平成15年12月定例会(葵政友会・代表質問)
野村まこと(眞実)の質問と答弁の全文です。
前文
18番(野村眞実君) おはようございます。私は葵政友会の野村眞実でございます。加藤市長は,本年4月に第18代の水戸市長就任以来,みずからのビジョンとして,水戸市の将来像の中に50万都市構想を位置づけ,社会的な弱者や水環境に配慮した上での「元気都市・水戸」の実現に向けて,積極果敢に市長としての職務に専念しているところであります。
そして,就任とともにパブリック・コメント制度の導入を前倒しし,職員の英知を結集しようと最低一人一提案以上を合い言葉に職員からの提 案を募集し,市民と職員の参加による真に開かれた行政へ向けての民間活力を活用するなどのさまざまな改革を推進しようとしており,本定例会の所信の中で も,アイデアを出し,いかに効果的に活用していくかにかかっているとしており,その姿勢は多くの市民や職員から評価されつつあり,成果が期待されていると ころであります。それだけに,私たち議員も,時の議会の一員としての責任を共感しているところであります。
今回は,葵政友会を代表しての質問でありますので,そのことの重みも踏まえ,提案型の質問としてまとめさせていただいたところでありますが,限られた質 問時間でありますので,福祉行政や教育行政,さらには男女平等行政等については,所管の文教福祉委員会の中や,次の機会とすることで整理をさせていただい たところであります。やる気のある加藤市長御自身の考えを明快に御答弁くださいますようお願い申し上げ,平成15年第4回水戸市議会定例会に当たり,ただいまから質問に入らせていただきます。
質問
最初は,広域行政の推進の対応についての質問であります。加藤市長の言う県都としての活力を水戸に取り戻すための50万都市構想というのは,もちろん広 域行政を視野に入れてのことであることは承知しておりますが,必ずしも合併のみを言っているのではなく,生活圏や経済圏という観点での広域的な見地に立っ た政策の執行を意味しているのであると私は理解しております。
そのための近隣市町村との積極的な連携が不可欠であるわけですが,内原町との合併や第5次総合計画の策定,さらには次々と生まれてくる新たな政策立案に 絡む行政課題に追われている担当課である企画課の実情を見るとき,企画課は,総合計画に基づく3か年実施計画の各部門間の政策調整や進行管理に特化すべき であり,法的な根拠の検討を行う政策形成の部門は市長の直轄部門として別立てとすべきであると,かねてから議会で申し上げてまいりましたが,ただ単に合併 のためということではなく,先ほども申し上げましたような広域的な見地に立った関係市町村との連携を密にしていくために,来年度へ向けて,(仮称)広域行政推進室,あるいは課のような専門的な部署の創設が必要であると考えるわけでありますが,市長の見解をお伺いいたします。
答弁
市長(加藤浩一君) ただいまの葵政友会を代表されましての野村議員の御質問にお答えをいたしたいと存じます。初めに,広域行政推進の対応についてのお答えをいたしたいと存じます。
水戸市が県都にふさわしい風格と安らぎのある元気な都市の構築を目指していくためには,私は,広域合併を推進し,50万都市構想の視点に立ち,市民の夢をはぐくむ,揺るぎのない将来の水戸市のまちづくりを進めてまいりたいと,かように考えておる次第であります。
なお,住民の生活意識や,あるいはライフスタイルが多様化,高度化するとともに,住民の生活圏の広域化が進む中で,市町村の区域を越えた広域的な施策の 展開が必要不可欠であると考えておるところであります。したがいまして,今後,周辺市町村との一層の連携と協力を深めてまいる覚悟でございます。
御提案の推進室,あるいは専門的部署等々の考え方等によりましても,推進組織の今後のあり方について,今後さらに組織機構の編成の中で十分に考えていきたいと,かように考えておる次第であります。
質問
次は,第5次総合計画の策定についてであります。市長は,所信の中で総合計画の重要性に触れ,「今年度中という時期にとらわれず,時間をかけて,できる限り市民の皆様の御意見や御提案をいただき,市民と行政の英知を結集しながら,市民主体のまちづくりに向けた計画としてまとめてまいりたい」と述べておりますが,合併特例法の解釈の中にも,策定中の総合計画の中への位置づけが示されていることからも,私どもの会派のみならず多くの議員諸兄の意見とも合致しており,的を射た発言と評価しているところであります。
そもそも総合計画は,基本構想と基本計画に分かれており,当時の佐川 市長の責任において策定された第3次総合計画の基本構想の展望年次は平成12年度となっており,基本計画は平成7年度を終了年次とし,後半の5年間の中で 見直しをする予定でしたが,見直し時期の間に常澄村との合併が浮上したため,終了時を待たずして策定作業に入っていたさなかに,佐川市長の 知事選への転出により岡田市長が市長に就任し,2年前倒しして第4次総合計画のスタートを切ったところであり,その第4次総合計画は,平成20年度を基本 構想の展望時期として議会の議決を経ており,基本計画の目標年次を平成15年度としていたわけであります。そして,基本計画の策定の準備に入っているとこ ろで岡田前市長が国政に転出され,加藤新市長が誕生し,水戸市の経営のトップとなったわけであります。市長御自身に政策やビジョンがないのであれば,表現 方法に直しを入れる程度で,前市長の事務方により練り上げられたままのものを計画として発表するのでもよいのかもしれませんが,幸い,加藤市長は,市議会 議員時代からの政策通であり,幾つもの新しい政策を持っているのですから,慌てることなく,御自身の考えをしっかり織り込み,まとめ上げ,住んでいてよ かったと言ってもらえる「元気都市・水戸」を市民の皆様とともにつくり上げるべきであると考えます。
そこで,この際,1年くらいかけて先送りしても,みずからの責任でしっかりとしたものをつくるべきであると考えるのであり,初年度を平成17年度とする よう提案をさせていただくところでありますが,どのくらいを目途に策定しようとしているのか。また,総合計画における人口想定がいかに重要なものであるか は,今さら申し上げるまでもなく,4水総の人口想定が平成20年度において32万人という実態と大きく乖離したものであったことを忘れてはならないわけ で,将来の人口動態と予算規模の推移を踏まえたグランドデザインこそが必要と考えるのでありますが,見解をお伺いいたします。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,第5次総合計画についての御質問にお答えをいたします。私は,「元気都市・水戸」をまちづくりのビジョンとして掲げ,その実現のために何が必要なのか,今,水戸市民にとって何を求めていかなければならないのか,最優先すべきことは何なのか,あらゆる分野において熟慮してまいりました。
その上で,第5次総合計画の基本構想「素案」を取りまとめ,市民の皆様に公表するとともに,行政懇談会を通じて御意見,御提案をいただいてまいったところでございます。
策定を進める中で,総合計画は今後の水戸市の 目指すべき方向を定める重要なものでありますことから,今年度中という時期にとらわれず,できる限り市民の皆様の御意見,御提案をいただくとともに,社会 経済情勢の大きな変化を見きわめながら,市民と行政の英知を結集した計画として策定をしていく必要があるとの考え方に至ったところでございます。
したがいまして,今後,私の市政に対する基本的な考え方を盛り込んだ基本計画の素案を策定する過程におきましても,パブリック・コメント を実施するとともに,積極的に地域における懇談会を充実して開催するなど,市民参加をさらに進めながら,市民の皆様の御意見や御提案を反映させた計画とし てまとめてまいりたいと思っております。同時に,議員御提案を含め,時期をとらえて議会に御提案をしてまいる考えでございます。
また,人口等の基本指標や財政計画につきましても,国の動向なども十分に勘案した上で設定するとともに,50万都市構想の視点に立った,市民の夢をはぐ くむ,揺るぎのない将来の水戸市を展望するグランドデザインを明確に示した第5次総合計画として策定をしてまいりたいと,かように考えておる次第でありま す。 次に,重点事業につきましては,地域経済の活性化,市民福祉,行財政改革,これら三つの視点に立った施策を推進してまいりたいと考えておるところであります。
現在,予算編成作業に着手した段階であり,概略を申し上げますが,まず,中心市街地の活性化策として,空き店舗対策や泉町1丁目南地区の市街地再開発事 業等を推進するとともに,生活環境の改善や水質保全を図るために,生活道路や下水道など市民生活に密接に関連する事業等を推進してまいりたいと,かように 考えておる次第であります。
また,少子・高齢化社会への対応といたしまして,民間保育所や特別養護老人ホームの整備促進を行うとともに,生涯学習社会に対応するため,(仮称)見和地区図書館の建設や,引き続き新荘小学校校舎及び屋内運動場改築事業を推進してまいりたいと考えております。
なお,これらの各種施策を展開するためには,健全財政の確立が不可欠であることから,行財政改革を推進するとともに,国,県の予算編成の動向や地方財政対策等を見きわめながら,「元気都市・水戸」の実現を目指してまいりたいと,かように考えておるところでございます。
質問
次に,次年度の予算編成についての質問であります。社会経済情勢が混沌としており,引き続き厳しい財政状況が続く今日でありますが,課題は山積しており,一刻の猶予もない中で,限られた財源を生かし,最大限の効果を生み出さなければならないわけで,難しい予算編成になると考えるのでありますが,市長はどのような観点で予算編成に取り組もうとしているのか,加藤カラーとはどのようなものなのか,お伺いをいたします。
また,構造改革の一環として,三位一体の改革の名のもとに,国庫補助事業のあり方の抜本的な見直しに政府が取り組み,農業委員会等への交付金を初めとし た各種の補助金や交付金が次々と削減されていきながら,税源の移譲はといえば遅々として進んでいないばかりか,さきの9月定例会でも取り上げさせていただ きました固定資産税の軽減策まで再び飛び出すという憂慮すべき状況の中で,市長はどのような改革と財源の確保に向けた対策をされるのか。地方分権一括法の 制定以来,地方自治体の独自性が保障されていることを踏まえれば,ただ黙って国の決めることを待っているわけにはいかず,市民の立場に立ち,積極的に発言していくべきではないでしょうか。中央への働きかけを含めた加藤市長の見解をお伺いいたします。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,平成16年度の予算編成につきましては,国及び地方を取り巻く厳しい財政状況の中で,水戸市におきましても市税の伸びが期待できないことに加え,公債費や扶助費などの義務的経費が増大しているなど,引き続き厳しい財政環境に置かれているところでございます。このような中にあって,平成16年度の予算編成に当たりましては,行政と民間の役割分担や増大する市債残高の抑制に十分留意をしながら,経常経費の縮減や優先順位の厳しい選択を行うなど,財政の健全化を図りながら,限られた財源を真に必要な分野に重点的,効果的な配分を行ってまいりたいと考えております。
特に,新たな行政課題にも迅速かつ適切に対応していくことが必要であるため,私が行う初めての予算編成の試みとして,中心市街地の活性 化,観光の振興,自然環境の保全と再生,子育て支援・高齢者支援,教育の充実,行財政改革のこれら6項目等について,短期的に成果があらわれるもの,それ らに予算の配分効果が見込まれるものを政策経費として予算化を図ってまいりたいと考えておるところであります。
また,議員御指摘の三位一体の改革への対応につきましては,国の平成16年度予算編成の基本方針において,1兆円規模の国庫補助負担金の削減や地方交付税総額の抑制が示されておりますが,現段階ではその詳細が明らかにされていないため,水戸市が直接受ける影響がどの程度となるのか,予測が難しいところでございます。
いずれにいたしましても,全国市長会や全国特例市連絡協議会を通じ,三位一体の改革がその名のとおり税源移譲まで一体となって実施されるよう,再三にわたり要望したところであり,今後,さらに国の予算編成や地方財政計画の動向等に留意し,そして的確な対応を図る必要があると考えておるところであります。
意見
次は,中心市街地の活性化策についてであります。中心市街地は,幼児期,学生時代,そして社会人になるまでの間,私が育った数々の思い出のある場所であり,私にとって,いわば心のふるさとでもあるので,年々活気がなくなっていくさまは,何とも寂しい限りであります。
水戸市では,水戸駅北口再開発ビルの完成に合わせ,第4次総合計画の中でも中心市街地を水戸市の中核として位置づけ,東照宮下通り地区,南町2丁目地 区,泉町1丁目地区,大工町1丁目地区という市街地再開発事業や水戸駅南口周辺地区や根本地区の土地区画整理事業等を推進し,それに伴う都市 基盤の整備に加え,中心市街地活性化基本計画を策定し,ソフト面を合わせるとかなり盛りだくさんな諸施策を打ち出し,その再生へと取り組んできましたが, 梅香トンネルの開通と泉町と水戸駅南口の再開発以外の事業は手つかずの状態と言っても過言でないような状況にあるのが実情です。
役所でも,中心市街地活性化のための室を設けた時期もありましたが,商業振興の部門のみでなく,都市計画部門の連携による活性化へ向けてのまちづくりがスタートしたことは評価できますが,遅々として進まない上に,規 制緩和の流れもあり,駅南や赤塚駅周辺,見和地区,さらには50号バイパスの沿道など市内の拠点地域における大中の商業店の出店に加え,ひたちなか市の ジョイフル本田を中心とした大型商業店の出店が追い打ちをかけたこともあり,なかなか効果的な対策が打てないでいるのは御承知のとおりであります。
さらに,内原町でのイオングループによる大型商業店開発計画が具現化されようとしているさなかに,降ってわいたのがメガモールの計画であり,商店経営者 にとって死活問題であり,何が何でも反対し,阻止したいというのも当然のことと共感するところであります。しかしながら,時代は大型化の方向に進んでお り,仮に今回のメガモールの計画が中止されたとしても,同様の計画が隣接する市町村に展開されることは自明の理であり,消費者のニーズがある限り,阻止な どできないわけであります。
私は,メガモールの問題はピンチとしてとらえるよりも,むしろ神の啓 示として,商店主と行政を初めとした関係者が垣根を取り除き,本気になって消費者の立場に立ち,メガモール等の郊外の大型商業店舗にまさる魅力ある中心市 街地づくりに向け,活性化策を考える無二の好機であるととらえるべきであると考えるのであります。
そのような観点に立脚し,この際,思い切った施策が必要であると考え,次の8点について提案し,質問をさせていただきます。
質問
まず,1点目と2点目は,構造改革特区を活用した施策であります。我が国経済の活性化であり,規制緩和へ向けた民間事業の拡大のために,昨年6月に閣議決定を受け,8月末には構造特区の第1次提案募集が,12月には構 造改革特別区域法が公布となり,本年1月15日には第2次の提案募集が,6月末には第3次提案募集がそれぞれ締め切られましたが,規制改革数は合計で,特 区で実施するもの159,全国で実施するもの217という結果であり,茨城県では,現時点で広域連携物流特区,つくば・東海・日立知的特区,鹿島経済特区 の三つのみでありましたが,せんだって,加藤市長は,いち早く所信の中 で,英語教育の充実を図るための幼小中における英会話教育の実施へ向けての構造改革特区の認定を受けることを表明し,あわせて特区制度の活用を含めた地域 経済の活性化に向けた支援策に積極果敢に取り組む姿勢を示しており,感心させられたところでありますが,今回は,地域主導で特色あるまちづくりを進めるた めに,イベント等の実施のための道路や河川の使用,占用許可の円滑化等を行う特区,つまり,まちづくり特区を指定してはとの提案であります。
駅前から大工町の間の裏通りを含む中心市街地をまちづくり特区に指定することにより,局前から大 工町までの表通りの歩道側の1車線を駐車可能帯とし,金融機関や事務所等に利用されているビルの1階の部分については,商業系のスペースとしての利用に限 定してもらうよう位置づけ,大町通りからスクランブル交差点までの間や泉町広小路等の横道の道路上を,定期的にイベント広場に活用するなど何らかの補完策 を講じ,来訪客の利便性の向上に努めることを提案するものであります。
また,駅前から局前に至る銀杏坂は,中心市街地への玄関口としてファッション性の高い魅力ある専門店通りとし,毎週の土日というように定期的,あるいは 常時でもいいのですが,歩道を車道まで拡幅し,デザイン化を図ることにより空間を広くとり,南町へのアプローチとして誘客へつなげようとするものでありま す。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,中心市街地の活性化策等についてお答えをいたします。まず,まちづくり構造改革特区についての御質問につきましては,駅前地区から大工町地区,これらを特区に指定することにより,車道,歩道の有効利用を図ることとあわせ,商業スペースの拡大やデザイン化を図る御提案でございますが,道路関係等につきましては,車道,歩道の有効活用策としての特区構想について,現在,その対象となるのかどうか,これらを検討しているところであります。 また,商業関係につきましては,中心商店街の魅力を高める有効な施策と認識をしておりますが,私権の制限,さらには権利関係や関係機関・団体との協議もありますので,今後,さらに十分に検討してまいりたいと,かように考えておる次第であります。
質問
次は,黄門神社の 件でありますが,水戸藩時代まつりの出陣祈願祭等にも活用されていた水戸駅前の黄門神社についての質問ですが,黄門神社の場所が,水戸の御老公とも言われ る黄門様である徳川光圀の育ての親である三木邸の跡であり,生誕の地であることは御承知のとおりでありますが,何と敷地は茨城交通からの借地であり,奉賛 会の人たちの奉仕に維持管理をゆだねている状況にあることを知り,驚いたわけであります。由来を踏まえれば,ま ちづくりの一環として,水戸市が主体的に付近を含めて買収し,名所旧跡としての整備を図り,そこに観光案内所や観光物産館のような観光の拠点を設けて,水 戸市の観光の玄関口としての整備を図り,あわせて水戸市の観光協会にも移転してもらうなどし,歴史的な資産を活用すべきではと考えるところであります。 水戸市の観光協会におきましては,本来は銀杏坂市民ギャラリーのところにビルを建てる際に,その中に観光協会が移転して, そこで力を入れて展開をしようという構想もございました。それも,もはや計画は変更になって,今のギャラリーのままでありますので,この際,そういうこと も含めて提案をさせていただきました。また,柵町の踏切から線路沿いに歩き,隧道をくぐり,三高下を経て一高の本城橋まで通じる道を,散策できるコースとして整備すべきと提案するところであります。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,黄門神社の名所旧跡に対する支援につきましては,私も,水戸黄門を水戸観光のためにももっと積極的に活用すべきものと考えております。しかしながら,法律など解決すべき問題がございますので,これらを解決すべく地域住民や団体等と協議を進めてまいりたいと,かように考えておるところであります。 また,柵町の踏切から本城橋までの整備等につきましては,平成5年度に本城橋から国道51号三高下に至る区間につきまして,三の丸歴史ロードの一部として整備を完了しております。しかしながら,国道51号三高下から水郡線踏切までの区間につきましては,一部,民間境界未確定の区間がございまして,現在工事に着手することができません。したがって,その整備に向けて努力をし,以後,整備をしてまいりたいと,かように考えております。
質問
次は,坂道を活用したまちづくりについてでありますが,都内を見るとき,坂道のあるところが絵になるためか,昔の町並みを生かした形で新しい文化が調和したまちとして静かなブームになっているようであります。東照宮を中心とした宮下銀座を初めとした奈良屋町には坂道があり,整備のしようによっては,風情を残した形で散策できる町並みとして新たな拠点にもなり得るのではと考えるわけで,黒羽根町へつなげるよう整備すべきではと提案するところであります。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,東照宮を中心として散策できる町並みの整備等についてお答えをいたします。東照宮から,かつての奈良屋町,さらに黒羽根町に続く通りには,散策に魅力的な黒羽根坂等の坂道が続いておりますし,最近になって,奈良屋町や黒羽根町には魅力的な物販店や飲食店が立地しておるところでございます。現在,黒羽根通りにつきましては,歩道整備等について地元と検討を進めているところでありますので,これらの特性をまちづくりに生かし,回遊性のある裏通り空間の形成,さらには散策のできる町並み整備の課題等について,今後検討してまいりたいと考えております。
質問
次は,裏通りに回遊性を持たせようとする提案で ありますが,大町通りから芸術館の間や,梅香町から鈴坂町,幸町,そして私の育った釜神町,神崎町,天王町,また雷神前から鳥見町,泉町の裏通りを通り, そして備前町,鷹匠町から南町の裏通りというように,また,大工町におきましては,並松町の児童公園を生かした大工町周辺というように,それぞれ回遊性を 持たせ,城下町ならではの旧町名を生かした形で,現在ある石柱の横にわかりやすいデザイン性に富んだ挿絵を織り込んだ表示板を設置するなどの補完策を講じることにより,中心市街地の裏通りを回遊することができるよう,歩行者中心の道路へ向けて環境の整備を図るべきと考えるわけであります。答弁
市長(加藤浩一君) 次に,中心市街地の裏通りを回遊できる道路環境整備等については,御指摘の回遊ルートの中には整備を進めている紀州堀緑地,あるいは西の谷公園及び並松町児童公園などの施設がございますので,連携を図り,回遊のポイントとして整備を進めるとともに,一体的に回遊ネットワークの形成を進めてまいります。現在,旧町名の由来を明記した石柱を配置し,市報において紹介をしているところでありますが,これらの回遊ネットワークの周知についても方策を検討してまいりたいと,かように考えております。
また,南町などの裏通りにも魅力的な店舗ができてきておりますので,これらを取り込み,市民が楽しみながら回遊できるネットワークづくりを図ってまいる所存であります。
質問
中心市街地の商店会の活性化策については,それぞれの置かれている環境が違うわけですから,ま ず専門家を導入しての個別の課題の整理を行い,個人経営のものもあれば,法人経営のものもあり,また相続を控えているものもあります。そのような個々の経 営者の過程も含めた課題についての整理をサポートすることにより,その上で面としての売り場が構成されるよう個々の個性化を図り,魅力ある商業ゾーンとし て再編を行うとともに,営業時間の延長を行うことを条件に,夜間の駐車場を無料開放にするなどの策を講ずべきではと考えるのでありますが,特に黒羽根町の周辺については,事業主の努力のかいがあり,幸いにも今はまだ活気があるわけですから,今のうちに夜間の駐車場は開放すべきと考えるわけで,恐らく協同病院の夜勤者の方々の確保にも貢献することになり,病院の移転に備えての病院との密接なる連携にもつながるのではと考えるところであります。泉町の南地区の再開発事業がスタートを切りましたが,今 後予定されている拠点の整備にあわせ,既に開発されている水戸駅前北口の拠点と第二公園,旧県庁前広場,芸術館,国際交流センター等の拠点を結び,芸術館 を核として開催し好評であった「カフェ・イン・水戸」のような同時開催のイベントをより多く創設するなどし,水戸の個性と特色を生かした各種の事業を企画 することにより,人が楽しめるまちへ向けて諸策を講ずべきとの考えであります。
目抜き通りの空き店舗についての質問でありますが,空 き店舗につきましては,所有者の意向をそれぞれお伺いすることにより,希望者に限って臨時的な公共スペースとしての提供を条件に,固定資産税を減免し,そ のスペースをNPO等の各種のボランティア団体に開放していくことにより,より多くの人が集まり,にぎわいを持てるよう,活用を図るべきとの考えを提案するところであります。
かねてから考えておりました施策の一端をそれぞれ申し上げさせていただいたわけですが,渡辺議員もこの地元であります。真剣に住みよいまちづくり推進協議会をまとめて取り組んでいるわけでありますから,そういう地域の声と消費者である市民に愛されるまちへ向けて,中心市街地の再生に向けての加藤市長の見解と決意をお伺いするところであります。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,商店会の活性化策における専門家の活用についてでありますが,これまでも商店会ごとに専門家の助言や診断,計画策定などを行う場合には,水戸商工会議所TMO事業により支援をしてきたところでございますが,御提案の既存の個別商店への対応につきましても,今後,同様の支援ができるよう検討してまいりたいと考えております。 なお,宮町駐車場の夜間無料開放等につきましては,商店街の営業時間延長との兼ね合いもありますので,御提言の趣旨を踏まえ,商店会と今後協議を重ねてまいりたいと,かように考えておる次第であります。 次に,イベントにつきましては,にぎわいの創出や本市の知名度向上などイメージアップにつながり,経済効果の期待ができることから,中心市街地の活性化にも有効でございます。このため,水戸芸術館など拠点施設の連携等も考えながら,にぎわいを図るために,水戸の個性と特色を生かした,より効果的なイベント等について検討してまいりたいと考えています。
また,空き店舗の活用につきましては,現在実施中の中心市街地等関連調査を踏まえ,実態がどういうものなのか,それら新たな空き店舗対策を展開する中で,そうした調査を踏まえて,NPOの活用等についても,中心市街地活性化の面から再度検討してまいりたいと,かように考えておる次第であります。
いずれにいたしましても,中心市街地の活性化につきましては,本市の重要課題でありますので,議員のそれぞれの御提言を踏まえながら今後取り組んでまいりたいと,かように考えておる次第でございます。
質問
次は,行財政改革の推進についてであります。行財政改革は,民間の問題を含め,行政主導でない新しい発想の導入と 具体的な数値目標,さらには効果の考察が必要であると考えるところでありますが,そのためには,経済財政諮問会議のような組織を設けて,行政経験のない民 間人によるアイデアを取り入れていく必要があり,さらに新行財政改革大綱を諮問するに当たっては,抜本的な修正もよしとするような柔軟な姿勢が必要なのではないかと考えますが,見解をお伺いいたします。
効率的で効果的,かつ健全な行財政基盤を確立するためには,欠くことのできないのが職員の意識の啓発であり,そのための適材適所の人事配置であるとかねがね申し上げてまいりましたが,元気でやる気のある職員を生み出すためにも,やる気のある職員のよい提案については無にすることがないよう取り入れ,活用することが必要ではないかと考えますが,見解をお伺いするところであります。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,行財政改革の推進についてお答えをいたします。厳しい財政状況の中で,県都にふさわしい風格と安らぎのある元気な都市の構築を目指すためには,効率的で健全な行財政基盤を構築することが必要不可欠で あり,このため,弾力性のある財政運営や柔軟でスリムな行政運営,市民との協働及び民間活力を主要施策に掲げた新行財政改革大綱の素案をまとめたところで あります。
市民の考え方や行動,社会環境情勢が大きく変化しており,市民ニーズが高度化,多様化するとともに,新たな行政課題が次々と生じている中で,行財政改革の推進に当たりまして,市民と行政の英知を結集して取り組む必要があると考えておる次第であります。
このことから,大綱及び実施計画の素案につきましては,市民に公表し意見を得るパブリック・コメントを行い,市民の御意見を踏まえた大綱及び実施計画の案を行政改革推進委員会へ諮問することといたしておるところでございます。
このたび,新たに委嘱いたしました行政改革推進委員会委員には,経済団体,福祉団体,それぞれで御活躍をされている方を初め,企業の経営 者,税理士,大学教授など幅広い人材から選任するとともに,一般公募により,行財政運営に関心と熱意のある4名の市民の方を選任いたしました。
このようなことから,私は,委員会では,経営的視点や市民の幅広い角度からそれぞれ御審議をいただけるものと確信をいたしておるものでございます。
委員会へは執行部のたたき台として大綱及び実施計画の案について御意見を求めてまいりますが,執行部の案にとらわれない御審議をいただけるものと確信をいたしております。
次に,職員提案の活用についてでありますが,厳しい行財政環境の中で,「元気都市・水戸」の実現を目指すためには何が必要なのか,何をなすべきなのかを考え,すべての職員の英知を結集し,その実現を目指して取り組む必要があると考えております。
このことから,第5次総合計画や中心市街地活性化に関するアイデアを職員から募集をいたしましたが,第5次総合計画関係については約 1,000人から1,100件余り,中心市街地活性化等については約800人から1,200件余の提案がございました。寄せられました提案は,私みずから すべて目を通しましたが,多くのすぐれた提案があったわけでございます。これらにつきましては,類似的なものを取りまとめ,そしてすぐ活用できるもの,あ るいは時間をかけて取り組むべきもの,それぞれに分類をし,関係部課に戻した上でアイデア活用の検討を進めておるところでございます。
行財政改革の改革案の作成につきましては,全職員の参画を基本とし,行政改革推進本部の下部組織である各部推進会議において作成を進めたところでございます。今後の行政運営に当たりましても,職員の参画機会を設けながら,すぐれた提案等の活用に努めてまいりたいと,かように考えております。
質問
次は,職員定数の問題ですが,仕事のボリュームに合わせた人事の適正配置が必要なことは,今さら申し上げるまでもないことでございます。その際は,公園協会や観光協会,あるいはスポーツ振興協会等の外郭まで視野に入れた各部署ごとの考察を行い,その結果による定数の見直しが必要なわけであり,場合によってはイベント等の事業時に限定して職員を併任するなどの策も必要と考えるのでありますが,加藤市長の見解をお伺いいたします。答弁
市長(加藤浩一君) 次に,効率的な職員の配置についてでありますが,最少の経費で最大の効果を上げるという地方自治運営の基本原則に従いまして,必要最小限の職員による行政運営が必要であります。このため,議員御提案のような職員の併任や定数の適正化をさらに進める必要がありますので,今後10年間で1割の職員定数を削減することを大綱素案に掲げ,平成16年度において,現在の職員定数適正化計画を見直し,一層のスリム化と効率的な職員配置に努めてまいりたいと考えております。
質問
法定外公共物管理条例の案が本議会に提案されておりますが,法定外公共物の譲与を受けることによる事務事業の肥大化を考えるとき,財政難の状況にもかかわらず急いで受ける必要性がどうも理解できないのであります。必要性がどこにあり,その対応をどのように考えているのかもあわせて見解をお尋ねするところであります。答弁
市長(加藤浩一君) 次に,法定外公共物の譲与についてお答えいたします。法定外公共物につきましては,これまで財 産管理は県,機能管理については市が行ってまいりましたが,地方分権を推進する中,市民の生活に密接に関連する財産である法定外公共物は,住民に身近な市 において管理することが望ましいとの観点から,地方分権一括法の施行により,現に機能を有している旧建設省所管の国有財産については,施行の日から5年以 内,平成17年3月31日までに譲与を受け,機能管理及び財産管理とも市の自治事務とされることになりました。
このため,平成13年度より特定調査を進めてまいりましたが,平成15年度末には調査の完了した市域のうちで,一部について譲与を受け,平成16年度から市が管理することといたしました。
譲与された財産の管理等については,市民の視点から一層のわかりやすさと効率的な管理や整備を念頭に,人員配置と予算措置等について,さらに一層努めてまいりたいと考えております。
質問
サッカー,ラグビーのためのツインフィールドの活用についてでありますが,この活用を見ると,芝の管理が難しいため,芝の養生の管理に一面当たり年間2,000万円という多額の費用を要している上に,稼働率は,養生に日時を要するため,平均すると1週間で2回というように極めて悪く,関係者の悩みの種となっているのが実情であります。私は,この芝の決定をしたときの文教福祉委員会の委員であり,関係者の意見を聞き,保守管理費用等についても十分な審議をした上で報告を承認した張本人 であるだけに,結果としてミスジャッジになってしまっていることを認めざるを得ない実情に複雑な思いもあるのですが,財政事情から成る費用対効果の観点に 加え,さらなる活用を考えるとき,また,最近の人工芝の質の向上も考え合わせたときに,この際,1面7,000万円ぐらいで改修が可能である人工芝への全面改修を行うべきと考えるところでありますが,サッカー協会の会長も務め,愛好者に信頼の厚い加藤市長ならではの英断を期待し,見解をお伺いするところであります。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,平成14年4月に開設した水戸市立サッカー・ラグビー場は,初年度は2万2,873人,平成15年度は11月末現在で9,939人の市民の皆様に御利用をいただき,西洋芝でプレーすることの喜びとすばらしさを提供しておりますが,一方では,施設稼働率や芝の維持管理に要する経費については,費用対効果の面で課題があるものと認識をいたしております。このことは御指摘のとおりであります。このため,人工芝へ全面改修することは有効な方法の一つとは考えておりますが,一方では,天然芝の利点もありますので,御提言の趣旨も踏まえ,今後サッカー,あるいはラグビー関係団体と協議をし,費用対効果の面でさらに検討してまいりたいと,かように考えておるところでございます。
質問
次は,市役所の建築積算の単価についてでありますが,実勢価格に比較すると高上がりであり,乖離が否めないとの専門家の声があり,この際,大幅な見直しが必要であると考えるところであります。過日の東京新聞の特報版で,建築の物価版の特集が掲載されておりました。価格決定のからくりと実勢価格との乖離のわけが明確に指摘されておりました。当然,積算方法も見直しすべきではあると考えますが,設計のいかんにより工事費に大きな影響が出るわけですから,デザイン性にすぐれ,かつ基準単価に近い設計となるよう,設計段階や積算段階でのさらなる工夫に加え,最終的には抜本的にシステムを見直すべきと考えますが,見解をお伺いいたします。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,建築積算等についてお答えをいたします。本市の工事積算等につきましては,国及び県の積算基準及び標準歩掛け,さらには単価をもとに積算をいたしております。
国,県の基準に存在しないものにつきましては,全国的な調査機関が発行している刊行物により積算をしており,積算基準が設定されていない工事内容のものにつきましては,専門業者からの見積もりを積算の参考としているところでございます。
現在,本市におきましても,依然として厳しい財政事情のもとで,引き続き社会資本の整備を着実に進めていくことが要請されており,このため,公共工事の コスト縮減に取り組んでいるところでありますので,議員の御指摘を踏まえ,設計段階から工夫を重ね,良質な社会資本を低廉な費用で整備できるよう,今後と も努力してまいりたいと考えております。
質問
建築や土木等の工事 請負に限らず,物品の購入等においても,担当各課の努力により契約差金を生み出していて,それらは財政に戻した上で不用額として処理をされておりますが, それらの使い道については,ある一定の基準を設けた上で担当部内にその裁量権をゆだねるべきであり,そうすることにより,それぞれの担当者のコスト感覚が高まるばかりか,意欲の喚起にもつながると考え,以前より提言してきたところでありますが,改めて加藤市長の見解をお伺いするところであります。答弁
市長(加藤浩一君) 次 に,契約差金等について一定の基準を設けた上で,担当部内にその裁量権をゆだねるべきとの御提案につきましては,新行財政改革大綱(案)に新たな予算編成 手法の導入として,時代に適合した予算のあり方について検討する予定でありますので,この中で入札差金や不用額の取り扱い等をどのように位置づけるか,こ れらについても先進自治体の状況等を調査し,検討してまいりたいと考えております。質問
次は,市民の健康増進と医療の充実という通告をさせていただきました。国立病院の移転に伴い,跡地の活用が盛んになってきており,議会でも藤田議員が問題提起をして,それぞれ論議をしてきておりますが,単なる住宅地として分譲してしまうようなことはせずに,一体とした活用を図るべきであると私も考えるのであります。
例を挙げれば,薬剤師の不足している実情を踏まえたとき,あるいは医療 従事者ですね,千葉県等の他県で最近できつつある医療従事者の養成のための医療大学や専門学校を誘致することも一案であり,また,老朽化しつつあり,移転 の可能性が浮上しては消えている中心市街地にある水戸協同病院についても,現在地で建て替えをせずに移転するのであれば,移転先としての適地とも思われま すので,移転が決まってから慌てるようなことのないよう,市内で建て替えの必要にあると思われる公共的で一定規模を有する施設に目を向け,移転先として活 用を図ることなども視野に入れて,市が積極的に取り組むべきと考えますが,市長の見解をお伺いいたします。
答弁
市長(加藤浩一君) 次に,国立水戸病院の跡地利用に関する御質問にお答えをいたします。国立水戸病院が,平成16年に茨城町「桜の郷」に移転開院し,現在地については県有地となることから,現在,県が主体となって跡地利用の検討が行われているところであります。
県におきましても,地元水戸市の意見を参考にしながら総合的に計画づくりを進めていきたいとしておることから,市内部に跡地利用の検討組織を立ち上げ,検討を行っているところでございます。
当該地区及びその周辺は,都市計画道路が未整備であったり,道路が狭隘で,公園もなく,住宅が密集しているなどの地域の問題もございます。
つきましては,小中学校や高校が立地する住宅地であるという地域特性を踏まえながら,議員の御提案や地元の意向を参考に,水戸市や地域にとりまして有効な土地利用が図られるよう,市の考え方を取りまとめ,県に要請をしてまいりたいと,かように考えております。
質問
また,国立水戸病院の移転に伴い,救命救急セン ター,これらも茨城町へ移転することによりまして,ドクターカーの問題が心配されておりましたが,済生会病院の協力により救急救命士の研修制度の創設とと もに継続がかなったことは歓迎するところであります。しかしながら,将来的には,3 次医療機関に併設する,または隣接する形で消防の中の救急部門を移転し,医療機関に隣接する形で救急センターとして設置,機能させるべきで,水戸日赤病 院,さらには移転後の国立病院の再活用や協同病院も視野に入れて整備検討すべきと考えますが,救急体制における医療機関との連携活用についての見解をお伺 いするところであります。答弁
消防長(照沼民夫君) 野村議員の代表質問のうち,市民の健康増進と医療の充実についての中で,消防関係の御質問にお答えいたします。救急業務の質の向上と救命率などを高めるために,第3次医療機関等に併設または隣接する形での消防救急施設の設置についてでありますが,これにつきましては,平成3年の救急救命士制度の発足以来,病院前の救急体制の強化が図られてきましたが,特に近年,救急救命士の処置の拡大などのために,医療機関と消防機関がより緊密な関係の中で救急業務を行う必要性が叫ばれていることから,貴重な意見であると考えております。
しかしながら,これらにつきましては,消防本部体制,さらに医師会はもちろんのこと,個々の医療機関との問題など多くの課題をクリアする必要があると考えております。
したがいまして,この問題を含めまして,可能な限り救急業務の高度化が図れる方策について,関係機関と連携を密にして,引き続き十分部内で検討してまいりたいと考えておりますので,御理解願います。
質問
最後の質問は,水環境行政についての質問であります。公共下水道の普及が市民の強いニーズであることは当然のことでありますが,水環境を少しでも早く良好なものにするためには,公共下水道に限らず合併処理浄化槽による水洗化の促進も一つの方策であることは,今さら申し上げるまでもないことでございます。
合併処理浄化槽の設置の補助については,過去の質問の中でも3回ほど取り上げさせていただき,補助率の改定等に向けた前向きな答弁をいただいております が,その補助対象は,公共下水道の事業認可区域外と規定されているのであります。現況を踏まえたときに,ケース・バイ・ケースの柔軟な対応が必要なのでは と考えるところでありますが,水に対するこだわりとして環境問題の解決に意欲的であり,かつ行財政改革を政策の大きな柱としている加藤市長ならではの回答を期待し,市長の見解をお伺いするところであります。
1点目は,事業認可区域というものが下水道事業認可区域にありますが,おおむね5年を目途に下水道の供用が開始できることを前提として地権者に負担金の納付を義務づけているわけでありますが,実際には5年以内の供用開始ができていない地区が多く存在しているのは否めないところであります。
また,浄化槽に関する法律の改正により,安価であった単独処理浄化槽は,製造そのものが中止となり,設置が禁止されてしまったため,選択肢としては高価な合併処理浄化槽の設置のみとなっており,市民の負担も増大しているのが実情です。
そこで,おくれをとっている水洗化を少しでも促進するために,事業認可区域内であっても,合併処理浄化槽の法定耐用年数を踏まえた形で,かつ,後の公共下水道の供用開始時には合併処理浄化槽による処理をやめて,公共下水道へのつなぎ込みをすることを条件とするなどの一定のルール化のもとで,補助を制度化すべきと考えるところでありますが,加藤市長の見解をお伺いいたします。
答弁
市長(加藤浩一君) 最後になりましたが,水環境行政についてお答えをいたします。合併処理浄化槽設置に関する現行の補助制度は,御指摘のように下水道事業認可区域は補助対象区域外となっておるところでありますが,事業認可から供用開始まで時間がかかるため,市独自の補助制度を求める市民の声があることは認識をいたしております。
したがいまして,議員御提案のように良好な水環境を保全するため,下水道事業認可区域等において,市独自の補助制度を導入するための検討を進めているところでございます。
質問
また,下水道工事の認可区域であっても,地形や 地権処理の都合で負担金のみを納入させられながら,公共下水道につなぎ込みができずに,事実上泣き寝入りの状態にある世帯が存在していることについて是正 を求め,過去に質問させていただいたことがありましたが,まさにみずからつくった規則に縛られるような不合理なことさえ解消すれば,当然,合 併処理浄化槽による対応の方が効果的であるケースも多く存在するわけで,そのようなケースの場合は,当事者の理解を得た上で全額公費負担とするような特段 の補助を行うなどの柔軟な対応を行い,早急に問題を解消し,不公平の是正と水環境を守るべきと考えるところでありますが,それぞれ加藤市長の見解をお伺いいたします。以上で,代表質問を終わります。
ありがとうございました。
答弁
また,下水道の認可区域内で,道路の地権処理等により整備が困難な地域につきましては,これまでは地権処理を行った上で下水道を布設するため,まず境界の確認,それらを優先させてきたために,長時間,時間を要したようなことがございました。今後,そうしたことを,マンホールポンプの設置,こういうことを前提とした管渠のルートの変更,あるいは工事承諾等々をいただいた上での管の布設等によるなど,工法を変えて,できる限り速やかに下水道の整備を進めてまいりたいと,かように考えておる次第であります。
ドクターカーにつきましては,消防長の方から答弁をさせていただきたいと存じます。
以上をもちまして,代表質問のお答えといたします。 ありがとうございました。