平成16年9月定例会
野村まこと(眞実)の質問と答弁の全文です。
前文
18番(野村眞実君) お はようございます。私は,葵政友会の野村眞実でございます。本日より質問時間の残時間の表示板が議場に設置されました。自己管理のもとで,貴重な与えられ た時間をしっかり成し遂げるために設置されたものと解釈をし,持ち時間内,精いっぱい質問をさせていただきたいと思います。◆平成16年9月・第3回定例会に当たりまして,ただいまから葵政友会を代表しての質問をさせていただきます。
質問
就任1年を過ぎた加藤市長の政治姿勢についてという通告をさせていただきました。加藤市長は,多くの市民の見守る中で昨年の4月に水戸市長に就任され,登庁するや否や庁内放送 を通して職員に抱負を語り,青年経済人を中心とした新たな顔ぶれによる行政改革推進委員会を組織し,2,100億円を超える起債残高を踏まえた歳出の削減 と効率・効果的な行政運営へ向けた数々の取り組みを打ち出しながら,都市間競争を勝ち抜き,市民が未来へ夢を抱けるような「元気都市・水戸」の再生を合言 葉とした50万都市構想を打ち出し,何事に対しても歯にきぬを着せず,前向きに取り組んでおられ,例えば,過日の芸術館の活用についての吉田秀和館長との 懇談の中でも,市民の代表という自覚のもとで,言いづらいことをはっきり述べられ,その上で理解を求められたというように,その姿勢に評価の声が高まりつ つあり,同じ時期に議員として活動ができる一人といたしまして,やりがいを感じているところであります。
毎月行われる三役部課長会議においても,両助役,収入役と各部長よりの事務報告を受けた上で, 飾りのない率直な所信を述べるというように,従来の会議の雰囲気を一変させ,職員の職務の最終責任はみずからがとるから,職員は一丸となり自信を持って職 務に専念するようにと檄を飛ばしながら,積極的にリーダーシップを発揮している姿勢は庁内に浸透しつつあり,好感を覚えるところであります。
さらには,激務の合間を見て,はりに通いながら,その身を酷使している姿には,私も市民の代理人である議会人として役割の重さを改めて認識しているところであります。あっという間に1年4カ月が過ぎようとしている今,次の点について,加藤市長の率直な見解をお伺いいたします。
間もなく上半期が終わろうとしておりますが,現時点での予算の執行状況を見ると低いように思えるのですが,執行率の対前年度比の状況はどのようになっているのか,見解を含め,お尋ねいたします。
市長は,総合計画を先送りした中で,年度当初に重点項目を打ち出し,御自分の考えで目標設定をされてきたわけですが,年度半ばでの市長職を振り返ってみての自己評価と今年度の課題を含めた所信をお伺いいたします。
代替地として先買いしながら,代替として購入してもらうことができずに,しょい込んでしまったり,利用目的があいまいなまま高値で先行取得してしまい,利用のめどが立たずに所有したまま地価が下落してしまっている,いわゆる塩漬け状態の土地開発公社所有の土地ですが,過去の行政の施策によるもので,いわば不良債権であるわけです。
大手民間企業は,金融機関に債権放棄という形で協力を得ながら,また,他県でも公社を解散し,積極的に不良債権の処理に取り組んでいる事例があることは 御承知のとおりであります。何事も逃げず,前向きに誠意を持って取り組むことをモットーとしている加藤市長だからこそ処理ができるものと考えるわけで,この際,引き延ばすことなく,少しでも可能性があるものは市で買い上げ,活用を図り,負の財産を清算し,公社の職員の方についても前向きに活躍の場を見出すべきと考えますが,いつ,どのような形で活用を図り,清算するつもりなのか,加藤市長の率直な方針をお伺いいたします。
次は,第5次総合計画の策定における考え方についてであります。
水戸市では,現在,加藤市長の陣頭指揮のもとで,パブリック・コメント制度を活用して,市民参加のもとでの合併後の内原町地区を含む第5次総合計画の策定に取り組んでいるところであります。これまでの総合計画の策定時と現在の社会経済情勢はもちろんのこと,社会システムの変化の速度を比較すると,想像を絶するようなスピードとなっていることは今さら申し上げるまでもありません。
国そのものの財政計画が成り立たなくなっており,三位一体を初めとした改革の嵐が吹き荒れている上に,民間においても大企業を初めとした企業が生き残り をかけて合併等の諸策に奔走し,リストラの嵐が吹き荒れ,先行きの経済の見通しがいまだ立たずにいるという憂うべき状況の中では,財源確保の予測すら立て られずにいるのが正直なところであります。
そのような中での今回の第5次総合計画の策定は,4水総の当時と根本的に時代の背景が異なる点を考慮しなければならないと考えるのでありますが,次の点について,加藤市長の見解をお伺いいたします。
過日,市が開催した第5次総合計画の素案を市民に公表し説明するための行政懇談会に私も出席し,詳細の説明を聞かせていただいたのですが,一例を挙げれば,福 祉分野において,「ともに支えあう福祉社会の実現」のタイトルのもと,次世代育成支援対策行動計画で5年以内に整備するとして,国が時限立法までつくり 行っていた施策を中核的子育て支援センターという形で位置づけてありましたが,今回の向こう10年の骨子の中には新設1カ所,事業主体は市とあり,5年以 降は必要ないと思わせるような数値目標となっており,あれほど重要性の認識を答弁してきた老人福祉センターにつきましては,わずか2カ所,事業主体は市 と,障害者の福祉施設においては,視覚,聴覚,身体,知的,精神と5つのハンディキャップがあるのにもかかわらず,わずか1カ所というように限定して位置 づけてあり,かつ,事業主体は民間という明らかなる後退と酷評されかねない内容でした。
また,加藤市長の重要施策であるはずの観光行政の観光の振興の中の新たな観光資源創出事業についても,事業概要の欄には,新たな観光資源の開発,整備として,ロマンチックゾーンほか1地区,事業主体は市という消極的なものともとれる内容となっております。
聞くところによれば,過去の先例から,市長が議会へ基本構想の議案を提案する場合には,基本計画とそれらの根拠となる10カ年の財政計画をセットで提出してきたとのことであり,数値が必要とのことですが,御承知のとおり,財 源の裏づけが確認できずに,財政計画そのものの責任を持ち切れないという現下の状況下での道路や下水道など生活環境基盤の整備以外の福祉や教育や産業の振 興などの分野の箇所数は何カ所以上という表現に改めるか,基本計画ではなく,実施計画の中に位置づけ,そのときどきの財政事情と社会的ニーズを勘案しなが ら,市長みずからが的確に判断できるようにすべきと考えますが,加藤市長の御見解を伺います。
8月には4回にわたる市民の声を聴く会として行政懇談会が開催され,参加した市民の方々への骨子の説明が,また,ホームページでも骨子の公開がなされ,その場で意見の聴取に加え,9月24日を提出期限としてファクスやメールによる意見を求めております。
このような過去にはない市民参加型で策定されつつあることについては評価をいたしますが,市民の方々からの意見はどのように反映されるつもりなのか,見解をお伺いいたします。
5水総は,水戸市の行政の向こう10年間の,いわばバイブルのようなものとされておりますが,その計画を実施していくのは実行部隊である市の職員一人一人であるわけですが,骨子そのものを計画しているのは担当課の職員の意見を基本としているわけですから,自分の担当の骨子については,当然,だれよりも理解されているものと思われますが,他の部署のものとなると理解できていないのが実情のようです。
市や外郭団体の職員への説明と意見を聴取することこそ重要であるし, 職員一人一人が市民の皆様に聞かれたときに説明できるぐらいには骨子の内容について熟知している責任があると考えますが,各部または各課ごとへの,特に所 管外分野の骨子についての説明と職員からの意見を聞く機会を早急に設けるべきではと考えますが,見解をお伺いいたします。
また,これまでとは違い,市民を代表する立場にある我々議員が事前に骨子について意思表明をすることそのものは,執行権の侵害には当たらないものと解釈できるはずですが,事前に議会への説明を果たした上で意見を聞く機会が必要と考えますが,議会へは,いつ,どのような形で骨子を説明され,意見を聴取される予定でいるのか,見解を伺います。
素案を考察させていただき,気がつきましたことは,メールで意見表明をさせていただきますので,ここで詳しくは申し上げませんが,例 えば,ペンディングになっている第二清掃工場の整備,国庫補助が使えながら水戸市には1カ所もできていないコミュニティセンターの整備,あるいは老朽化し ている消防本部,防災センター,あるいは市庁舎の増改築等の位置づけ,さらには実現性のない都市計画道路等の改廃,線引きや用途地域の変更見直しなどの重 要施策についての記載が骨子の中には位置づけられておりませんが,市長は,その点についてどのように考え,構想を持っておられるのか,それぞれについての見解をお伺いいたします。
次に,保健福祉行政の推進についてという通告をさせていただきました。
依然,先行きの不透明感がぬぐいされずにいる日本経済の憂うべき状況でありますが,元気の源となる現下の最重要課題は社会保障制度の確立であると考えるわけですが,次の点について,市長の見解をお伺いいたします。
先ほども5水総の質問の中で触れましたが,4水総で積み残しとなっていた高齢者の方々が健康を害することなく元気で居続けるための老人福祉センターの整備がいかに重要施策であるかは,電源立地交付金を充てることや候補地の提案など,具体的な手法を含めた議員諸兄の繰り返しの議会での質問に対する答弁を踏まえれば,当然承知されていることと思いますが,改めて必要性の認識と進捗状況をお伺いいたします。
歯科医師会の先生方の協力を得ることにより輪番制で行われてきた休日緊急歯科診療所でありますが,離れた場所が当番医になっていることも多く,行ったこともない初めての場所を探すのも大変で,緊急時にもかかわらず不便しているのが実情と のことです。実際に利用したことのある方の話では,休日の前に受診をしない親が悪いなどと言われるかもしれないけれども,普段かかりつけの歯医者さんは完 全予約のため,子供が週明けに受診する予定で予約を入れてあったのだが,よりによって休日に突然痛み出し,泣き叫んで騒ぎ,救急車を呼ぶわけにもいかない ので,水戸市の保健センターの休日夜間緊急診療所に電話したところ,当番の先生の電話を教えていただいたと。早速電話して,場所の説明を受けたけれども, 子供を連れ出して,ふなれなために到着するまでに2時間近くもかかってしまったと。しかし,本当に助かってありがたかったというようなことでした。たかが 歯などと侮れない状況を知らされたところであります。
来年の2月には内原町との合併が行われますが,その後は,常澄村との合併時と同様に,内原地区の先生方も輪番制の当番になるとのことのようなので,なお遠方になる可能性が出てきているのが実情です。財 政難の折ではありますが,第4次総合計画2か年実施計画に一度載りながら,コストがかかり過ぎるということが理由で見送られてしまったという経緯があると のことでございますが,休日の緊急診療は,主に痛みを緩和し,再診までの応急的な処置を行うことに限定されるわけですから,現存の機械器具で生かせるもの は生かし,医科のものとの兼用も検討するなど必要最小限の設備に抑え,また報酬等の手当や諸経費の十分な捻出が困難な事情についての理解を御協力いただけ る歯科医師会の先生方へ求めるなどし,当初の計画を見直せば設置が可能と考えますが,この機会に保健センター内の休日夜間緊急診療所の中に診察室と処置室 を設けるとか,事務は兼務するなどの形で固定的に開設をすべきと考えますが,保健医療の推進に積極的である加藤市長の見解をお伺いいたします。
次に,高齢者の生きがいづくりにも大きく貢献しているシルバー人材センターでありますが,好文カレッジの改築に伴い,移転が必要となることが明らかになりました。あり得ないことではありますが,もしシルバー人材センターがなくなるようなことがあったならば,多くの登録者の方々が生きがいを失うばかりか,かなりの混乱が起こると言っても過言でないぐらい,各種の施策へのマンパワーの確保への貢献という観点でも,水戸市におけるシルバー人材センターの存在が極めて大きなものであることは,今さら申し上げるまでもありません。
登録されている方々が通ってくるためにも,利便性が立地の重要な要素になっており,その点では,老朽化し,手狭とはいえ,現在の場所は好立地であるわけですが,好文カレッジが建て替えになるとなれば,移転にあわせてシルバー人材センターも引っ越しを行い,さらなる機能充実支援に向けた諸策を展開する必要があると考えますが,センターの重要性の認識と対応策をどのように検討されているのか,市長の見解をお伺いいたします。
元気な高齢者向けの各種の施策が計画され,生き生き健康体操のように一部ではあるが実施されつつあることは評価できますが,今後予定されている事業の実施場所を見ると,公民館を利用しようとしている施策が多いようであります。ただでさえ手狭な公民館の実情を見ると,新たな施策に既存の公民館を利用することはほとんど無理であり,先ほどの質問でも申し上げた老人福祉センターやコミュニティセンター,あるいは既存の各公民館に部屋を増築するなどの新たな場所の確保が不可欠であり,それなくしては,これらの施策をどこで,どのように実現しようとしているのか理解できないのでありますが,加藤市長の見解をお伺いいたします。
次は,条例,要項の制定についてという通告をさせていただきました。
指定管理者制度について,私は,さきの6月定例会の中で,福祉や教育の分野の施設についての導入の可能性が必ずしも不適当とは思わないとする所見を述べながら,導入の可能性と見解を質問させていただいたわけです。
その後,施設を所管する各課において導入に向けた対応が取り組まれつつあるとのことですが,制度において,委託先となる指定管理者は,原則公募としてい ることから,施設サイドの職員にしてみれば,自分たちの職場がなくなってしまうかもしれないという死活問題であり,どうなるのかと不安を覚えているのも無 理からぬことだと思います。
そもそも外郭団体の設立時の経緯を振り返ってみれば,その時代において行政が必要との判断に立 ち設置したわけであり,その後も行政の考えに従って運営されてきたものが多いわけですから,今さら自己責任と言われても酷な話で,やぶから棒に効率性だけ で民間と比較されては,今のままでは太刀打ちできない団体もあるのが当然のことと思います。
そういう歴史的な経緯を踏まえた中での制度の導入となるわけですから,この機会に団体の存在意義や社会的使命を見直し改めるとともに,あわせて行政の責 任もしっかり直視した上で制度を導入,活用し,民間のライバルに堂々と対抗できるよう,内容の改善がなされるようになるまでの責任をともども全うしていか なければならないものと考えます。
水戸市には500以上ある公の施設のうち,外郭団体が管理している施設が約200施設あるわけですが,そのすべてを対象として同等に扱うべきではなく, まず,現行の管理委託契約の業務内容を精査し,施設の管理の部分と運営の部分とのウエートの分析を行い,委託契約の性格の違いの認識に基づくすみ分けを行 い,ものによっては直営への変更も視野に入れた中での条件を付した条例の制定など,相当の準備が必要と考えるのであります。
制度は,公の施設の管理に民間の競争の原理を働かせることにより,住民へのサービスの向上と効率的な運営を行うことを趣旨としておりますが,過日,文部 科学省とのやりとりの中で,内閣法制局が指定管理者制度は箱物の管理が前提,学校運営の委託というのは無理があるとの見解を示したことからも合点がいくと ころであります。
ここで,水戸市の社会福祉事業団を例に挙げてみたいと思いますが,社会福祉法第60条の社会福祉事業の原則論の定義にのっとった事業を行うに当たり,昭和46年7月16日付社庶第121号「社会福祉事業団等の設立及び運営の基準」,いわゆる46 通知に基づき,公設民営の概念で水戸市が設立し,施設を設置したものであり,現在までその役割と存在意義を十分に示した活動を続けているわけですが,この 機会に民間の社会福祉法人との役割の違いを含めた社会的使命と業務の内容を職員一人一人が再認識した上で,さらなる改善充実につなげ,しかる後に指定管理 者制度に基づく条例により,参加資格を既存の社会福祉法人に限定した公募を行えばよいわけで,私は,少しの努力をすれば競争相手にまさるだけの存在になり 得るものと考えます。そして,事前に行う資格審査の中で,例えば,県において行われている社会福祉法人等の定款変更認可の際の審査基準であったり,十分な 運転資金の確保とか,毎年の県の監査で指摘事項がないこと,同種の事業の運営経験を有することなどなど必要な条件を設定する方法をとれば,事業の質の低下 の危険性を排除することもできるし,利益第一主義的な法人に委託してしまうようなことも防げるものと考えるところであります。
一方,新設の施設については,制度の即適用で競争の原理を働かせることにさして問題はないと思いますが, 既存の団体のうちでも,現時点で競争に耐えられそうもない団体については,しっかりとした改善計画を立てた上で,当面は管理代行という形,つまり特命とい いますか,随意契約というようなものですが,条例化を図り,段階的に委託内容のすみ分けにより計画的に採用控えを行うなどし,今まで貢献してきた職員を路 頭に迷わすことがなく対処することが賢明であり,可能なことと考えます。
また,管理業務にかかわる出納以外は監査の対象になく,議会のチェックは,指定管理者に委託してしまうと,予算の審議権のみとなることなど,その他にも問題点はまだありますが,導入に当たっての市長の見解をお伺いいたします。
このところ大した雨量でもないのに,市内の随所でおか水が発生し,市民の方々が被害に遭っており,関係各課が対応に追われているのが実情で あります。この件については,我が会派の会長である松本勝久議員がおか水発生後の具体策を通告の中に示し,提案しておりますが,私の方は,発生する前に も,もとを断つための提案であります。また,そのほかにも,今議会で5人の先輩,同僚議員諸兄が通告していることからも,事の重大さを理解いただけるもの と考えます。
おか水の要因と言えば,流量が管径に追いつかない,管渠が詰まっていたりポンプが故障しているわけではなくて,流量が管径に追いつかないことが原因であり,要因といえば,駐車場つきの店舗や住宅や車庫等の屋根つきの建物,構築物の増加にあるようです。 都市下水や都市排水路の設計を行う時点でも,ある程度の都市化は予測し,管径を決めるときに盛り込んではいるようですが,公の責任で将来の建築物のすべて を予測し,その雨量の排除に必要な管径の雨水排水を整備することなど,不可能であることは当然のことと理解いたします。
まずは,発生源を断つことが先決であり,この際,建物等の施設の建築 確認時に施設内から発生する雨水を処理するための浸透性の舗装や浸透性の雨水管やU字溝や雨水升などの簡易な貯留浸透施設等の設置を,受益者負担の原則を 踏まえ,義務づけるよう指導すべく要項を早急に策定すべきと考えますが,見解をお伺いいたします。 特別養護老人ホームについては,高齢化社会の到来により設置された市町村の国保や介護保険財政に多大な影響が生ずるため,入 居前の居住地の市町村への保険請求が住所地特例という形で既に制度化されておりますが,痴呆性高齢者のグループホームについては,いまだ制度化がされてい ないのが実情です。国保や介護保険の財政状況を踏まえれば,早急に国,県に要望するなどし,住所地特例の制度化へ向け積極的に行動すべきと考えますが,近 年の待機状況の推移と入所者の入所前の居住地の実態もあわせて見解をお伺いいたします。
特別養護老人ホームは,年々待機者が増加して おり,その対応を苦慮しているところであり,先ほどの住所地特例があるからといって,限られた定員である以上は,市外からの入居者を制限しない限り,待機 状況は解消されるわけがないことは自明の理であります。施設整備に当たり,現行で1カ所1億円近くの単市での補助が支出されていることを踏まえれば,新た な入居者については,ある一定期間以上の市内居住歴がある者やその家族を優先するような入所基準を定めるよう,条例等で位置づけるか,あるいは入所判定の 際の審査基準の項目に位置づけるなど何らかの方法を講ずべきと考えるところであります。
また,極めて厳しい財政事情でもあるので,施設整備費の補助基準に, 例えば,市街化区域内であり,地域に開放された老人福祉センター的な機能としての一定規模の交流スペースを有するものに優先して意見書を交付し,補助する というような制度化も必要ではないかと考えますが,市長の見解をお伺いいたします。
前文
最後は,教育行政についてであります。吉田教育長は,教育現場に直接足を運び,現場最優先の行政運営を目指す行動派の教育長として, 多くの関係者の期待を受け,堀川教育長の後任に選任されたわけですが,就任と同時に,心ない教師による不祥事が待ち受けており,以来,時代背景の中で発生 するたび重なる教育現場での事件や事故の諸問題の解決に東奔西走し,見事なまでに現場を再生したのでありました。
あわせて,県下に先駆け,幼稚園と小学校の間での教諭の人事異動を行い,幼小一貫教育の可能性 を一歩前進させたり,水戸市独自の基礎学力テストを創設し,基礎学力の向上の指針として活用したり,総合学習の時間に社会人講師を学校に積極配置したり, 中学校への単独調理校方式の導入へ向けた取り組みを推進し,学校給食に地産地消の考え方と食農教育を推進したり,水戸らしい文武両道の教育を推進したり, 学校開放デーを創設し,地域に開かれた学校づくりを推進したり,普通学級での障害がある児童の就学のための補助員制度を創設したりなどと,目立たないなが らに数々の新しい試みや改革を成し遂げられておられ,その功績は後に必ずや評価されるものと確信しているところでありますが,1期目の任期を全うするに当たり,次の点について吉田教育長の率直な見解をお伺いいたします。
質問
吉田教育長のリーダーシップのもとで,教育委員会と事務局が一体となり,バランスシートまで作成しながら水戸の教育施設の将来を展望し,独自に作成した教育施設整備計画があり,庁議を経た上で,今後の教育行政に活用されるとのことでしたが,その後の進捗状況をお伺いいたします。水戸らしい特色のある教育のために,水戸市が独自に設置した総合教育研究所でありますが,この存在は,各教科における副読本を初めとした補助教材の作成と教育研究大会等を初めとした各種研修や教職員の相談サポートであったりと重要な使命があるわけで,水戸市の教育に欠かせない存在であるべきものと考えるのでありますが,補助教材の作成の観点での充実強化策にあわせて,総合教育研究所の今後の位置づけと活用策について,吉田教育長の見解をお伺いいたします。
学校給食の重要性の認識のもとで,吉田教育長が策定された学校給食基本計画がありますが,今後,積極的に活用し,経費の削減策を含めた諸策を講じながら,教育委員会の総意のビジョンであった単独調理校方式の拡大に向け,英知を結集すべきと考えますが,御見解をお伺いいたします。
議会の陳情の採択を受けた形で本年度創設された教育補助員制度であり,大変期待されているところでありますが,スタートを切って間もないこともあり,改善充実による定着が課題と考えますが,次年度へ向けて学校現場でのスムーズな対応がとれるよう,早い時期での考察と関係者間での連携が必要と考えますが,現状と今後の充実策について,吉田教育長の見解をお伺いいたします。
市内の小中学校における通級教室を含む各種障害の特殊学級について,吉田教育長は積極的に推進されてこられ,新設の場合の設置基準の改善を初めとして,その功績が評価されておりますが,今後の継続充実についての教育長の見解にあわせて御所見を伺います。
近年,多くの識者により青少年の教育と家庭の教育の充実が叫ばれ,問題点の考察がなされてきており,まさに研究や検討の段階を過ぎ,即実践を求められてきている段階にあることは,今さら申し上げるまでもないことであり,青少年の問題は家庭の問題でもあることは,だれもがわかっていながらなかなか効果的な対応策が打てずに苦慮しているのが実情です。
過日,子供がいじめに遭って,不登校となってしまった保護者が県のいのちの電話に相談の電話をしたところ,県を介して総合教育研究所を紹介され,親切に 相談に乗ってもらい,迅速に対応してもらい,ありがたかったとの話を聞きました。水戸市の青少年の問題のうちでも,小中学校の児童,生徒に関する問題は, 他の機関から回ってきて,結局は総研で対応されていることを改めて知らされたわけですが,私は,家庭教育そのものも総研の活用以外にもう既に手はないのではと思うのでありますが,今後のあるべき姿について,経験豊富な吉田教育長の御所見をお伺いいたします。
加藤市長のわかりやすい率直な御答弁を求めまして,以上で,葵政友会を代表しての第1回の質問を終わります。
ありがとうございました。
答弁
市長(加藤浩一君) 葵政友会を代表されましての野村議員の御質問にお答えをいたします。初めに,本年度予算のうち,一般会計における歳出予算の執行状況につきましては,7月末時点で申し上げますと,予算額869億9,404万3,000円に対し,支出総額148億8,319万9,000円で,執行率17.1%となっておるところで ございます。前年同時点の19.0%と比較いたしますと,1.9ポイントの減となっております。この理由といたしましては,本年度予算に平成7年,8年度 減税補てん債の借りかえ分52億1,990万円が含まれておるため,見かけ上,予算額が大きくなっていることが影響していると考えておるところでございま す。
次に,本年度予算につきましては,財政の健全化を図りながら,限られた財源を真に必要な分野に重点的かつ効果的に配分することを基本とし,特に,緊急の行政課題でもあります中心市街地の活性化,あるいは観光の振興,自然環境の保全と再生,子育て支援・高齢者支援,教育の充実,行財政改革の6項目につきまして,新規事業も含め積極的な予算化を図ったところでございます。
このうち,中心市街地の活性化への対応といたしまして,空き店舗総合対策事業を推進するとともに,水戸駅南口周辺地域におきまして公共施設等の整備や泉町1丁目南地区等の市街地再開発事業の促進を図っておるところでございます。
また,子育て支援,あるいは高齢者支援として,子 育て支援総合ガイドブックの作成,そして,ひとり暮らし高齢者等に対する寝具乾燥消毒サービス事業開始に向けて設備の整備を進めるとともに,教育の充実に 関しましては,構造改革特区制度を活用した幼・小・中英会話教育やスクールボランティア制度の導入によりまして,開かれた学校運営を推進しているところでございます。
これまで職員相互の協力と英知を集めて事業を推進し,一定の事業成果を上げつつあるものと考えておりますが,現時点で評価することは難しい面もございま すので,今後におきましても,当初掲げた6項目,これらにつきまして鋭意事業の促進を図り,「元気都市・水戸」の実現に向けてまいりたいと,かように考え ておるところでございます。
次に,土地開発公社所有の土地の活用清算についてお答えをいたします。
土地開発公社が所有する長期保有土地につきましては,代替用地として取得いたしましたものの,バブル経済崩壊後の土地価格の下落により,帳簿価格と実勢価格が乖離し,処分が困難となっておるところでございます。
これまでも,事業用地として活用できるかどうかということなども含めて鋭意検討を続けてまいったところでありますが,土地の有効活用を図るには,買い戻しが前提である,こういうことで,現在の厳しい財政のもとでは困難をきわめておるという状況下にございます。
しかしながら,一方では,長期保有土地の解消を図ることは,行財政改革の観点からも極めて重要課題でございます。
こうした塩漬けの土地は,現在11カ所ございます。簿価で総額約75億円にも達するものでございます。これらは,いずれも事業推進に必要とされる代替用地として先行取得したものでございます。その中でも最大のネックは,営林署の跡地に占めるものでありまして,全体額の75億円に対して4割を占める状況にございます。
そうしたことを考えましたときに,その中の営林署の跡地につきましては,平成4年当時に事業推進ということで,営林署から約20億円で買い求めたもので ございますが,当事者が用地不要ということに伴い,自来,今日まで3代にわたる行政責任者に至っても解決ができないまま,公社が所有をしているということ で今日を迎えておるところでございます。その間,利息は何と7億円を擁しておるというものでございまして,簿価としては,現在27億円に達するものでござ います。
このようなことから,先日,営林署跡地につきましては,庁内に横断的な検討組織を設け,国庫補助制度の活用もいろいろ視野に入れながら,早急に具体的解決に向けた指示をしたところでございます。
また,その他の土地につきましても,議員御指摘を踏まえながら,新行財政改革大綱実施計画に基づきながら,買い戻し計画の策定及び新たな活用策の検討を進め,計画的な利活用及び処分に努めてまいりたいと,かように考えておるところでございます。
次に,第5次総合計画の策定における考え方についてでありますが,総合計画につきましては,都市づくりの基本的な方針となるものでありまして,行政運営の指針,そして市民、事業者等の社会経済活動全般の指針として,その役割を担うものでございます。
したがいまして,基本計画につきましては,10年間の計画期間中に実 施する具体的な事業を定めるべき性格を有するものでございまして,国における三位一体改革を初め,社会経済情勢が大きく変動する中での長期的な予測には極 めて困難を伴うものの,しかしながら,将来的な財政規模等を見通した上で,施設の整備等について,その数値目標を示すことが必要であると考えておるところでございます。
計画策定後におきましては,基本計画に定める施策について,3か年実施計画を策定し,市民ニーズや社会経済情勢の変化等に伴い柔軟に対応してまいり,円滑に推進をしてまいりたいと考えておるところでございます。
また,第5次総合計画につきましては,多様な市民参加の手法によりまして,市民の皆様方の御意見,御提案をいただき,反映させながら策定していく必要があると考えておるところでございます。
このたび取りまとめました計画の骨子「素案」につきましても,パブリック・コメント手続を実施し,先月,市内を大きく4つに分けまして,4カ所において市民の声を聴く会,これを開催したところでございます。4カ所で約500人の市民の皆様方の御参加をいただき,拠点の機能強化や,あるいは防災,コミュニティ,高齢者福祉,合併などに関する御意見等をいただいたところであり,今後,その趣旨を十分に踏まえ,できるだけ反映させながら計画案を取りまとめてまいりたいと,かように考えております。
今後ますます多様化する市民ニーズに的確に対応するためにも,庁内の横断的な連携の強化,さらには職員の資質の向上は重要でございます。これまでも計画の策定に当たりましては,ワーキンググループの設置,あるいは職員提案の募集などを進めてまいったところでございますが,今後,執行に当たりましても,職員からの意見を求めながら,意識改革等にもさらに取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
また,今回,市民の皆様に公表いたしました第5次総合計画の骨子「素案」につきましては,主な事業を示したものでありまして,検討を進めるべき重要な施策等をこれから盛り込みながら,計画案を取りまとめてまいりたいと考えておるところでございます。
その上で,再度,パブリック・コメント手続等を通し,市民の皆様方の御意見をいただきながら,今年度中の計画策定を目途として議会に御提案をしてまいりますので,御理解を賜りたいと存じます。
次に,保健福祉行政の推進についてお答えをいたします。
まず,老人福祉センターにつきましては,地域の高齢者が健康で明るい生活を営むため,社会参加や生きがいづくりなどの活動拠点として,また,健康相談や機能訓練などの介護予防拠点として,その機能と役割は今後ますます重要な施設となっていくだろうと,このように考えておるところでございます。
新たな施設設置につきまして,市民懇談会での設置要望や建設を求める請願の議会採択を受けているところであり,現在策定中の第5次総合計画に位置づけを図ってまいるとともに,厳しい財政状況の下ではありますが,必要な財源確保に努め,早期の整備に向け,具体的な用地選定を進めてまいりたいと考えております。
次に,休日緊急歯科診療についてお答えをいたします。
休日緊急歯科診療を水戸市休日夜間緊急診療所内で実施することにつきましては,これまでも,市歯科医師会,市医師会,水戸薬剤師会等の関係機関と協議を進めてまいりましたが,スタッフの確保や効率的な運営など幾つかの課題が残されてございます。
このため,現在は,残された課題につきまして,市歯科医師会と協議を進めておるところでございますが,これらの協議結果を踏まえるとともに,施設の維持管理経費等について十分精査し,最小の経費で歯科の増設及び診療ができるよう,さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
これらにつきましては,先ほど申し上げたように,幾つかの課題が残されておりますので,これらの課題等について整理をしていきたいと,こういうふうに考えておるところでございます。
次に,シルバー人材センターにつきましては,臨時的かつ短期的な就業を希望する高齢者を支援し,地域社会の活性化を図るためにも重要な組織であると考えております。
シルバー人材センターの一層の活性化を図るためには,新たな事業の開拓を行い,安定した就業の場を確保するほか,活動拠点をどこにするかも重要な課題でございますので,好文カレッジ改築時を見据えた対応も含め,引き続き支援に努めてまいる覚悟でございます。
次に,高齢者向け施策の実施場所につきましては,現在,いきいき健康クラブ事業などの介護予防施策を中心に,ふれあいランチ,お達者クラブなど高齢者向けの施策を各公民館で実施いたしております。
今後,介護保険制度の見直しとともに,お年寄りの行動半径の狭さなど によりまして,市民に身近な施設での事業の必要性が求められてまいると思っております。したがいまして,老人福祉センターや公民館なども含め,市内に点在 するあらゆる公的施設を活用した展開をさらに進めてまいりたいと,かように検討を進める覚悟でございます。
次に,指定管理者制度の導入に関する御質問にお答えをいたします。
現在,本市においては,芸術文化,社会福祉,スポーツ振興など各種の公の施設の管理を水戸芸術振興財団や社会福祉事業団,スポーツ振興協会などの団体に 委託をいたしておりますが,このたび創設されました指定管理者制度は,民間事業者の能力やノウハウを活用することで,より一層市民サービスの向上と経費の 削減を図ることが期待される一方で,委託団体のあり方,あるいは職員にも大きな影響を及ぼすものと考えてございます。
このため,管理を委託している施設の所管課長を構成員とする検討連絡会議を設置し,制度導入に当たっての課題について協議をしているところでございま す。施設の性格及び利用者に対する信頼あるサービスの確保,こういったような観点から,団体の指定方法等につきましても慎重な検討を進めていかざるを得な いと考えます。
また,現在,管理の委託を行っていない施設及び今後新規に設置される施設につきましても,制度導入の必要性や有効性などを十分検討してまいります。
指定管理者制度につきましては,平成18年4月の導入を目途に準備を進め,本年12月に関係条例を提案する予定でありますが,議員御指摘の点につきましては,条例を整備する中で十分検討してまいりたいと考えております。
次に,おか水対策のため浸透性貯留施設等の設置が必要との御質問についてお答えをいたします。
おか水の対策につきましては,雨水排水施設の整備のみならず,建築物の敷地における雨水処理対策を講ずる必要がございます。下水管や河川への雨水流量抑制を図ることにより,都市型水害への対策を進めていくことが重要であると認識をいたしております。
本市におきましては,開発許可を要するものにつきましては,原則的に貯留施設や雨水升を設置し,浸透化構造にすることにより雨水排水量の調整を行っているところでございます。また,医療施設や社会福祉施設などの施設につきましても,同様の調整を行ってございます。
開発許可の対象とならない個人住宅を含めた建築物全般の敷地につきましても,雨水処理対策を講じていくことが望ましいと考えておるところでございます。これらにつきましては,議員御指摘を踏まえながら,各施設,あるいは各地域の状況を十分に把握し,現行の要項の見直しや要項の策定,今後幅広くそうしたことを含めて検討してまいりたいと,かように考えておる次第でございます。
次に,痴呆性高齢者のグループホームの住所地特例制度の提案と特別養護老人ホームの待機者解消のための基準等の制定についてお答えをいたします。
グループホームにつきましては,本年6月末現在で20カ所,入所定員は378人でございます。第2期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の平成19年度の目標値であります162人を大きく上回っておりますが,入所者307人のうち,市内の利用者は176人で約57%,市外入所者は131人で約43%の状況にございます。
このような市外からの入所者の増加は,住所地特例の制度がないために,介護保険財政に大きな影響を与えていることから,早急に特例制度が適用されるように,県の中央要望,それらを含めて,あらゆる機会を通じて要望を行っておるところでございます。これらをさらに強化してまいりたいと考えております。
次に,市内の特別養護老人ホームにつきましては,本年6月末現在で9カ所,入所定員は454人 で,そのうち市内利用者は336人で74%の方が利用いたしてございます。 一方で,市外施設へ入所している市民も170人ございます。しかし,待機者は,14年3月末には286人,15年3月末には302人と増加傾向の状況にございます。
次に,市内居住者の優先入所については,市外からの入所者を一律に規制することは制度上,現時点では難しい問題ではありますが,これまでも設置者への意見書交付時に合わせて,市内居住者の優先入所をお願いしているところでございます。
また,昨年4月からは,県の指導によりまして,施設において入所検討 委員会を設置して,入所の決定を行っておりますが,県の入所指針に「近住性」という評価基準,こういうものが項目として設けられております。居住地に係る 条件についても十分に配慮されているところでございまして,今後とも適正な入所判定が行われるよう施設への指導に努めてまいりたいと,かように考えております。
なお,施設整備の補助基準の制度化につきましても,今後の課題といたしまして,なお地域性,そういうものに配慮しながら検討してまいりたいと,かように考えておる次第でございます。
大変ありがとうございました。
質問
18番(野村眞実君) 私は,葵政友会の野村眞実でございます。◆平成16年6月・第2回定例会に当たりまして,市長が提出されました議案第75号についての議案質疑をさせていただきます。本議案につきましては,千波大橋の新橋の設置により拡幅された千波大橋の旧橋部分の補強を行う目的で,工事を東日本旅客鉄道株式会社に委託しようとするものであります。
「千波大橋旧橋補強工事委託協定を次のように締結するものとする」ということで,協定の目的が千波大橋旧橋補強工事,協定金額が3億7,830万6,000円ということであります。協 定の相手方がただいま申し上げました東日本旅客鉄道株式会社となっているわけでありますが,鉄道関係法令等に基づいた鉄道の敷地内の工事であるということ の理由により,東日本旅客鉄道株式会社に委託をした上で,その指定するマル特の業者に東日本旅客鉄道株式会社が工事を発注するという仕組みになっていると いうことのようでございます。
これにつきましては,過去にも,桜川のラバーダムの建設でありましたり,また赤塚駅の橋上駅舎と自由通路,あるいは大塚池踏切の工事とかですね,こうい う工事がありましたけれども,踏切の工事みたいなものであれば,これは当然特殊性がありますから,東日本旅客鉄道株式会社に委託をした上で,その委託を受 けた東日本旅客鉄道株式会社が再度工事を発注するという形になることも理解できるのでありますが,本件のような,踏切内の工事とか,あるいは軌道敷の工事 ですね,軌道敷が絡むような工事,こういう工事でないものにつきましては,やはり疑問を感じるところであります。
本来は水戸市の予算で行う公共事業である以上,水戸市が直接建設会社に工事を発注し,そして責任を持って施行管理,完成までの管理を行うべきところであると考えるところであります。
通告に当たりまして,多くの先輩議員や同僚議員の方々も同様の見解で賛意をいただいていたこともありまして,議案質疑をさせていただいたところでありま すが,さきの都市建設委員会において,泉町南地区市街地再開発事業の工事の発注方法について,長時間にわたって論議をされてきたことが思い出されますが, その最大のポイントというのは,不況にあえいでいる地元業者の支援と入札の透明性にあり,地元業者を優先すべきとのこれまでの議会の論議の経過を踏まえれば,例えば,下請業者の7割を地元企業とすることなどの条件を付すことが当然であると考えるものであります。
それらの観点での主張はされたのかどうかというのが質問のポイントであります。東 日本旅客鉄道株式会社へ委託せざるを得ないというような根拠は,どのような法令に,あるいは内規にどのような形で定められているのか,締結に至るまでの相 手方との交渉の経緯と,条件を付さなかったとすれば,理由と根拠をあわせてお伺いいたしまして,第1回目の質問といたします。
答弁
都市計画部長(大水敏弘君) ただいまの野村議員の議案質疑,市議会議案第75号 千波大橋旧橋補強工事委託協定の締結についてお答えいたします。千波大橋旧橋につきましては,主要地方道水戸神栖線,JR常磐線及び桜川をまたぐ橋として昭和41年に完成し,本市の南北を結ぶ都市計画道路3・3・ 16号梅香下千波線の一部として,その機能を果たしてまいりましたが,その後の土地利用の進展に伴い,交通量が増大し,その機能が損なわれる状態となって まいりました。
そこで,水戸市内の交通渋滞対策として,水戸市街地南北連絡道路の整備が計画され,その一環として昭和62年に本路線の4車線化が都市計画上に位置づけられ,現在,その整備に鋭意邁進中であります。
千波大橋の4車線化に伴い,旧橋部につきましては橋梁点検を行っておりますが,その際には,特に損傷は認められませんでした。
しかしながら,4車線化に伴い,大型車両の通行量が見込まれる中で,道路橋を設計する際の荷重及び耐震性の基準が見直されたため,補強工事が必要となり,旧橋下部,上部とも平成13年度より補強工事を実施してまいりました。
当該案件の千波大橋旧橋補強工事委託協定につきましては,JR常磐線跨線部の千波大橋旧橋補強工事につきましても,基準を満たすべく平成16年度から平 成18年度の3カ年にわたって東日本旅客鉄道株式会社水戸支社に委託し施行しようとするもので,平成11年度より,道路と鉄道との交差に関する協議等にか かる要綱及び建設工事公衆災害防止対策要綱をもとに,東日本旅客鉄道株式会社水戸支社と協議を重ね,協定を結ぼうとするものでございます。
東日本旅客鉄道株式会社水戸支社によりますと,今回の委託工事につきましては,軌道敷内の工事であり,鉄道車両の往来に大きな影響を与えますので,請負業者においても専門的特殊性を要求されるということでございます。
しかしながら,議員御指摘のとおり,地元企業の経営状況が大変厳しいものであることは十分認識しておりますので,本市発注工事におきましては,施行能力及び経験などを十分に勘案し,市内業者に留意して適正な発注に努めてまいりますので,御理解を賜りたいと存じます。
再質問
18番(野村眞実君) ただいま都市計画部長より答弁を いただきました。ただいまの答弁をうかがって,最後の下りが,ちょっと聞いていて,本市発注の工事については,地元業者を優先しというのは,これまでの都 市建設委員会であったり本会議でかねがね市民の立場に立った議会の議員の質問等に答えていたことを繰り返しただけであって,あくまで,今回のようなJR絡 みの工事であったり,この工事について,水戸市の地元業者を使うということを申し上げたのではないというふうに理解をしたんですけれども,そういうことで よろしいんだと思うんですね。その上で,再度の質問を申し上げたいんですが,今のお話ですと,ちょっと聞き取れなかったんですが,いわゆる東日本旅客鉄道株式会社の内規,あるいは要 綱ですか,水戸市のものではないようなお話で,軌道敷内の工事であるから,専門的特殊性ですか,これがその工事に要求されると,こういうことで,つまり, マル特というJR指定の建設業者がおりますね。その業者さんに絞っているんだという説明でありました。これは,赤塚駅の−−たまたま河和田2丁目の土地区画整理事業もJR近接工事ということで,同様にマル特の業者に指定をすべきだということで,組合の方は水戸市に入札をすべて委託しておりましたので,水戸市の方で指名をするときにマル特の,つまりJRの,ただいま申し上げた専門的特殊性をきちっと担保できる,JRが指定しているマル特という業者さんの中から選定してJVの入札を行ったという経緯があります。しからば,今度のようなこのケースについても,JRが指定しているマル特の業者は専門的知識があるということですから,その指定した業者の中から水戸市が一般競争入札を行うなり,そういう形でやることは十分に可能なのではなかろうかというふうに思うところであります。
そういう意味では,今言ったようなことができるのか,できないのかですね。つまり,発注者は水戸市ですから,水戸市がわざわざ協定して,委託を受けた東 日本旅客鉄道株式会社が今度は自分たちの範疇で内規に基づいてマル特の業者に発注していくと,こういうワンクッションを置いていくやり方ではなくて,JRが指定したきちんとした技術を持った業者に,きちんとした基準に基づいて市が直接その業者に工事を出していくということは可能なはずなので,そのようなことができないのかどうかですね,再質問はまず1点。
それからまた,3億7,800万円を超える補強工事,これは当然ながら公金ですよね。公金の支出をもって行うものでありますから,その支出に当然ながら 透明性を求められるところであります。耳にするところによれば,JR東日本と言いますか,東日本旅客鉄道株式会社は,あくまで自分の内部の,何というんで しょう,守秘義務と言いますかね,企業秘密であるから,詳しい中身については公開できないと。つまり,協定を受けながら,その中に報告する義務とか,そういうことは明記をされていないような状況であるようにも聞いております。
したがって,今後,協定を結ぶということで議案で提案されているわけですから,この議案につきましては,協 定を結んだ以降,その支出について詳細の提出を求めるとか,こういう形で,市として,その工事がしっかりと透明性,そういうものが果たされているかどうか の確認をしていくべきというふうに考えるのでありますが,そういうことを求める意思があるか否かという,この2点について再度質問をさせていただきたいと思います。
いずれにいたしましても,地元業者をしっかりと踏まえて,競争の原理もさらに働かせながらですね,進めていかなくてはならない。この透明性が求められて いる時代であるということをしっかり認識して施行に当たるというのは,先ほどの1回目の質問で答弁をされていたようですけれども,お任せしたらそのままでいいんだということではなくてですね,協定したものについて,発注者としての責任をしっかりつけていくような仕組みづくり,こういうことも改めて必要だということで取り組んでいただくよう,要望もあわせていたしまして,第2回目の質問を終わります。
ありがとうございます。
◆再質問に対する答弁
都市計画部長(大水敏弘君) ただいまの野村議員の再質問についてお答えいたします。当該案件の千波大橋旧橋補強工事委託協定につきましては,平成11年度より協議を重ねてまいりまして,国において定められた要綱である道路と鉄道との交差に関する協議等にかかる要綱と,こういったものに基づいて協議を重ねてまいったものでございます。
東日本旅客鉄道株式会社水戸支社によりますと,今回の委託工事につきましては,多数の車両が通過する常磐線の架橋において,鉄道の安全な走行を確保しな がら補強を行うと,こういう工事でございますので,こうしたことから請負業者においても専門的特殊性を要求されるということでございます。
また,発注者側においても,軌道敷内の工事においては,その管理監督において専門的特殊性が必要となってまいります。
こうしたことから,補強工事をJRに委託して行うということとしたものでございます。
しかしながら,議員御指摘のとおり,公共工事の透明性の必要性ということについては十分認識しておりますので,その内容については,詳細について精算の時点で求めてまいりたいというふうに考えております。