平成22年3月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
前文
野村まこと(眞実) 17番(野村眞実君) 私は,葵政友会の野村眞実でございます。本定例会は,私たち議員にとっても,加藤市長にとっても残す任期が1年のみとなるわけで,あっという間の3年間を振り返りながら,責任の重さを自覚しているところであります。
青年会議所の先輩でもある加藤市長が弱者と水に対するこだわりを表明し,そのことに対して共感をし,適度の緊張感のもとで支持してまいったわけであります。
厳しい財政事情の中で今回の小学6年生までの児童医療費の補助制度の思い切った導入を歓迎し,改めて評価をしていたのであります。
しかしながら,昨日の川崎議員の無駄撲滅の質問では,賞状の無駄を指摘されたことへの−−市制施行120周年の記念だから意味があり無駄じゃないとの発言は,首をかしげたくなるわけで,市長にそのような答弁をさせてしまうような役所の幹部の力量を心配し,残念に思ったところであります。
今求められている役人像は,できない理由から入るのではなく,パフォーマスは要らないから,まじめに一つ一つの課題の解決に取り組む姿勢であり,役所は責任をとれる,役に立つ人による,役に立つところであるべきだと考えるのであります。
私も,早いもので,あと1年で4期の任期を終えようとしておりますが,この疲弊し切っている中心商店街や市街地の実情を見て,全国どこでも同じ現象だから仕方がないなどと思うとしたら,また,どうせ聞いていないんだからとみずからの発言をおろそかにするとしたら,政治をやる資格はないし,引退を考えるべきときと考えるのであります。そうならないよう自分を戒め,残された任期を悔いのないよう,有終の美を目指して,志高く,使命新たに喜んで働くことをここにお誓い申し上げまして,平成22年第1回定例会に当たり,ただいまから一般質問を行います。関係部長並びに教育次長におかれましては,市民の立場での明確な答弁をされるようお願いを申し上げます。
質問
野村まこと(眞実) 最初は,入札制度改正の検討と推進策についての質問であります。入札制度についての質問を最初に行わせていただきましたのは,2期目の折り返し点に当たる平成13年6月の定例会で,当時は最大会派でありました葵政友会の代表質問で,予定価格の事後公表を事前公表に改正したことによる効果や,見積もり明細書の添付義務づけ,一般競争入札の範囲の拡大とその場合の効果の考察,起案権者である担当課長が悩まないよう,参加条件のルール化等を求める質問をさせていただいたのであります。執行部を交えて,当時の会派で学習会を開いたりしながら,公平公正の観点から数々の改正を求め,実現させてきたことが懐かしく思い出されるわけであります。
その後も,今日まで,数々の具体的提案を含めた質問をしてまいり,徐々にとは言え,一般競争の対象を広げたり,郵便による入札制度を取り入れたりと入札制度が改正されつつあるという本市の状況をそれなりに評価していたところです。
そこにきて,過日,神栖市で起きた市幹部2名を含む4人が逮捕され,拘留期限の5日目に再逮捕されるという事件の報道がありましたが,業界に激震が走り,あの程度の情報が漏れてしまうことは結構ある話で,本当に入札妨害罪が適用されるとしたら,大変なことになるとの声を耳にし,愕然とさせられたのです。
いつまでたっても後を絶たない入札に絡む不正の問題ですが,捜査の手が入り,逮捕者が出て初めて大幅な制度見直しが行われるという他市の例が大半となってきているようでありますが,水戸市のように,何の問題もない,今の時点でこそ,改めて制度の見直しを行う必要があると考えるわけなのであります。
過去の質問に対する答弁後の検討状況と進捗についてという通告をいたしましたが,平成20年12月に質問している予定価格の事前公表を廃止し,事後公表に変更すべきとの提案についてでありますが,そもそも事前公表はとりやめるよう,国土交通省からも文書が来ているわけですから,水戸市でも速やかに改善すべきではないでしょうか。このときの答弁では,予定価格の適切な公表時期について,国の指導,県の動向等とあわせ,さらなる競争性の向上を図るための入札制度改正の中で検討しているところと答弁されておりましたので,検討結果をお伺いいたします。
答弁
財務部長(小野輝男君) 野村議員の一般質問のうち,入札制度改正の検討と推進策についてお答えいたします。最初に,過去の質問に対する答弁後の検討状況と進捗でございますが,まず,予定価格の事前公表につきましては,入札参加者が事前に予定価格を探るなどの不正行為を排除し,契約可能上限価格を明示することにより,透明性の確保,公正な競争の促進を図ることを目的としたものであります。しかし,その一方で,落札価格の高どまりなどの批判もありますので,今後の入札制度の改正の中で,引き続き検討してまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実) 次は,積算時の価格を実勢価格に近づけるための見積もり方式の一部採用についてという通告ですが,平成15年12月に提案してきたもので,基準価格や物価版の単価が実勢価格に比べて高上がりという専門家の指摘を例に挙げて,設計段階や積算段階でさらなる工夫に加え,最終的には抜本的にシステムを見直すべきと申し上げまして,加藤市長からも,議員御指摘を踏まえ,設計段階から工夫を重ね,良質な社会資本を低廉な費用で整備できるよう,今後とも努力してまいりたいとの答弁をいただきました。また,平成19年3月の再度の質問で,差額の多いものに限り見積もり方式を採用したり,設計段階で工夫し,コスト削減の方法をマニュアル化すべきではとの提案にも,加藤市長は,コスト縮減具体策実施調書を策定するなどの取り組みを進め,今後とも,引き続きコスト縮減に努力したいと答弁されていますが,具体的に,それを受けてどのような工夫をされているのか,お伺いいたします。答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,見積もり方式の一部採用についでございますが,工事の積算につきましては,国,県の積算基準及び単価をもとに積算しておりますが,基準がないものにつきましては,刊行物や専門業者より見積もりを徴取して積算の参考としているところであります。今後とも設計価格がより実勢価格を反映したものとなるよう努めてまいります。質問
野村まこと(眞実) 次は,工事完成後のメンテナンス料などランニングコストのかかる場合のランニングコストを含めた入札制度への改正についてと通告いたしましたが,これは過去の質問に対する答弁後の検討状況と進捗についてという通告をいたしてあったんですが,委員会等で述べておりまして,本会議では初めての質問となったようでございます。消防防災の画像伝送システムや競技場の電飾スコアボード,さらには清掃工場のごみ処理施設のような高額な保守料のかかる設備の導入については,メンテナンス料も含めて入札に付して,競争の原理を働かせるべきと考えるわけでありますが,見解をお伺いいたします。答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,ランニングコストを含めた入札方法については,現在,本市においては採用しておりませんが,一つの有効な入札方式であると考えられますので,他市の状況を調査して,今後対応してまいりたいと考えております。質問
野村まこと(眞実) 次は,平成20年12月に質問提案してある,参加者が1社の場合の不調扱いにすることについてでありますが,マスコミの批判にさらされている国土交通省の関東建設弘済会の1社入札の例を挙げまして,水戸市の予定価格と落札率,1社入札が低いということについても,高どまりになっていることを指摘して質問したわけでありますが,部長答弁は,一般競争入札を実施している他の県庁所在地においては,半数以上が1社でも入札をしている状況と言いながら,今後とも,より競争性を確保する観点からその対応策について検討しているところと述べられたわけです。半数の県庁所在地で1社入札を認めているから,いいんだという答弁は,質問と全然すり合わないわけでありまして,その後,検討している検討結果をお尋ねいたします。答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,入札参加者が1者の場合の対応につきましては,昨年7月の入札制度の改正の中で,一般競争入札における1者入札は,より競争性を高めるため,入札の執行を中止しております。質問
野村まこと(眞実) 平成20年3月と12月の2回,入札審査会の議事録作成と透明性の確保について質問し,2代の財務部長から,審査会の審査経過等は政策決定過程の事項であり,審査会の適正な運営上公開しない。また,審査の過程を公表することは,活発な審議を阻害する要因となる可能性が大きいと判断されるので,公表は行っていませんと,それぞれ答弁をいただいたわけでありますが,今,まさに求められているのが政策決定過程の透明化であることから言っても,当然公開すべきと考えますが,阻害する要因としないためには,例えば1年後に公開するというような期限を切って公開するよう再度求めまして,執行部の見解をお伺いいたします。答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,入札審査会の議事録につきましては,審議内容を公表することは,活発な発言を阻害する可能性が大きいと判断されることから,作成しておりませんが,審査会の決定事項につきましては,契約課並びに本市のホームぺージで公表し,周知を図っておりますので,御理解を賜りたいと存じます。質問
野村まこと(眞実) 次は,第三者による審査機関の機能の充実強化については,平成20年12月と21年3月の早期設置を求めた質問に,(仮称)入札監視委員会の設置について,条例施行後早々に委員の委嘱を行うと部長が力説をされておりました。いつ委嘱して,前期契約分を審査する会議はいつ開かれ,公開したのか,臨時の会議はあったのか等々について,また公表の予定についてもお伺いいたします。市民から直接請求ができるようにすべきとの質問に対しても,委員会は市長の附属機関としての位置づけでありますので,御理解を賜りたいと答弁をされておりました。附属機関だからという理由では理解できないので,改めて市民からの請求を受けられるよう改正を求め,見解を伺います。
答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,第三者機関につきましては,昨年,民間人5人による入札等監視委員会を設置し,平成21年度には2度の会議を開催し,入札制度及び指名,公告,入札,契約の過程と手続について,御審議をいただいたところであります。今後は,監視委員会の提言を踏まえて,適正な入札事務の執行に努めてまいりたいと考えております。質問
野村まこと(眞実) 平成21年6月の質問で,総合評価方式の導入の問題点について,特に客観性の確保が困難な点を例示し,導入に慎重な対応を求めてまいりましたが,そのときの答弁の,今後は試行の結果を踏まえ,総合評価方式が目的物にどのように反映されたかを検証する。より透明性や客観性の向上が図れるよう努力するとしていましたが,検証結果と課題の認識,評価基準の設定の学識経験者の意見,平成22年度施行予定の有無等について,それぞれお尋ねいたします。答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,総合評価方式につきまして,本市の試行状況を申し上げますと,平成19年度に1件,20年度に10件,21年度に19件の試行を行っておりますが,評価項目の妥当性,工種の拡大,事務手続のあり方を検討していくために,引き続き平成22年度においても試行を継続していく予定であります。今後は,この方式の本来の目的であります工事目的物の品質向上やダンピングの防止など,あとは,談合が行われにくい環境整備などの成果や問題点について検証してまいりたいと考えております。質問
野村まこと(眞実) 次は,複雑化している物品購入の際の合い見積もり等の簡素化へ向けた検討についてでありますが,私は平成20年12月に,薄利低価格入札の状態が恒常化していて,競争の原理は十分働いているという実情からも,1万円以上のすべての物品購入の入札に3社を指名して見積もりをとる必要はなくて,2社でもいいんではなかろうかということ,省力化してもいいのではということを申し上げて質問したのですが,物品購入における見積もり合わせ業者数の簡素化でございますが,透明性,競争性,参加機会の確保を図る上で,現行制度は適正なものであると部長は言い切ったのでありました。恐らく,大変なのは業者だから,現状のままで何ら改善は必要ないとのお考えかと推察をいたしますが,市の職員の作業量の簡素化の観点で,改めて改正の可能性をお伺いするところであります。答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,物品購入における見積もり合わせ等につきましては,平成18年度から透明性,競争性の向上及び参加機会の拡大を図ることを目的として,すべての物品購入手続を契約課に集約したものであります。着実な実績を上げておりますので,引き続き現行制度で進めてまいりたいと考えております。質問
野村まこと(眞実) 次は,来年度から導入予定の電子競争入札についての質問であります。茨城県では,6,800万円をかけて,公共工事に限らず物品購入を含む全庁での入札電子化を目指してシステムの開発を行うことが明らかにされた報道がございました。過去に水戸市でも導入を計画し,担当課長を頭に視察をしたり,調査,研究をしてきた経緯がありますが,当時は県でも建設や土木の工事の入札を電子化しつつあったため,県のシステムに合わせるか,独自のシステムを開発するか,どんなシステムが一番いいかと検討し,横須賀方式が一番コスト的にもいいとの結論に至ったように記憶しているのであります。結局は費用対効果の点で見合わせることになっていたように記憶しているのですが,以下についてそれぞれお伺いいたします。
そもそも導入目的は何であるのか。過去の検討状況は,いつ,どのような内容だったのか。過去,導入見送りの理由はどのように解消されたのか。また,断念した時点と現時点のコストの比較の状況は。どのような方式を採用されるのか。選定の方法と経緯,県との連携はしないのか。しないとすればしない理由は。イニシャルコストとランニングコストの効果の考察の点についてお尋ねいたします。
水戸市では県と連携しないのか,独自のシステムを開発するとしたならば,過去の調査結果はどのように検討し反映されるのかであります。また,今後の課題はどのように考え,入札制度全体の方向性をどのように検討されようとしているのか,執行部の見解をお伺いいたします。
答弁
財務部長(小野輝男君) 次に,来年度試行導入予定の電子入札につきましては,入札の透明性や公正性の確保を図るとともに,入札手続の簡素化や入札参加者の拡大等を図ることが目的でありますが,過去の検討状況につきましては,当初は本市独自のシステム開発を基本にしておりましたが,膨大な導入費用を要することから,平成17年度に県システムの共同利用への参加を検討したところであります。しかし,県システムと本市の業者登録情報などの連携にも多額な費用がかかることから,また,当初参加予定が県のほか1市のため運営経費が高額となることなどから,電子入札にかわる方法として平成18年度から郵便入札制度を導入したものであります。その間,電子入札につきましても,引き続き共同利用への参加を検討してきたところであります。
コストにつきましては,平成17年度の時点では,導入経費が約500万円,すべて電子入札に移行した場合の年間の運営経費が約1,500万円と見込まれましたが,現時点での導入経費は約320万円余り,同じ条件での年間の運営経費は約700万円と見込まれております。
来年度導入を予定している電子入札システムは,県の開発したシステムを県と県内市町村が共同利用するものであり,平成22年度は県内44市町村中17市町村が共同利用に参加する予定であります。市内本店業者におきましても,建設業主要5工種のAランクの業者の約9割ほどが既に水戸市への参加と共用できる茨城県への電子入札参加資格を取得しております。このようなことから,共同利用による導入コストの軽減が図られることなどから,平成22年度に一般競争入札の一部について,電子入札の導入を予定し,その結果を踏まえて,順次対象の拡大を図ってまいりたいと考えております。
また,導入費用と運営経費の効果の考察につきましては,平成22年度は一部実施でございますので,今後の状況を踏まえて検証してまいりたいと考えております。
また,今後の課題と入札制度改正の方向性でございますが,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の適正化指針に基づきまして,今後も引き続き,より一層の入札の公正性,透明性,そして競争性の確保に努めてまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実) 次は,諸証明の発行の利便性の向上についてという通告をさせていただきました。市内の公民館−−4月から市民センターでありますが−−で諸証明が発行されているという水戸市の現状は評価をしておりますが,次の点についてお尋ねいたします。
電子化による自動交付機の導入の検討結果についてであります。
最近は,行政視察や偶然に訪問した先で−−市川市,焼津市,柏市,川崎市,それから伊賀市と−−自動交付機を見かけることが多くなってまいりましたが,設置している自治体がふえてきており,設置のコストもかなり下がってきているようであります。平成16年から導入し,増設により今では市内に30台の多目的証明書用の自動交付機を設置している市川市の例がございますが,平成22年度の予算ベースで,費用はリース料から保守管理,消耗品まで含めたランニングコストをすべて合わせて1億8,000万円で,1台当たりに換算すると600万円とのことでしたが,川崎市は電子申請システムと構築基盤に約2億円をかけ,20台を設置し,1台当たり年間100万円のメンテナンス込みのリース料とのことであります。
時間短縮効果を時給換算するなどすれば,かなりの費用対効果が見込めるとの専門家の見解もあります。電子市役所への将来移行の計画をされている水戸市でも導入を検討してはと考えますが,自動交付機の導入についての検討はされているのか,状況と見解をお伺いいたします。
次は,コンビニエンスストアとの連携によるシステムが完成し,試験的な利用開始がスタートしたとの報道がありましたので,早速,情報収集をしてみたのでありますが,渋谷区,三鷹市,市川市は,コンビニエンスストアのセブンイレブン・ジャパンと財団法人地方自治情報センターとが開発したシステムを試験的に2月2日からで市川市内は37店舗,5月には関東1都6県で,早晩,年内には全国の店舗で可能になる見込みということで,機器はマルチコピー機を使用しているということで,費用的にもそんなにかからない状況−−時間がないので,説明を省かせてもらいますが,大変便利なシステムと考えるところであり,水戸市でも導入すべきと考えるのでありますが,コストの比較や問題点の考察等を行われているのかをお尋ねいたします。
答弁
市長公室長(田尻充君) 野村議員の一般質問のうち,諸証明発行における利便性の向上についてお答えいたします。本市におきましては,水戸市第2次情報化実施計画に基づき,市民の利便性の向上を図るため,住民基本台帳カードを利用した様々な行政サービスの提供に向け,調査研究を進めてきたところでございます。
他市におきましては,議員御指摘のとおり,自動交付機で住民票の写し,印鑑登録証明書の発行を行う例もありますが,議員御指摘のとおり,本年2月から渋谷区,三鷹市,市川市におきまして,試験的に一部コンビニエンスストアでこれらの諸証明の発行が可能になっており,順次全国への拡大を見込んでおります。
コンビニエンスストア利用のコストといたしましては,証明書交付センターへの負担金が年間500万円,コンビニエンスストアへの手数料が発行証明書1通につき120円必要となるほか,さらに,本市の住民情報システムの改修費用が必要となりますが,自動交付機導入コストと比較し有効であると認識しております。
しかしながら,本市におきましては,電送窓口で税証明や戸籍謄本も発行していることから,これらを利用して現行どおりのサービスを提供するには,自動交付機では多額の初期投資を要することが予想されること,また,コンビニエンスストアではサービスの内容が不足することなどが懸念されます。加えて,住基カードの交付件数割合が平成21年12月31日現在で2.12%と低調な状況でありますので,さらに検討を重ねる必要があると考えております。
いずれにしましても,限られた財源の中,いかに市民満足度を高めるかが求められておりますので,引き続きICT技術を活用した電子市役所の推進に向けて努力してまいります。
質問
野村まこと(眞実) 次は,低廉な市営住宅の普及促進策についてという通告をいたしました。水戸市には市営住宅が3,759戸ありますが,そのうちの約1,637戸が河和田にあり,340戸の平須住宅,320戸の双葉台住宅と続きます。
私は,市営住宅に関する施策について,これまで具体的提案を含め,1年に1度くらいのペースで本会議で質問を行ったり,委員会等の機会でも発言をしてまいりました。平成7年4月の初当選後初めての6月議会で,各棟の1階部分に高齢者や障害者のための住居を設置したり,また,防災対策として各住区の一定エリアごとに手押し式の非常用井戸を設置するなどの諸施策を導入したモデル的な事業を進めるよう,空き家がふえている環境の整備にあわせて提案をさせていただいたのでありますが,今では新築する際に1階部分はハンディキャップを持つ方用の仕様になるなど,提案したものが一部具現化しつつあり,一定の評価をしているところであります。
また,老朽化が進んでいたり,入居者の価値観の多様化等の影響で市営住宅を取り巻く諸問題は極度にふえつつあるという実情ですが,その解決のために日夜奮闘しているという現場での担当部局の対応は大いに評価するものであります。しかしながら,過去の質問の中には,非常用井戸の設置を初めとして,どのように検討しているのか,わからないものもあるので,答弁後の検討状況と進捗について改めてお伺いいたします。
建てかえ制度予定活用による集中化の回避策はという通告をいたしましたが,老朽化が進む河和田住宅の建てかえについて,柳河学区や稲荷学区あるいは大場学区等のように,学校に空き教室があったり,市民センターに余裕がある地区へ分散して建てかえをして,あいた現在地の残地は住宅用地として売却をして,用地費に充ててはと繰り返し申し上げてきたのでありましたが,平成19年9月の私の一般質問に,阿部都市計画部長は,法的には可能としており,また,計画戸数については,周辺の公共,公益施設の整備状況を十分に勘案し,建てかえにおける既存戸数の確保などの観点から決定していくと答弁されたのですが,河和田住宅の建てかえ計画への進捗に加えて,どのように取り組まれようとしているのか,見解をお伺いいたします。
答弁
都市計画部長(阿部寿志君) 野村議員の一般質問のうち,低廉な市営住宅の普及促進策に関する御質問にお答えいたします。まず,市営住宅の建てかえによる集中化の回避についてでございますが,市営河和田住宅につきましては,昭和43年度から48年度にかけて建設された,簡易耐火づくり平屋建て及び2階建て住宅において,設備・施設の老朽化が著しくなったため,平成12年度から第2街区の建てかえ工事を行い,5棟166戸が完成したところでございます。
平成22年度からは,第1街区65棟473戸について,10棟300戸の高層住宅に建てかえる工事に着手してまいります。
なお,戸数の減少分につきましては,非現地建てかえとして,市域全体のバランス等を検証して,適正配置に努めてまいります。
また,戸数の減少,住棟の高層化等により発生する余剰地につきましては,売却処分を行ってまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実) 次は,民間賃貸住宅を活用した普及促進策についてでありますが,この件もかねてから私の持論であり,平成12年,植竹部長より前向きな答弁を,先ほどと同様に,平成19年9月には阿部部長からは,慢性的待機状況の対策として,民間住宅の空き室を住居ごとの指定により市営住宅として活用すべきではないかとの御提言に対しまして,既存の借り上げ公営住宅の制度などの活用を含めまして,本市における導入の必要性の検証及び他自治体の実施状況の調査,研究を行ってまいりますと答弁されており,また,昨年は小室議員も角度を変えた同様の質問をしておりました。どこまで研究をしているのか,わかりませんが,報道によれば,お隣のひたちなか市では,この4月より借り上げ方式を採用するとのことです。
私の提案は,集合住宅1棟を借り上げるのではなく,市は市営住宅として貸し出しの希望者の住戸の耐震や防火等の安全基準を審査し,合格したものにマル適マークを発行し,入居希望者については適正審査を行い,審査をパスした希望者同士が賃貸契約を締結し,入居の確認がなされた場合に,家主に一定の家賃補助を行うというもので,イニシャルコストもランニングコストもリスクも低いというものなのです。導入の必要性の検証及び云々という答弁は,具体的にどのように行ってきているのか,進捗と見解をお伺いいたします。
答弁
都市計画部長(阿部寿志君) 次に,民間賃貸住宅を活用した普及促進策に関する御質問にお答えいたします。これまでに,借り上げ公営住宅制度につきまして,特例市,県庁所在市等に対し,導入状況等の調査を行っております。
現在この制度を導入している自治体のうち,借り上げ期間満了後の対応や修繕負担に係る課題等があることから,今後も借り上げ制度を行いたいとした自治体は,半数程度にとどまっております。引き続き導入自治体の動向を把握し,慎重に対応してまいりたいと考えております。
また,議員御提案の,民間賃貸住宅を活用した家賃補助制度につきましては,民間賃貸住宅に求める耐震性,居住性等の基準,入居者の要件,補助を行う期間,さらには,同じ共同住宅内で世帯ごとに負担額に大きな差が生じることなど,導入には整理する必要のある課題があることから,先進地における実施状況を検証してまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実) スクラップ・アンド・ビルドから改修して活用することについてという通告でございますが,河和田住宅のうち,特に昭和50年以前に建築された簡易耐火2階建ての住宅を例に挙げますが,躯体は鉄筋コンクリートでできていて,耐震的にも十分な強度があり,造作類や内外装を改修すれば十分使用できるのであります。財政難という市の懐事情に貢献するだけでなく,庭つきで安価な賃料であれば借り手のニーズにも合致しているわけですが,部長の御見解をお伺いいたします。答弁
都市計画部長(阿部寿志君) 次に,スクラップ・アンド・ビルドから,改修して活用してはとの御質問にお答えいたします。河和田住宅にある,昭和50年以前に建設された簡易耐火2階建ての住宅につきましては,老朽化が著しく改修に相当の費用が見込まれることや,改修後の使用期間が限られること,また,旧耐震基準に基づき整備された住宅であるため,耐震性の面で問題があると考えております。しかしながら,耐震性に問題がなく,設備等について更新が比較的容易な住宅につきましては,可能な限り使用し続けることが,これまで以上に重要となってきておりますので,平成22年度において市営住宅の長寿命化計画の策定に着手してまいります。
これまでも中層住宅を中心に計画的な外壁修繕等を行ってきたところですが,この計画では,予防保全に主眼を置き,住宅ごとに改修,改善の履歴を整理し,現況を詳細に把握した上で,それぞれの住宅を長期にわたり使用できるよう,改善,修繕の計画を定めることとしております。
質問
野村まこと(眞実) 住宅についての最後の質問ですが,それぞれ具体的な提案をもとに質問をしてまいりましたが,今の水戸市の住宅行政はというと,後から後から押し寄せてくる現状の処理に追われているのが実情で,大局的な見地での施策が足りないように思えてならないのであります。本来は,市民ニーズの調査を行い,それに沿った施策を展開すべきであると思いますが,どのようにニーズを把握しているのか,行政の役割の考察についてお伺いいたします。答弁
都市計画部長(阿部寿志君) 次に,市民ニーズの把握と行政の役割についての御質問にお答えいたします。これまでも,市営住宅の整備の際には,窓口に寄せられたり,電話等により市民の皆様よりいただいた御意見,御要望を反映させるよう努めてきたところでございます。今後とも,適宜,随時の方法により,御意見,御要望をお寄せいただき,いただいた貴重な御意見等をできる限り市営住宅施策に生かし,安心,安全な住宅整備に努めてまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実) 次は,市民センターの充実強化策についての質問であります。本年4月から,社会教育施設である,水戸市の財産とも言える公民館が,公の施設である市民センターへ移行されるわけですが,市長は「広報みと」にあいさつを掲載され,各公民館において,住民組織の会合等で公民館長や職員が説明をし出したこと,さらには新たな市民センター条例に基づく市民センター運営審議会がにわかに開催されたこともあり,市民の間でも,公民館が市民センターに変わることについて話題となりつつあるのはいいことだと思います。
しかしながら,行政サイドからの市民との協働という耳慣れない言葉や地域コミュニティプランの策定などの行政用語が先行するためか,現場でも混乱しているのが実情なので,昨年12月の議会でもるる質問させていただいたばかりでありますが,改めて,確認の意味で質問いたします。
公民館を市民センターに変えるのは,行革のコスト削減のためで,その内職員も引き上げて,市民サービスは低下することになるのではとの質問をよく受けます。私は,制度上,社会教育法に基づく施設から,公の施設であるコミュニティ施設,−−集会所に変わるだけで,市民にとって使用上はこれまでと大きな違いはないはず,むしろコミュニティ活動の支援が強化されるのだから,市民サービスは向上されるし,生涯学習の社会的な課題の講座等の開設で生涯学習の観点でも強化推進されるはずと説明しております。ただし,公民館での住民組織によるこれまでの行事等については,今後はコミュニティが主体的に推進していくことになるわけだから,市民センター任せで受け身でいたのでは何も進まないと思うし,あくまで行事はコミュニティ活動であり,自分たちの事業との認識で主体的に行動し,必要に応じて,市民センターの職員の方に資料の作成を協力依頼するようにすれば,職務として対応してくれるので,何ら心配は要らないとも申し上げておいたのですが,私の説明に間違いがないのか,聡明な教育次長の見解をお伺いいたします。
そして,生涯学習の推進の観点での方策のイメージと具体策についてお尋ねをいたします。
私は,初当選をいたしました翌年の平成8年3月には公民館を軸とする市民サービス向上策についての質問をいたしました。水戸市における市内31小学校区のすべてに公民館が設置されているという,全国でも特異な特徴は,市民の貴重な財産であり,成熟した地域コミュニティづくりへの舞台にふさわしいものと評価していると前置きし,再編された新しい住民組織である住みよいまちづくり推進協議会のもとで,公民館を市民と行政を結ぶ総合窓口とする地域の拠点施設として,そこにコミュニティ担当職員を配置し,生涯学習や地域福祉などのコミュニティ活動の推進のほか,人材発掘,リーダーの育成を通して,心の触れ合う地域社会を構築していこうとする岡田市政の目玉とも言える構想は,多くの市民の皆様の共感を呼ぶところであり,住民と行政と議会とが一体となり,具現化しなければならない命題であると強く認識しているところと位置づけて,職員の役割に始まり,具体的な数々の提案をさせていただいていたのであります。
その後も,平成8年3月,11年3月,11年12月と繰り返し質問をさせていただき,生涯学習の推進こそが地域の自治意識の醸成につながり,市民力がアップし,結果として水戸市が住んでよかったと思えるまちになるんだとの一念で,社会教育の推進に力を入れてきたのでしたが,そこに来て突然発表されたのが公民館廃止による市民センターへの移行案でした。
さきの平成21年12月の定例会で,新生涯学習推進基本計画に基づく生涯学習のさらなる推進策については事細かに質問させていただき,内田教育次長の真摯な答弁に納得させられたのでしたが,改めて,これまでの議会の答弁と実際の役所の動き,これを見ていると,さらにこれについては答弁を確認しておく必要があるということで質問をさせていただきます。
みと好文カレッジ推進本部が進行管理を行うということで,市長を頭に進行管理をすべてやるということなんですが,それでは,早速スタートを切るに当たって,どのように推進本部の会議を持たれて,どのような論議をされてきたのか。また,協力体制づくりを推進するために,生涯学習推進幹事会の機能を生かしていくと答弁をされております。このことについても同様に,どのような形で実際に何回議論をされてきているのか,どんな内容で議論をされて,スタートにこぎつけようとされているのか,次年度の予算の状況についてもお尋ねいたしまして,以上で質問を終わります。
時間がございませんので,再質問の機会はないと思いますので,しっかりと答弁を願いたいと思います。
ありがとうございました