平成14年9月定例会(葵政友会・代表質問)
野村まこと(眞実)の質問と答弁の全文です。
○須能昭一議長「06番・野村まこと(眞実)君」
●前文 野村まこと(眞実)
私は,葵政友会の野村まこと(眞実)でございます。変革の御旗のもとで結成いたしました葵政友会ですが,早いもので、来春までの残り任期中2回の登壇を残すのみとなりました。結成の精神を忘れることなく,いつかだれかがではなく,今,私たちみずからが、そして主役は、市民のみな様であることの原則を忘れず.最後まで使命をまっとう致しますことを、お響い申し上げますとともに,今回も代表質問の役を頂きましたことに感謝し、平成14年,第3回定例会に当たり,葵政友会を代表しての質問をさせて頂きます。
●質問 野村まこと(眞実)
まず最初の質問ですが,住基ネットの安全策のための条例制定についてであります。国民全員に11桁の番号をつけ、約3300ある市町村の住民基本台帳をスーパーコンピューターで一元管理する、住民基本台帳ネットワークシステムが8月5日に全国一斉に稼動し水戸市もご多分にもれずに参加導入したことは承知の通りです。 先日、導入の発案者の側の総務省市町村課の井上源三課長の発言が新聞に掲載されているのを見ましたが、近い将来は電子政府や電子自治体の時代になり、政 府は来年度中に、行政機関の届でのほぼ全部をインターネットで行えるようになり、その際、本人確認のために必要かつ有効な手段となるのが住基ネットで、国 民生活、行政効率化に大きなメリットがあり、心配されているような個人情報が一元管理されるような事は絶対ない。と主張されておりました。 そして本年8月5日の第1次稼動には、@個人の住民票に住民票コードが記載され、そのコードが本人に通知される。 A市町村などへ本人確認情報の提供開始 B年金、児童扶養手当て支給や雇用保険の受給など93の行政事務で住民票の添付が不要になる。
更には、第2次稼動の来年8月には、@全国の市町村で本人や家族の住民票の取得が可能になる。 A引越しの手続きが転入届の1回だけになる。 B希望者に住民基本台帳カードが交付される。 C旅券発給申請や結婚届など計264件に住民票の添付不要事務が拡大する。など、国民生活に大きなメリットがあるとのことでした。 しかしながら、もう一方ではニュースキャスターの桜井さんや弁護士で国会議員の福島瑞穂さんなどの識者が反対を表明し市民運動を呼びかけております。それは人が何回結婚、離婚し、子供が何人いて、どれ位海外旅行に行ったかなどの個人的なプライバシーが情報として集積され、行政に管理される事になる。そして下手したらば本人の知らないところで書き換えられたり売られたりする可能性がある。本人確認のためならば住民票、パスポート、運転免許証で足りる。4情報だけと言っているが、もしそうならば自治体の財政を圧迫するだけである。 行政が持つ情報を制御するまともな法律が存在しておらず、個人情報を保護する何の担保もない等々、危険性を指摘しております。
また全国各地の当事者である自治体においても、導入にあたっての安全対策の不備等の心配がぬぐいされず、町民生活の利便性と情報漏洩の危険性を比べて拒否することとした福島県矢祭町の根本町長の氾濫を皮切りに、異議や疑問を唱える長が増えてきており、更には、東大の名誉教授の弓削達さん達による住基ネット差し止め訴訟が提訴されたりと、論議が尽きないところです。
私の考え方はと言えば、電子自治体が具現化されることを前提にすれば費用対効果の観点で有効と判断できるが、先進国の流れに逆行して情報を集約するのはリスクが多過ぎる。
もし、4情報以外に行政が保有している情報を追加やリンクさせたりすることになれば、その時点では絶対に拒否すべきである。
行政ぐるみの犯罪が起き得る可能性も踏まえ、罰則を明確化すべき。
といったところで、現時点での接続は慎重に進める立場であります。 そのような中で、さしたる論議もないまま8月に水戸市でも導入し「懸念されるような情報の漏洩等があった場合は、即刻接続を切る」との方針を岡田市長は示しておりますが、実際のところ
ア 導入することにより、水戸市民にはどのようなメリットがあるのか?
イ 住基ネット導入に伴いどの位の費用が支出されるのか?
ウ リスクはどのようなものを想定されているのか?
エ それに対しどのような安全策がなされているのか?
オ 水戸市民以外の人が水戸市で住民登録の申請をする場合の本人確認は現行通りで影響はないのか?
カ 保有情報は4情報と住民票コードとされておりますが、既存の庁内の住民基本台帳システムや、福祉分野や消防など他の庁内情報ネットと、どのようにリンクされるのか?
キ 住基ネットへの接続移行時におけるトラブルやクレーム等はどのような実態であるのか?
ク 水戸市には『個人情報の閲覧請求等の権利を保障するとともに、個人情報の適正な取り扱いについて必要な事項を定めることにより、公正で民主的な市政の実現を図り、もって市民の基本的人権を擁護すること』を目的とした、水戸市個人情報保護条例があります。また水戸市では今回の住基ネットの導入のために先月の27日付で、水戸市住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報の保護に関する規定を制定し、併せて、水戸市住民基本台帳ネットワークシステム緊急時対応計画の制定にむけて案を作成しているのは理解しております。
この規定に有事の際のシステムの切り離しや、不正行為時の対応や、故障や漏洩についても、定められてはいるのですが、目的外使用や漏洩等の、背信行為についての罰則の規定は条例にも規則にもありません。
地方自治法でも権利や義務を定める場合は条例によらなければならないことになって入るのは承知のはずで、このことからも住基ネットは規則では足りず、条例の改正を行い、その中に定めるべきで、またその際は、罰則も含めたものとすべきと考えますが、以上の8点について、それぞれ、岡田市長の見解をお伺い致します。
●答弁 市長 岡田広
議長 須能昭一君 市長 岡田広君葵政友会を代表されましての,野村まこと議員のご質問にお答えいたします。
初めに,住民基本台帳ネットワークについてお答えいたします。
今日の,デジタル・ネットワーク社会の急速な進展のなかで市民負担の軽減,国,県・地方を通じた行攻改革のためには,行攻の高度情報化の推進々ミ必要不可欠であります。このようなことから,住民基本台帳法が平成11年8月に改正され,市区町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務を行うための全国規模のネットワークシステムが構築され,本市においても当該システムの整備を進め,その経費は,システム開発,委託料等を含め,現在までに約8千100万円であります。
このシステムの導入のメリットは全国どこの市区町村でも,自分の住民票の写しが取れることや恩給,共済年金などの現況届の省略,各種の資格申請時の住民票添付の省略等があります。
次に,システムに対しての個人情報の漏洩や不正アクセス等については,水戸市住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報の保護に関する規程を定め,更に,水戸市住民基本台帳ネットワークシステム緊急時対応計画の中で,不正行為の脅威度が高い場合は,システムの切離しができることといたしました。
なお,住民票登録の本人確認は現行通りであり,当該システムは他の部署との接続はありません。
住民票コード通知後のトラブル等についてでありますが,システムは正常に稼働いたしておりますが,一方市民からは個人情報保護法が未制定であるにもかかわらず,なぜコードを記載するのか,情報が漏れたら誰が責任を持つのかなどの意見がありました。
なお,受取拒否者は9月5日現在51名であります。 次に,安全のための条例の制定についてでありますが,水戸市個人情報保護条例は,本市において保有する全ての個人情報を対象とし,全ての事務に対応できるように制定されており,住民基本台帳ネットワークシステムの事務についても適用されます。
更に,水戸市住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報の保護に関する規程を制定しております。 また,地方公務員法においても守秘義務が課せられており,住民基本台帳法においても本人確認情報の電子計算機処理等に関する事務に従事する職員に対し,守秘義務が課せられております。
したがいまして,これらの法律,条例,規程を遵守し,住民基本台帳ネットワークシステムに係る個人情報の保護に万全を尽くしてまいりたいと考えておりますので,ご理解賜りたいと考えております。
●質問 野村まこと(眞実)
市町村の合併の課題について過日、内原町の大関町長は笠間、友部、岩間、七会の四市町村が設置する合併の任意協議会への参加を見合わせ、『住民の意向を重視するとの観点で、水戸市との合併へ向けた法定協議会を3月までに設置したい。』との意向を明らかにしました。
以前の定例会の特例市に関するの質問の中で水戸市の目指すべき方向について、中核市になるための昼夜間の人口の比率条件が廃止となったことは大きな成果であり、近隣市町村との合併により、中核市を目指したグランドデザインを構築し、広域的なまちづくりに取り組むべきであるとし、内原町、茨城町、大洗町、常北町等の隣接市町村との連携へ、一歩踏み出すよう申し上げて参りましただけに、大関町長の勇気ある決断を歓迎し敬意を表するところであります。
また、それを受けての岡田市長が『県都として、また水戸都市圏のリーダーとして、分権時代における地域の将来像を考えた場合、市町村合併は避けて通れない 課題であるとの認識に立ち、合併の意義と水戸市を格とした圏域の、あるべき姿について多面的な視点から考えてきた。このたびの内原町からの合併に向けた協 議について北関東の中核市を目指し、内原町との合併について前向きに取り組んで行きたいと考えている。』と今議会の所信の中で述べられており、市長の決断を評価し、歓迎するところです。
そもそも合併は、市町村の根幹にかかわる問題なので慎重な対応のもとで、十分な議論が尽くされるべきではありますが、聞くところによれば常北町との合併劇とは違い、内原町民の方々も水戸市との合併を前向きに望んでおられるようですので、来年の3月迄に法定協議会が設置できるよう、両市町の行政の各部門の代表で構成する、ワーキンググループを設置され、さらに職員の意識高揚を図り、全庁を挙げて検討していくような環境づくりをすべきと考えるわけで、今後についても、勿論、人口規模で30万を超えて中核市になれればどことでも合併するような事ではなく、茨城町や大洗町、常北町との 合併を基本として視野に入れながら前向きに対応すべきと考えますが ア 水戸都市圏の将来像をどのようなスパンでどのように構想されているのか?
イ 構想へ向けた関係自治体の各首長との連絡は、どのように取れているのか?
ウ 行政機関としての検討のための連絡は取れているのか?
エ 水戸市民の意向調査はどのようにするのか?
オ 政策決定を含めた今後のタイムスケジュールはどのように考えているのか?
それぞれ岡田市長の見解を伺います。
●答弁 市長 岡田広
次に,市町村合併についてお答えいたします。まず,水戸市の将来像に関する私の考えでありますが,これまでも,県都水戸市としての拠点性,中枢性を強化するため,さまざまな行政施策を総合的に展開してまいりました。
そして,水戸市を核とした圏域のあるべき姿を考えた場合,合併による地域発展の可能性は,大きなものがあると考えております。当面,目指すベき都市規槙といたしましては,事務権限が強化され,一定の自主性が発揮できる中核市がその姿でありますが,さらに地方分権の流れの中で,県都として期待される役割の高まりなど,時代の要請を受けとめるためには,さらなる飛躍も視野に入れていく必要があると考えております。 合併は市町村の自主的な判断のもとに進められるべきであるとの考えに変わりはありませんが,県の合併パターンに示されました中長期的又はそこに至る段階的な枠組みを参考に,県都として,北関東の中核都市としての機能充実に向け,リーダーシツプを発揮してまいりたいと考えております。
次に,周辺自治体との関係についてでありますが,内原町につきましては,本議会の冒頭でも述べさせていただきましたが,先月,合併に向けた協議を行いたいとの申し入れがありました。現在,事務レベルでの研究会を設置し,広域行政についての研究を行っているところであり,中核市への足がかりとして,議会との連携のもとに,合併について前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
また,茨城町や大洗町に関しましては,中核市への移行を展望し,研究会への参加を呼びかけておりますが,それぞれの町の事情により実現には至っておりません。ひたちなか市との関係につきましては,行政内容等の研究を事務レベルで行っておりますが,直ちに合併に向けた協議に進める状況ではありませんので,研究を続ける中で方向性を見いだしてまいりたいと考えております。
次に,内原町との合併に向けたスケジュールでございますが,合併に向けた協議や制度調整,合併移行の準備期間等を考慮しますと,少なくとも2年程度は必要となります。合併特例法の期限が平成17年3月と,時間的な余裕はありませんが,支援制度が充実している期間内での合併を目指してまいりたいと考えております。
こうしたことから,今後,内原町との間で,合併に向けた行政制度等の調査検討を行い,議会と協議をしながら,任意協議会等,次の段階へ進んでまいりたいと考えております。なお,合併に関する水戸市民の意向につきましては,協議の内容など多くの情報を広く市民の皆様に公開し,意向把握に努めてまいりたいと考えております。
●質問 野村まこと(眞実)
入札制度の改善について水戸市でも透明性の確保など時代の要請を受け、将来の電子入札制度導入を視野に入れた入札制度を改革してきたことは評価できるが、と考いくつかの盲点が見えており、以下の点について更なる改善が急務と考えますが、見解を伺います。
ア 水戸市では本年6月より一般競争入札の範囲を15000万円から5000万円以上の工事へ対象を拡大し、積極的に制度改革をはかろうとしている姿勢が高く評価されております。ところが、今回の議案となっている契約案件を審査中に2億8千万円もの下水道の工事が、なんと指名競争入札で行われていることに気づき、平成6年度に水戸市の一般競争入札制度がスタートした時から既に、土木・建築・電気・管・舗装の主要5工種に絞られており、機械や塗装が含まれていないことを初めて知り、驚いたのです。
早急に一般競争入札の工種を拡大改善すべきと考えますが、5工種に絞っている根拠に合わせ、市長の見解を伺いたい。 イ 5000万円を超えるものを簡易一般競争入札としましたが、電気工事や水道工事や管時工事、更には塗装工事等の工事のように平均請負金額の少ないものについては、指名競争と一般競争の境を例えば1000万円にするなど、工種ごと件数を踏まえ極力一般競争入札となるよう金額を改定すべきでは?と考えますが、市長の見解を伺います。 ウ また、ただ今は工種についての見解を申し上げましたが、過日の平成13年度水戸市水道事業会計決算特別委員会で入札制度について質問したところ、市長部局に併せて5000万円から一般で対応しているとの答弁でした。
それに対し、委員の皆様から強い引き下げの意見がありました。また、その後の江橋水道事業管理者も前向きな発言をしているようでしたが、そもそも、水道事業会計の中には3000万円を超える工事は大した件数がなく、今年度になってから5000万円を超える工事は、未だ1件もないという実情をみても、市長部局並みの件数の比率に併せるべきで、この際1500万円位まで線引きを引き下げるべきと考えます。
そもそも市長部局の制度改革も制限なく一般競争入札にするのが望ましいのは十分分かっていながら、件数が多くなると事務手続きが煩雑になり、物理的に無理があるので5000万円の線を設けたのです。それらの経緯と水道部が独自に入札を行っているという実情を考えれば、物理的には十分可能なはずです。出来ないのならば、なぜ出来ないかを明かにして頂きたく、岡田市長の見解を伺います。 エ 水戸市では、未公表であった予定価格を平成12年1月1日より事後公表するように改善し、翌年の平成13年1月1日には事前公表に踏み切ると言う大改革を行いました。過去の質問に対し、『事前公表は入札予定価格が目安となり、競争が制限され、落札価格が高止まりする可能性があり、建設業者の見積もり努力を損なわせる可能性がある、との理由で踏み切れず、研究していきたい』との答弁をしていながらの決断であったので、私は、平成13年9月の第3回定例会で『公表前と公表後の予定価格に対する落札価格の割合の考察と見解』を伺ったのですが、それに対しては『公表後8カ月経過した時点での、全体の平均落札率が95.78%になっていて、事後公表時と比較して約2%下がっているが,これが事前公表の効果であるかどうかの評価については難しいものがある』との答弁を頂きました。
そこで、もう少し掘り下げて評価する必要があると考え、過日の水道事業会計の決算資料から1件1000万円以上の工事の落札率を、事後公表していた平成12年の4月1日〜12月31日までと事前公表した翌年の同期間を比較計算してみたのですが、その結果は事後公表の平成12年の予定価格に対する落札価格が97.65%なのに対して事前公表の平成13年は98.62%で0.97%上回っております。ちなみに工事件数が35件で711,915,000円の予定価格であるから前年と同率であったと仮定すると約690万円の契約差金を生み出すことができたのではとも考えられるわけです。
一方、水道工事だけでは片手落ちといわれるので、一般会計の市長部局の工種ごとのデーターもここに用意させて頂きました。
先程と同年の同期間を比較したのですが、土木・建築・電気・管・舗装・その他の工事・委託という分類の平均では事後公表で97.35%が事後公表では96.04%というように1.31%下回っているのですが、工種によっては電気が0.24%、管工事については1.49%上回っているという結果となりました。
そこで、この結果をどうみるかが重要なのですが、以前の答弁の中でも懸念されていたにも係わらず現在は見積もり書の提出を義務づけていないとのことで、まさに見積もり努力を損なわせてしまっていて予測した通りの結果になってしまっていると捉えるべきではないか、と考えるところあります。
早急に、入札根拠を示す見積明細書の提出を求め、義務づけるべきと考えますが、岡田市長の見解を伺います。 オ 水戸市の一般競争入札には最低制限価格を定めておりますが、指名競争入札には最低制限価格の定めがありません。 もっとも国土交通省では最低制限価格を設けることの必要性の認識がないようにも聞いておりますが、国の取引先は上場しているような中堅や大手ばかりで発注 件数に見合う専門のスタッフによる検査体制が可能であるからそんなことが言えるのでしょうけれど、水戸市の場合は国とは違うので、円滑な入札業務の推進と、たたき合いによる粗悪な工事を防ぐ意味からも、指名競争入札にも最低価格を定めるべきと考えますが、市長の見解を伺います。 カ また、最低価格は落札の可否の大きな要因となる分けであり、最も秘守すべきものであることは言うまでもありません。そのようなことからも最 低価格の設定については、例えば、統一された積算根拠に基づき暫定的に計算した金額の前後1割の幅の範囲で数本のくじを用意し、それぞれの業者の方々が入 れた札を開札する前にくじを引き、その場で最低制限価格を公表決定し、その上で落札者を決定するというような方式をとるなど公平性を確保すべきであると考えますが、最低制限価格の決定はどのような機関でどのような方法で行っているのか?に併せて市長の見解を伺います。 キ 水戸市では指名の際に、受注実績や継続性を考慮用件としているとのことですが、受注実績は契約課で管理しているため、起案権者である担当課長が、参考にしづらいのが実情です。この際、庁内LAN等を活用し、もちろんこの場合のセキュリティーは、誰がいつシステムにアクセスしたのかが分かるようにパスワードによる管理と、イントラネットに接続中は、インターネットには接続できないようにするなどは、当然必要ですが、受注実績を各課長がリアルタイムに把握できるよう改善すべきと考えます。また、指名の際には発注する工事に過去関係のあった業者を考慮し、優先して指名をしている向きもあるようですが、継続性については業者の登録書き換えの期限である2年を限度とすべきと考えますが、それぞれ見解を伺います。 ク 水戸市の入札は一般競争入札に比較してみると圧倒的に指名競争入札の方が多いのであり、何のための入札制度かといえば、公平性や透明性、更には、競争の原理を働かせるためのはずなのですが、驚いたことは公共工事に限らず物品の購入についても、指名をし、市が指名をした業者に通知を行う際に同時に指名された業者名を一緒に通知しているのです。これこそお互いに話し合いをして仲良く競争して下さい、と市が言っているようなもので、競争の原理を損なうことにつながる可能性があるので、即刻取りやめるべきと考えるところであります。
何のために通知しているのか?根拠に併せ、岡田市長の見解を伺います。
横須賀市に続き県内ではつくば市も電子入札を既に導入しており、山口県の下関市も、横須賀市から僅か百数十万円でシステムを譲り受け、ピッチを上げて電子入札をスタートしたという情報も入ってきております。
以上、早急に改善すべきと考えますが、いつ改善するのかを含め、それぞれ市長の見解を伺います。
●答弁 市長 岡田広
次に,入札制度の改善についてお答えいたします。一般競争入札の対象を主要な5工種に限っている根拠については,平成6年4月に一般競争入札を導入するに当たって,「一般的な工事内容,発注件数や業者数が多いこと」などから,士木,建築,電気,管,舗装の5工種に限定しました。しかしながら,最近,県や一部の市において,土種を限定せずに一定額以上の工事について一般競争入札を実施しております。本市といたしましても,一般競争入札導入後,8年を経過しておりますので,来年度を目途に対象工種の拡大を図って参りたいと考えております。
一般競争入札の対象額につきましては,水道事業会計を含め,本年6月に1億5千万円から5千万円に引き下げたところですが,まだ実施期間が短いので,今後の実施状況など孝踏まえ,更なる引き下げや工種ごとの設定についても,検討して参りたいと考えております。
次に,入札に当たって,入札根拠を示す工事費内訳書の提出につきましては,現在,1億5千万円以上の一般競争入札に義務付けておりますが,一般競争入札の対象額を引き下げたのに伴い,来年度からは5千万円以上の工事について,工事費内訳書の提出を義務付ける方向で検討して参ります。
また,最低制限価格制度につきましては,現在,一般競争入札に採用し,指名競争入札には低入札価格調査制度を用いております。これら二つの制度は,県や他市においても入札形態等で使い分けております。しかしながら,一般競争入札と指名競争入札では,その結果が異なってしまうことも考えられますので,制度の統一化について検討して参りたいと考えております。
なお,最低制限価格につきましては,適正な履行を確保するとともに入札の公平性の観点から重要なものと考えております。その公表につきましては,事後の入札に影響を及ぼすことも懸念されるため,制度の統一化の中で併せて検討して参りたいと考えておりますので,ご理解を賜りたいと思います。
庁内LANを利用した受注実績等の情報の活用についてでありますが,現在,電子入札の導入について検討を進めておりますので,これに併せて情報の共有化についても,検討して参ります。
次に,指名業者の公表につきましては,公平性や透明性を図るうえから,従前より行っているところでございますが,個々の業者に対する通知書への記載については,できるだけ早い時期に廃止して参ります。
●質問 野村まこと(眞実)
墓地行政について常北町の町長が替わり、三村新町長となりましたが、立候補の公約によると、計画中の墓地公園の建設を中止し公園にするとのことのようですが、常北町の墓地計画を視野にいれて木葉下の公園墓地の建設を中止した、という水戸市の事情をみるとき、軌道修正を含めた対応策が求められるところであるが、 ア そもそも私は、平成11年の9月の質問の中で、一部事務組合を設立し,常北町と共同で墓地を建設し、一日でも早く市民の二ーズにこたえるべきと申し上げた経緯がありますが、既に常北町で国有地を取得しているという事実関係や三村町長が水戸市との合併を公約にしていること等を踏まえれば、再度、一部事務組合を設置して共同開発するなど、連携の可能性を模索すべきと考えるが、三村新町長と連絡は取られたのかに併せて、墓地政策に対する岡田市長の見解をお伺い致します。 イ 浜見台霊園は造成区画数6,157に対し、かなりの更地がありながら、全て永代使用の許可済みであるという状況の中で、我が会派の松本議員が霊園内の駐車場を有効利用し、墓地を増設すべきと発案し、前向きな答弁を頂き霊園内の余剰地を造成し増設する、など対応してきたことは一応の評価をするところであります。またその後、平成13年3月の葵政友会を代表しての私の質問に対し執行部は『2月末現在で157名の市民から墓地取得の希望が寄せられておりますところから、平成13年度には浜見台霊園の敷地の西側と既存区画の空き地を利用して167区画を増設する予定でおります。』と答弁を頂いた分けなのですが、その割には進捗が遅いように思えるのですが、早期完成を強く求めるとともに、どの位の規格の墓地が何基可能なのか?に併せて進捗状況をお伺い致します。 ウ 市内には市営などの墓地以外に、寺などの宗教法人の墓地や共同墓地が点在しており、市民の利便に供されております。聞くところによれば県の指導により管理組合等の墓地の増設等を制限されていて、それを踏まえて市は許可できないとのことで、公営以外には増やすことができないとのことでした。ところが県の茨城県墓地等経営許可事務処理要領なる要領は、既に廃止になっていて、今は権限が市町村に移行されていたのです。そこで申し上げたいのは、市民のニーズと常北町の墓地計画の見込みを踏まえれば、この際、新設はともかく、せめて敷地の隣接地への増設については、規制を緩和し一定のルールのもとで、共同墓地に限り許可すべきと考えます。緩和出来ないのであれば規制の根拠に併せ、岡田市長の英断を期待し、見解をお伺い致します。
●答弁 市長 岡田広
次に,墓地行政についてお答えいたします。常北町の公園墓地計画につきましては,木葉下町の公園墓地計画を棚上げとした経緯もあり、水戸市の墓地政策にとりまして,大きな影響を与えるものと認識し、その動向を注視しているところであります。今後の墓地政策につきましては,市民の墓地需要に応えていくよう,常北町の公園墓地計画の動向を見極め,浜見台霊園の拡張や新たな適地などを含めて,検討してまいりたいと考えております。浜見台霊園につきましては,平成13年度に166基造成するなど増設を図ってまいりましたが、現に遺骨を持っている市民の墓地需要を踏まえ,駐車場の利用状況を調査し、比較的面積の狭い墓地で100区画程度の造成を検討してまいります。 既設の共同墓地の拡張にかかる区域の変更につきましては,「墓地,埋葬等に関する法律」に基づく許可が必要」となります。さらに,従来本県においては「県墓地等経営許可事務処理要領」が定められており,これにより,隣接する市町村において大規模な公園墓地建設の計画がある場合には,原則として共同墓地の拡張は許可しないという方針がうたわれており,本市としても,これに基づき対応してきたところであります。しかしながら,現在,当該事務は,地方分権の中で「茨城県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例」により,市町村が処理することとなっており,当該事務処理要領も廃止されております。したがいまして,地域にある共同墓地の利用を望む地域住民の声もあることから,常北町の公園墓地計画の動向を見極めながら,今後の共同墓地のあり方について検討してまいります。
●質問 野村まこと(眞実)
介護保険制度の充実策についてア 介護110番のその後の実情と推進について
介護110番については、平成7年と平成11年の6月、平成12年3月の定例会で取り上げ、相談や苦情処理等の対応について,誰でも対応できるようマニュアル化をはかること等を提案し設置を求めて参り、同年4月に介護保険に関する市民からの相談や問い合わせに対応するための専用電話として直通の電話が設置され、お年寄り便利帳にも大きく電話番号(231−9110)が記載されたのです。
担当者を初めとした担当課の努力もあり、制度のスタートにおいて、介護保険制度の順調な推進に大きな役割をはたしてこられたことは周知の事実です。
しかしながら保険制度の普及や在宅介護支援センターや介護相談推進員、介護支援事業者等を初めとした、相談窓口的な機能が増加してきたためか、最近はその存在が若干薄れてきているように感じますが、それぞれの窓口のすみ分けを考える時期にきているのではないでしょうか。
とくに介護110番は、医療保険を利用した療養生活をしていて、介護保険の制度の内容すらも分からない、というような、いわば初心者でも駆け込めるような相談窓口として特化していくべきで、介護保険の未認定者の実態を見ても、定期的な広報等による、更なる啓発が必要であると考えますが、相談件数等の現状に併せて、市長の見解を伺います。 イ 介護相談推進員の訪問結果の公表策について
介護相談推進員が、市内の施設や在宅のサービス利用者のもとを訪問し、介護現場の実態の把握と各種の相談に対応されております。もともとは、県の介護保険相談員設置事業で本市に相談員が配置されたことを発展的に活用し、水戸市独自の制度として位置づけたものであります。提案させて頂いた一人だから申し上げる訳ではありませんが、介護保険の円滑な推進に大きな役割をはたしているものと評価しているところであります。 また、閉ざされた介護現場に公然と第3者が訪問できることが、すなわち風通しのよい介護環境や、QOLの向上にもつながる訳で、金儲け主義ともいえるような劣悪な事業者が少しづつではありますが見えてきつつある昨今の実情を踏まえるとき、いわばオンブズマン的な要素も併せ持ったものであるだけに、是非とも引き続き継続して頂きたいものです。 そこで訪問活動を通じて受けた様々な相談の内容を『このような問題のある施設や事業者があり、利用者の方からこんな相談が寄せられた』というように、プライバシーを損なわない範囲で事例として、広報みとやホームページで市民に公表することにより、事業者や現場のスタッフ自らが、サービスの質の向上や環境改善へ取り組まれる機会となるよう、有効に生かしていくべきであると、考えますが岡田市長の見解を伺います。
ウ 介護保険の保険料の改訂に伴う制度の考察について
過日、水戸市の介護保険制度を審議する高齢者保健福祉推進会議が開催され、その中で平成15年度からの介護保険料の推計とその根拠を示す資料が明らかにされました。
そもそも保険料の算定根拠の主な要因となるのが,要介護認定者数と在宅や施設サービスの供給量ですが、これらの供給量が大きく保険料に影響してくるシステムになっているので、第2期計画を策定するにあたっては過去2年間の介護保険事業の実績に基づく膨大なデーターの収集と分析が必要になってくるのです。 資料によれば、平成13年と19年の比較が、高齢者人口40600人に対し47800人、認定者4600人が7600人、利用者3900人が6500人、また、施設サービスの特養は418床が828床、老健440床から526床、療養型病床群64床が172床、更には、痴呆性のグループホームや有料老人ホーム等の施設でのカバーを含め、入所比率2.27%を3.19%にし、残りの在宅サービス利用者を2300人から4760人とし、国の基準をほぼ達成しようとするものでした。
そして、それらの3年間の推計の分析結果に基づき1号保険料の算定を行い、支出予定額が251億8000万円となっているのです。
これらの推計から逆算した保険料は現行の保険料2400円に対し2863円となるところを第1期準備基金を取り崩すことにより、最終的には国の中間時集計の平均3241円(水戸市は国の区分の2500円〜3000円に該当し、市町村数では919で32.6%に位置し、最多区分に該当)を大きく下回るわけで、2737円で抑えていることを見ても、努力をそれなりに評価しているところです。 一方、県内に目をやると、県内の平均が2497円であり、引き上げ自治体58、同額2、引き下げが、なんと21自治体という状況、とのことですが、保険料が安いからといって、喜んでばかりはいられない訳で、需要に対しての供給量不足の可能性、にも注目する必要があるわけで、他市と比較したときの認定者数が低いことなども今後の課題と考えます。
そこで平成12年の第1期の計画策定時の推計に対する実態の考察を含め、第1期介護保険事業計画をどのように評価し、第2期計画に反映させようとしているのか、第2期の特徴に併せ、岡田市長の見解を伺います。 エ 介護支援専門員等の介護スタッフのための相談窓口の設置と支援策の充実について
嵐のような介護保険の導入劇が一段落し、改めて振り返ってみるとき、介護保険制度の成否のかぎは、システムもさることながら、質のいい人材の確保に尽きるといわれていただけに、労働条件をも顧みない、献身的なケアマネージャーや、ケアスタッフに支えられてこそ成り立っている今日の実情をみるとき、思わず頭が下がり、サービスを提供する側の制度の課題を考えざるをえないのです。
先の厚生労働省の介護保険料の改訂の中で、直接処遇サービスに上乗せがなされる方向が示されているようですが、本当に報われるのかが心配なところです。
介護の現場のスタッフの身体に及ぼす影響は想像以上のものがあり、ケアスタッフが健康に働ける労働環境体制の確保の必要性を、改めて認識しているところです。
介護支援専門員つまりケアマネージャーについては、公務員に準ずる倫理や秘守義務が要求されているわけですが、その他の介護の現場に携わる介護スタッフについても、人が人を支える仕事であり、心身ともに健康でなければ本当に血の通った良い介護なんて提供できるわけがないことは明白なんですから、この際、市が率先して相談窓口を設置し、健全な介護サービスが、提供されるよう、支援体制の確立をはかるべきと考えますが、市長の見解を伺います。
●答弁 市長 岡田広
次に,介護保険制度の充実策についてお答えいたします。介護保険制度も3年目を迎えましたが,関係者のご協カにより概ね順調に推移していると考えております。介護保険は措置から契約へと大きな転換であったため,介護110番を介護相談窓口として位置づけ,専任相談員を配置してまいりましたが,問い合わせ等は徐々に減少の傾向にあります。しかしながら,新たにサービスを受ける方への制度の周知や苦情の直接の窓口として,役割は大きなものがありますので,今後とも介護110番について定期的・継続的に市民への周知に努めてまいります。 次に介護相談推進員は,現在6名体制で施設や居宅を訪問しており,訪問結果については各事業所や施設に報告し,介護サービスの質の向上に役立てております。一般市民への公表については,介護サービスの普及や事業所の啓発に有効と考えられますので,その方法等を検討し,介護相談推進員事業の活用を図りたいと考えております。次に,現行の第1期介護保険事業計画は,多くの部分を国で定めた基準により策定しており,要介護者の認定率やサービスの利用率等に実際との乖離が生じ,これまでの2年間では保険給付が見込を下回っておりますが,先に実施した高齢者保健福祉実態調査では,制度や介護サービスについて高い評価もいただいております。一方,現在策定を進めている第2期計画では,実績に基づいて要介護認定者やサービス利用等の推移を見込み,介護保険施設の整備目標を立ててサービス必要量を推計しております。施設整備は,特に要望の強い特別養護老人ホームや痴呆性高齢者グループホームの整備に重点を置き、居宅サービスとのバランスを考慮するとともに,保健福祉サービスの充実にも配慮しながら,総合的に介護サービス水準の向上を目指しております。
このうち平成17年度までの3年間の事業費を基礎として次期保険料を算定いたしますが,第1期の剰余金を充当することにより上げ幅を抑え,現在のところ基準月額を2,737円と試算しております。今後,国で示す諸々の基準値の変更や介護報酬の改定により変動がありますが,水戸市高齢者保健福祉推進協議会や市議会等広く市民のご意見を伺いながら,最終的な保険料を定めてまいります。
次に,介護サービスに従事する介護スタツフヘの支援につきましては,これらスタッフの教育研修は第一義的には各事業所の責任でありますが,サービスの質的向上の観点から,ケアマネージャーについては,「みとケアマネージャー研究会」やケアプラン指導研修事業を通じて支援をしてまいりました。ケアマネージャー以外の介護スタッフの支援についても,市内の介護事業者で構成する水戸市高齢者保健福祉サービス連絡協議会において指導研修を行なうほか,労働環境の改善や教育・研修について,事業者団体や県において積極的に取り組んでいただくよう,働きかけをしてまいりたいと考えています。