたいと考えています。
次に,少子・高齢化に対応する公営住宅への優先入居につきましては,特定目的を持った高齢世帯向け,あるいは肢体障害者向け住宅として実施をしているところでありますが,子育て中の市民を対象とした優先入居は,子育て終了後の対応や現況における入居待機世帯が極めて多いという状況の中で,なかなか困難を擁しております。
しかし,新しく建て替えていく市営住宅につきましては,全戸バリアフリー化を実施するなど,弱い立場の人たちのための環境づくりというものは一層進めております。
また,子育て支援や高齢者への生活支援など公営住宅との連携については,県や各種団体,それらと協議を重ねてまいりたいと,かように考えております。
次に,老人福祉センターについては,急速に高齢化が進展する中で,地域の高齢者が健康で明るい生活を営むため,高齢者の社会参加の促進や生きがいづくり,介護予防策として,さらに高齢者クラブ等の活動拠点として重要な施設と認識をいたしておるところであります。
このことから,本市の高齢者施策の総合的な指針として策定をした水戸市第2期高齢者保健福祉計画に位置づけられており,市民要望や建設を求める請願の議会採択の趣旨を踏まえ,今後,第5次総合計画への位置づけをしてまいります。
また,その施設整備につきましては,昨今の経済情勢や平成9年度に国の整備費補助事業が廃止をされてしまったことから,厳しい状況下にありますが,議員の御提言にありました電源立地交付金も含め,財源確保等の課題整理を図り,整備に努めてまいりたいと考えておるところであります。
次に,行財政改革についての御質問であります。
本市を取り巻く行財政環境は,大変厳しいものがあります。県都としてのリーダーシップを発揮し,活力ある元気な都市・水戸をつくるためには,水戸市が2,000億円を超える市債残高を抱えている現状について市民の理解を賜りながら,市民と行政の英知を結集し,行財政改革に積極的に取り組み,市の体質強化を行い,元気そして活力を高める対策の推進に努めてまいります。
そのために,まずは民間にできることは民間にゆだねることとし,民間活力の活用を基本として,民間委託化の推進を図るとともに,PFIの導入の検討も推進し,外郭団体の見直しとあわせて行政のスリム化を図ってまいります。
また,市民が求める良質な行政サービスを効果的に行い,行政の透明性と信頼性向上を目指すために,行政評価システムの確立,外部監査制度やパブリック・コメント制度の導入を進め,市民の視点を反映させながら,歳出の見直しなどにも努めてまいります。
このような制度的,財政的な見直しを行い,健全な行財政基盤を確立するとともに,水戸市の個性や特性を生かした地域文化の醸成や経済の活性化等に寄与する市民活動,事業者活動の規制緩和を進める特区制度,これらの積極的な活用を検討してまいりたい,そして新しい仕組みを取り入れながら,水戸市の将来の発展を確実にする各種施策の具現化を図ってまいりたいと,かように考えておる次第であります。
次に,外郭団体の見直し等についてでありますが,市の外郭団体についても,適正な指導監督を行う立場から,その運営のあり方を含め,必要な改革と改善を早急に推し進めていく必要があると認めておるところであります。
このため,本年度におきましては,監査法人の業務支援を受けながら,外郭団体の経営評価を行い,各団体の経営状態を十分に把握して,何が必要で何がむだなのか,この課題や問題点を明らかにしながら,団体の統合や,あるいは廃止を含め,より効率的な運営のために見直しを検討してまいりたいと,かように考えておるところであります。
次に,バランスシートの作成についてでありますが,水戸市におきましては,国から示された手法に従い,平成8年度から13年度までの過去6年分について,決算データをもとに作成をしており,企業会計の損益計算書に当たる行政コスト計算書について,平成13年度決算について作成したところであります。
このバランスシートは,他団体との比較や年度間の比較など,新たな財政分析の有効な手段であると考えておりますが,議員の御指摘を踏まえ,水戸市の財政状況について市民に理解されやすい形で,どのように説明責任を果たしていくのか,これからも検討してまいりたいと考えています。
次に,行政評価システムについては,市民の視点に立って,行政の透明性の向上や成果重視の質の高い行政の実現のため,昨年度から試行に取り組んでいるところであります。昨年度の試行を通じて評価対象の整理,あるいは調書の簡素化などの課題が明らかになったものについては,これから課題の解決に努めると,こういうこととともに,本年度は評価対象事務事業数を拡大し,行政評価制度の本格的導入に向けて,職員の評価制度に対する習熟度を高めるためにも,さらに試行を進めてまいりたいと考えております。
次に,外部監査制度の導入についてでありますが,この制度は,地方分権の推進により地方自治体の自立性と自己責任が高まっていくことに伴い,自己統制機能や監査機能をより充実させ,行政執行の透明性と市民の信頼性の向上を目指して創設されたものでございます。
したがって,水戸市は,平成13年4月に特例市になりましたが,より一層市民の視点に立った市政運営を図るために,今後とも国,県からの権限の移譲により,その拡大を図っていく必要があり,外部監査制度導入の必要性はますます高まってきていると認識をいたしております。
外部監査制度につきましては,包括外部監査と個別外部監査の二つの制度がありますが,これらの制度の長所,短所を十分に整理,検討し,平成16年4月から制度の導入を図ってまいりたいと,かように考えております。
次に,PFIの導入は,施設整備等を進めていく上での有効な民間活力の活用の一手法であると考えております。具体的な事業の種類といたしましては,PFI法におきまして,道路,公園等の公共施設,庁舎等の公用施設,公営住宅,教育文化施設等の公益的施設等々が事業の対象施設として挙げられており,本市におきましても,導入する場合の効果を勘案して,対象施設の基準や課題等について検討してまいりたい,かように考えておる次第であります。
次に,市民向けの小規模な市債の発行についての御意見であります。
ただいま,ミニ市場公募地方債共同研究会,こういうもので6団体を踏まえて,今研究を進めておるところでございまして,単独でやるのがいいのか,共同でやるのがいいのか,それらを検討しているところでございますので,御承知おきいただきたいと存じます。
次に,議員御指摘の職員の意識改革のポイントとなる適材適所等につきましては,これらにつきましては,現在は自己申告,あるいは所属長のヒアリング等によってその人事を配置しているところでありますが,これからはさらに客観性を高めた人事配置,そして公平,公正,こういうものに対処しながら,十分にこれらの公平性を図っていきたい,かように考えておる次第でございますので,御理解を賜り,それからもう一つありました,当初予算に関しての留保した,いわゆる今回この留保した件に対する補正予算についてでありますが,今回,予算の補正をいたしました金額等々につきまして,これは4月30日以後ですね,留保金の残をどうするんだというような御指摘でございましたが,これらはまだ精査をし,国の内示等々を考えながら,これから9月に向けて対処してまいりたいと,かように考えております。
職員定数についての御質問でありますけれども,今回,18年度までの5年間で約60人の削減を計画しておるところでありまして,平成18年度の職員定数は2,133人を目標としているところであります。しかし,まだ国からの指導数値の上では高まっているよというような御指摘もいただいておりますので,今後そうしたこともあわせて精査をし,簡素で効率的な行政運営のために努力してまいりたいと,かように考えておる次第でありまして,以上で,葵政友会への市長としての答弁をさせていただきますが,これからも元気都市,こういうものに対して努力を一層していくことをお誓い申し上げて,答弁とさせていただきます。
ありがとうございました。
失礼いたしました。
教育行政につきまして,21世紀の水戸を担う子供たちの心豊かなたくましい学校教育の指導,生き生きとした潤いのある人を育てる生涯学習の取り組み方はどうするんだというようなことでございました。
これから21世紀をはぐくんでいく子供たちが生き生きとして伸びていく,そういうことに対しては大変重要なことでありまして,このことについては,これからもなお一層の努力をしていかなければならんと思っております。これらの教育施策をより効果的に展開し,教育委員会に専門的な組織として,より一層の力を発揮してもらう,そういうことが大変重要な問題だと思っております。
さらに教育委員会が策定した教育施設整備計画についても,今後の総合計画の策定や予算編成の際に反映をしてまいりたいと,かように考えておりますので,最後の項が抜けましたことをおわび申し上げて,終わります。
ありがとうございました。
○議長(小圷和男君) 教育長,吉田仁君。
〔教育長 吉田仁君登壇〕
答弁
○教育長(吉田仁君) 野村議員の代表質問のうち,教育行政についてお答えいたします。初めに,学校施設の整備についてですが,学校は児童,生徒の学びの場であると同時に,1日の大半を過ごす生活の場でもあります。このため,文部科学省では学校敷地を初め,学校施設の必要面積についてそれぞれ基準を設け,教育環境の確保に努めております。
御質問の赤塚中学校の敷地については,借地部分を含め必要な面積を確保し,充実した教育活動を展開しております。
また,下大野小学校についても,必要な敷地面積を有しておりますが,御指摘の周辺の狭隘道路の改善については,関係機関へ要望してまいります。
移転か現在地建て替えかの判断については,現在地に建設されたという歴史的経緯を踏まえ,現在地建て替えを基本とし,狭隘のため教育活動に支障を来す場合には,敷地の拡張を行ってきたところですが,現在地に限らず,周辺の開発など将来の社会情勢の変化によっては,良好な教育環境を確保するために,移転も視野に入れ検討する必要があると考えております。
次に,学校屋内運動場の照明器具についてですが,これまで小学校31校中10校,中学校15校中9校に昇降式の照明器具を設置しております。未整備の学校については,今後,改築事業の際に昇降式の照明器具を設置してまいりたいと考えております。