平成12年3月定例会
野村まこと(眞実)の代表質問と答弁の全文です。
質 問
6番,野村眞実君。〔6番野村眞実君登壇〕(拍手)
06番(野村眞実君)私は,政友会の野村まこと(眞実)でございます。平成7年の初当選とともに市民福祉の向上のためにとことん議論を尽くし,何事も市民の立場に立ち,是々非々で会の意思を決定していくことをモットーに結成されました政友会の一員として,岡田市政を名実ともに県都にふさわしい歴史に残る市政にすべく,二期生としての責任の重さをひしひしと感じているところでございます。今後も県都・水戸市議会の名に恥じないよう,先輩諸兄の御指導をいただきながら,努力精進していくことをここにお誓い申し上げまして.平成12年第1回市議会定例会に当たり.ただいまより会派を代表しての質問をいたします。中には申し上げづらいことを申し上げることにより,耳ざわりの悪いこともあるかとは思いますが.行政のチェック機関としての使命のため,そして水戸市民,岡田市政を思うがための発言ととらえ.御容赦いただければ幸いに存ずるところでございます。 最初の質問は,市長の政治姿勢についての質問でございます。岡田市長の市政運官の基本方針について近年を振り返ってみますと,平成8年度は高齢化社会に対応するやさしいまちづくりを,平成9年度は少子化対策元年と位置づけ,来るべき21世紀の水戸を担う子供たちと,その子供たちを産み育てる女性や家庭の環境づくりへの積極的な支援策を,そして平成10年度は行政改革元年と位置づけ,定員の管理や財政構造の改善については,数値目標の設定等を視野に入れて検討し,財政運営全般にわたる新たな改革に意欲を示し,平成11年度には生涯学習を中心に市民が主体となり得る環境の整備と人づくりを進めながら,広域行政を含めた周辺市町村の真のリーダーとして,地方の独自性,自主性を発揮してまいりたいと意欲を見せられました。その姿勢はまさに時代の要請をとらえたすばらしいものと多くの市民から評価をされているところでございます。また,本定例会では,環境を見つめ直し,人にやさしい環境の創造へ向けて,全市民を主体とした環境教育を推進し,循環型社会を目指すと力強く所信を述べられました。長年,環境問題の重要性を取り上げ,水戸市でも環境リサイクルモデル都市宣言をし,環境産業を積極的に誘致すべきと申し上げてまいりました者といたしましてうれしい限りでありました。ところが.予算編成を見ますと,義務的経費を削滅し,投資的経費を伸ばした堅実経営とのことでございますが,せっかくの市長の基本方針が思うように反映されていないように思えて残念でなりません。そこでお伺いいたしますが,市長は所信の予算編成の基本方針と予算規模の中で,「事務事業の合理化等により一般行政経費の抑制を図り,政策課題や投資的経費へ財源を重点的に配分することに努めました」と述べられております。新聞報道の中でも限られた財源を活用し,堅実型の予算を編成したと自己評価され,義務的経費の抑制を歓迎されているかのように見受けられますが,義務的経費については,扶助費の介護保険会計の区分への移行に伴い,一見削減されたように見えるだけで,実際には横ばいのようであります。 私は.市の行政はサービス産業であり,財産は人であると言っても過言ではないと考える一人であります。ただでさえ国や県がらの事務事業が移管されつつあり,特例市の指定まで受けようという今日に,必要経費がかかるのは当然であると考えます。義務的経費は抑制した方がよいのでしょうか。その意味はどこにあるのか,実質的な義務的経費の前年度対比にあわせ,岡田市長の見解を伺います。 普段からソフト面での政策の重要性を主張されております岡田市長が.ソフトのみならず,今回,投資的事業を13.3%伸ばしたことは評価できるところでございますが,私はそもそも財政難の時代における投資的事業というのは,例えば.組合施行による東前であったりあるいは河和田2丁目の土地区画整理事業のようなものや.今回のISO取得への助成のような公の投資に見合う民間の投資が確実に喚起されるものを優先すべきであると考えます。勇退されました公明党の仲田勇元議員が,よく,行政にもバランスシートを導入すべきだと,バランスシートの必要性をカ説していたことが思い起こされますが,バランスシートならずもソフト面とハード面の予算の対照表を作成してチエックをしてみる必要があるのではと考えますが,一般会計から義務的経費を除いた投資的経費等のうちで,ソフト面の事業に充当する予算は幾らぐらいになると分析されているのか,市長の見解をお伺いいたします。 政治姿勢の3点目でございます。市長は,所信の冒頭に地球環境への畏敬の念と環境問題の重要性を表明し,環境教育事業に特に力を入れると述べられていることは,多くの市民の皆様より歓迎されるところであります。私は,平成9年9月の定例会や昨年の予算編成時の際にも,平成10年度に2,772万6,000円あった環境対策費が,平成11年度は1,505万9,000円と45.7%も減少してしまい,環境展の開催と小学校への環境読本の配布以外は何もしなくてもよいと言っているようなものと意見を申し上げていただけに.今回の予算の中で環境対策費が前年比111.8%増となったのは,比率から判断すれば大きな前進と評価しなければならないのかもしれませんが,その中身を見てみると,報酬と委託料の伸びが目立つだけで,総額ではわずか3,189万円しかなく,予算上も依然.款,項,目の目でしかないのが実情でございます。将来的な展望を持たれて環境重視の視点で所信を述べられたことと推察いたしますが,報酬と委託料の内容にあわせ,岡田市長の今後の環境施策の方策と考え方を具体的にお尋ねいたします。 4点目は,教育費の問題でございます。教育費が対前年度比6.4%の増ということでございますが,その中身を見るとき,一般財源での比較では対前年度比1.9%のマイナスのように見受けられ,予算書の内訳説明を見ても.各費目の備品購入費が横ばいが減額で,社会教育総務費や青少年活動促進費や少年自然の家費や,あるいは図書館費など,いずれも重要な施策を担う分野においても3年連続の減額となっておりますが,学校の大規模修繕や建て替えとか,あるいは(仮称)河和田地区市民運動場等の運動施設の建設というハート面を除いた部分での予算額の推移はどのようになっているのか.減額の理由にあわせて見解をお伺いいたします。 政治姿勢の5点目の質問でございます。市政の運営の基本となるのが予算でございますが.近年の水戸市の予算を見ると,年度途中での補正が多く.当初予算と決算の内容を比較すると乖離していたり,また前年の予算の款,項,目をそれぞれ比較してみますと,当然変動してしかるべきものであるのに全くの同額であったり,あるいは予算化の時点での創意工夫の跡が薄いようにも感じるのでありますが.近年の当初予算と決算の比較考察にあわせ.当初予算の編成時における市長の見解をお伺いいたします。 続きまして,企画総務行政ということで通告申し上げました。 1点目でございますが,市長は特例市について節目の年に指定を受け.行政事務を充実させたい,そうすれば職員の意識も上がる,そして県内初の特例市の年度内指定に向けて準備を進めるとの所信を述べられましたが,市長の積極的な姿勢は評価できるところであります。特例市は,国や県に関連する行政手続が簡素化されるという利点はございますが,反面,指定に向けての準備段階までの行政事務事業の合理化は,相当の事務量が予想されるのであります。庁内のみの対応で大丈夫なのかと危惧するところでありますが.特例市を目指すことにより,あわせて職員の意識の高揚にもつなげようというのであれば,行政事務事業の効率化とサービスの品質向上のためにも,この際,水戸市でもISOの取得を決断し,それにあわせた形で外部機関への委託等の方法も検討すべきであると考えますが,特例市指定に向けて,庁内での対応で可能と考えておられるのか,その事務量の予測にあわせて市長の見解をお伺いいたします。 また.特例市の指定を受けるからには,ただ指定を受ければよいなどというのではなく.当然執行体制の強化が必要になってくるのではないでしょうか。毎月第1月曜日に開催されている庁内の部課長会議の中身についても,職場の朝礼のようで再検討をすべきではという意見が聞こえていたことは御承知おきのことと思います。最近の部課長会議の中で市長や助役から執行体制に関する訓示的なものが出てきたことは一歩前進と評価するところでございますが,もう一歩進め,政策的な課題を議題とするよう1さらなる部課長会議の活性化を期待するところであります。本来は三役会があって,そして部課長会議.部内課長会議であったり課内会議や担当者会議などそれぞれがあって組織として効率的に機能し,目的の達成へと至るわけでございますから,幹部のみでとどまってしまっていたのでは意味が薄く,各課ごとに広く職員に趣旨を伝達するなどすべきと考えます。また,定例会ごとに市長の所信を全職員に回覧するとか,早朝に館内放送を通じて市長の姿勢や政策に関するコメントを発表するなどし,職員が一丸となって市民サービスの向上に邁進するよう,さらなる対応を図るべきと考えますが市長の見解をお伺いいたします。 続いて.本定例会の議案には,地方分権一括法の制定にあわせた地方自治法の改正のみならず,民法の一部を改正する法律に伴う水戸市印鑑条例の一部を改正する条例案が提出されております。民法の一部を改正する法律に伴い,禁治産及び準禁治産の制度が4月1日より後見人及び保佐人の制度に改まることは御承知のとおりでありますが.それに伴い身分証明書の内容も当然変更になり.市の保管する重要文書である禁治産者や準禁治産者の台帳が.準禁治産者の一部は残りますが.成年被後見人と被保佐人の台帳に変わるわけでございます。そしてそれらは従前の裁判所から市への送致に変わり,法務局に登記をされることとなるわけでありますから,考えようによっては身分証明書の発行の必要性がなくなってくるとも思われるのでございます。市の例規集を見てみましたところ,身分証明書の発行に関するものは存在していないようなので,市民の財産と権利を守り,あるいは制限することに使われる身分証明書という重要文書に関する事務事業だけに,せめて事務管理規定ぐらいには定めるべきではと考えるところであります。身分証明書の発行に関しての法的な根拠と内規での定めの有無,さらには民法の一部改正に伴う今後の対応をあわせてお伺いいたします。 4点目でございます。市長は所信の「市民参加による民主的市政の確立」の中で,「インターネットの活用により,幅広い意見や提案を求め,施策への反映に努めてまいります」と述べておられます。インターネットを活用した市民提案の受付はまさに時代の二一ズに合ったものと評価できるところでございます。市のホームページには,既に市民相談室を連絡先とするおたよりコーナーのページがあり,市民の方々にメールで意見を寄せていただくようになっておりますが.ホームページには市の具体的施策のページがないため,意見を寄せてほしいといっても情報が不足していて,何を書いていいのかわからないとの声もございます。市政の具体的な施策の情報公開なくしては意味がないのではと考えるところであります。本当に幅広い意見や提案を求めるのであれば,現在の市のホームページそのものを見直すとともに,市民相談室独自のホームページを開設し,各地区で行われた市民懇談会の意見と回答の一覧を開示するなどの必要があり,かつ書き込み掲示板のような他の市民の方々がどのような意見をあるいは提案をしているのかがわかるような工夫も一例として必要と考えますが,16万8,000円の予算でどのようなものをつくろうとしているのか.お伺いいたします。また,今のホームページとどのように違うのか,利用状況や既に寄せられた主な意見などの事例にあわせた見解をお伺いいたします。 総務企画行政についての6番目の質問でございます。私はISOの取得と支援策の制度化について,平成10年9月定例会で質間してまいりましたが,今回やっと実現の可能性が出てきましたことは評価できるところでありますが,企業への支援策については取得に着手した企業に支援の助成を行うのみでなく,完了時に奨励報奨金のような形で取得費の半額を市が負担するような経済的な支援にあわせ,取得へ向けた講習会などの開催等を提案してまいりました。lSOは工業の生産ラインのlSO14000シリーズの環境のみでなく,市内の病院で取得した事例もありますので.福祉施設や金融機関や商業者等へも門戸を広げ,サービス業全般を対象としているlSO9000シリーズについても支援していくべきと考えますが,予算的な裏づけによる今後の具体的な方策と見解をお伺いいたします。また,支援策のみでなく,むしろ市が行政サービスの機関として積極的にみずからが取得していくべきではと,以前の御質問でも申し上げ,ただいまの特例市の質問の中でも触れさせていただきました。県内でも昨年11月に総和町がISOl4000シリーズを初めて取得したのを皮切りに,古河市でもISOl 4000シリーズの取得へ向けて作業中とのことで,総和町では一般行政の事業効率化へ向けた活用方法も検討中と意欲を示しているとのことでございます。千葉県の白井町が国内で初めて取得し.その後,上越市が続き,今では全国で既に30を超える自治体が取得していることも踏まえ,先進地の事例を視察するなどし,県内の手本となるよう県内初の1SO9000シリーズの取得へ向けても対応すべきと考えますが,岡田市長の見解を伺います。 続きまして,福祉行政についての質問でございます。私は,福祉行政に関する質問を毎定例会ごとに行ってまいりましたが,いよいよ介護保険のスタートヘ向けて担当課を中心とする関係部局が一丸となり奮闘中ということを踏まえ,今回は2点のみに絞り質問させていただきます。 介護保険制度の導入に当たり,岡田市長の現行の福祉は後退させないというすばらしい決意にこたえる形で.制度の導入が法制化されて以来,水戸市高齢者保健福祉推進協議会と執行部,そして議会が一丸となって取り組んできた結果.予算的には多少の無理はありましたが,水戸市におけるこの制度も市民の皆様に一定の評価をいただけるのではなかろうかと思えるところまで近づいてまいったと考えております。しかしながら,スタートはこれからであって,むしろ具体的にスタートしてみて初めていろいろな問題が表面化してくることは,自明の理でございます。そこで質間でございますが,私は平成7年6月と平成11年3月に本会議で,介護110番の設置の必要性について申し上げ,執行部より前向きな答弁をいただいてまいりましたが,本年度やっとのことで高齢福祉課に単独の電話が設置されることになり,喜ばしく.また期待しているところでございます。読売新聞社が全国の市町村を対象にした調査の結果でも.基盤整備に不安があるとの回答が34%あり,住民に周知不足が53%もあるとのことから見ても,介護保険導入後に抱えている不安や心配ごとがより現実化することにより,市民からの問い合わせが殺到することが予想されるわけであります。そういう意味でも介護110番の役割は市民の皆様から大きな期待が寄せられているところであります。私は,少ない体制の中で対応するためには,専任の担当者を配置した上で.担当者が不在のときでも変わらない対応ができるよう電話の応対から始まる作業をマニュアル化したり,寄せられた相談や苦情などを正確に記録し,その処理をどの部署のだれに連絡し.その後どのように対応されたのかの処理の経過が一目でわかるようシステム化することが不可欠であると考えるのであります。平成12年度の予算や組織体制を見る限りでは,今の体制で担当者を専任させることは,他の業務への影響が懸念されるため,場合によっては補正予算による対応も必要ではと考えるところでありますが,どのような体制で対応されるつもりなのか,告知の方法もあわせてお伺いいたします。 また.介護保険の切りかえ時の直前ごろをめどに,計画当初に開催し参加された方々に大変好評でありました公民館等での説明会のような方式による聞き取りの機会も必要と考えますが,見解をお伺いいたします。 介護保険導入後の問題の一つに.サービスの供給量と質の問題があります。量の問題は.基本的に民間にある程度ゆだねることになるのは制度の上からいってもやむを得ないと考えますが,質の確保の間題は実施主体の市の責任が間われる大きな問題でございます。先ほどの読売新聞社の調査でも42%もの市町村が質の向上を課題に挙げているということでございます。水戸市と同じ人口規模でございます佐世保市では,利用者の側に立った質の確保と相談体制が必要との市民の声にこたえ,質の向上に関するモデル事業として,介護オンブズマン4人が週に一度施設を訪問し,利用者の苦情や相談に当たっているとのことでございます。介護オンブズマンの導入を条例化する動きも全国の市町村で既に活発化してきていて,厚生省でも,22年前がら連邦法で設置が義務づけられて既に定着しているアメリカを参考に,介護オンブズマンの養成研修の実施モデルを行うとしております。水戸市でも既に民間レベルでの動きが出てきているようでございますので.自主的設置へ向けて支援の上で,おおむね介護保険導入後1年の経過を見てこの介護オンブズマンを制度化すべきと考えますが,見解をお伺いいたします。 続きまして,下水道行政についての質間でございます。県がこのたび,那珂久慈流域下水道への水戸市分の日量5万l.000トンの参入を了承したとの新聞報道は,イニシャルコストであっます負担等やランニングコストである下水道使用料の概算も具体的なすり合わせさえもできていない現時点では.岡田市長の歓迎のコメントのとおり吉報であると考えますが,起債総額の2,000億円弱のうちの約867億円もの借金を抱えている下水道事業会計を市民より預かる市長を初めとする執行部や議会だけに,投資と効果の考察もきわめて重要なファクターであると考えます。私は,平成10年3月定例会で,当時の市長の那珂久慈流域下水道への参入示唆の発言を受けて,流量の見直しを求める提案も含めた下水道の詳細にわたる質問を行ってまいりました。下水道に関する水戸市公共下水道早期普及整備方針等対策調査特別委員会へ提出された資料の数値に整合性がなかったりと,数々の問題が指摘される中での水戸市公共下水道基本計画の見直しにより,必要処理汚水量の日量約5万トンが確定したのは御承知のとおりでざいます。
新聞の報道によれば,今後の課題は水戸市が支払う負担金で,市内とひたちなか市にある処理場を結ぶ配管,つまり幹線管渠の建設費を水戸市が支払うか,全体処理汚水量の約2割を水戸市が占めるため,処理場の建設費をさかのぽって支払うという2つの案が上がっているとのことでございました。そこでお伺いいたしますが.県の発表を受けて市ではどのように対応され,また今後どのように対応していくつもりでいるのか,市長の見解をお伺いいたします。 さらに,現計画の中での幹線工事費と遡及負担額の概算の試算結果についてもお伺いいたします。本定例会議案の平成12年度水戸市下水道事業会計予算の中には.流域関連下水道建設事業費としてl億9,246万5,000円,2名の職員の配置と1億6,575万円の工事請負費が計上してございます。同会計の地方債調書を見ると,流域関連下水道分の来年度の起債見込額が1億7,240万円あり,平成12年度未現在高見込額は20億6,377万3,000円とあります。これらは恐らく常澄エリアの参入分かと思われますが,償還済みを含む過去の流域関連下水道分の起債の累計と,その使途並ぴに平成12年度の流域関連下水道建設事業費の詳細内訳をお伺いいたします。下水道4点目の質間でございます。常澄エリアについては,合併前の決定に基づき,那珂久慈流域下水道へ既に参入しております。そして旧常澄村時代の建設負担金は1億8.000万円と聞いておりますが.常澄地区の処理分としてのイニシャルコストは幾ら支払われていて,ランニングコストは幾ら支払っているのか,市町村負担金の内訳にあわせ,それらの累計をおのおの明らかにしていただきたくお伺いいたします。 以上で,政友会を代表しての第1回の質問を終わります。答弁によりましては,再度の質問をいたしますので,岡田市長におかれましては誠意のある御答弁をくださいますようお願い申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(高橋丈夫君)体憩前に引き続き会議を開きます。6番,野村眞実君の代表質問に対する答弁を願います。市長,岡田広君。
答 弁
〔市長岡田広君登壇 ]○市長(岡田広君)政友会を代表されましての野村議員の御質問にお答えをいたします。まず,市長の政治姿勢についてでございますが,平成12年度の扶助費につきましては,前年度に比べ約14億円,15.4%の減となっております。これは介護保険制度がスタートすることに伴い,特別養護老人ホームに係る老人保護措置費を初め,デイサービス事業やショートステイ事業などの扶助費が介護保険会計へ移行することにより減少したものでございます。また,人件費につきましても,介護保険会計への人員の移行,公債費につきましては,昨年度の繰上償還と低利率への借りかえ等の要因により減少したものであります。これらの要因により,義務的経費につきましては,前年度対比4.8%の減となっておりますが,公債費の1.6%減が実質的な減であるとも言えます。しかしながら,一方ではこれら義務的経費は支出が義務づけられており,硬直性の極めて高い経費であります。したがいまして.今後とも効率的な行財政運営と市民サービスの向上を図ることを目指して行政改革を推進し,義務的経費の動向に留意しつつ,経常経費の縮減などを図り,財政の健全化に努めてまいりたいと考えております。また,ソフト面の事業に充当する予算についてでありますが,そのとらえ方が困難でお示しすることができませんので,御理解をお願いいたします。ソフト事業につきましては,その重要性を十分認識しているところであり,高齢者を対象とした在宅福祉事業や介護保険低所得利用者負担軽減事業,家族介護支援対策介護用品支給事業などの新規事業を加え,福祉部門におけるソフト事業を中心に充実を図ったところでございます。次に.環境対策費につきましては,環境基本計画の策定に要する経費として.策定委員会の委員及び計画内容を審議する水戸市環境審議会の委員の報酬並びに策定に係る委託料を計上したものであります。なお,計画に当たっては平成12年度,平成13年度の2か年において具体的施策の策定に努めてまいりますが.環境施策は多岐にわたっており,その重要性を十分認識しておりますので,その間においても必要な施策については予算化を図ってまいります。そして,何よりも市民一人一人の意識の醸成が第一に重要であることから.環境教育を引き続き推進し,人にやさしい環境の創造に向けて活動を全市的に展開していきたいと考えております。また,教育費の投資的事業を除いた予算の推移につきましては,平成12年度62億7,139万8,000円,平成11年度62億7,471万4,000円で,マイナス331万6,000円.率にしますと0.1%の減となっております。減額の主な要因は,社会教育費で市制施行110周年記念事業の終息等によるものですが.教育根幹に係る児童,生徒に対する教材教具や学校図書等の経費及び社会教育費関係等の経費につきましては,限られた財源の中で学校や市民の要望を可能な限り反映し,予算措置をしたところであります。今後とも引き続きそれぞれの要望の把握に努め,予算化を図ってまいります。次に,一般会計における当初予算と決算の比較といたしましては,平成9年度につきましては,当初予算848億9,426万5,000円に対し,決算額は825億4,571万3,000円で,23億4,855万2,000円の減となっております。この要因としては.金融機関の不良債権処理等の影響で市税の減額補正をするなど,年度途中において予算の圧縮を図ったためであります。また.平成10年度につきましては.当初予算802億5,844万7,000円に対し,決算額は812億6,190万3,000円で,10信345万6,000円の増となっております。この要因としては,年度途中に国の経済対策と共同歩調をとる必要が生じ.大幅な増額補正を行ったためであります。予算は,一会計年度に一度だけ作成するのが原則でありますが,年度途中における経済情勢の変化や制度の変更,災害の発生などによつこれを補正する必要が生じることはやむを得ないものと考えております。また,予算化に当たりましては,議員の御指摘を踏まえ,さらに創意工夫を重ねてまいりたいと考えております。 次に,平成12年度の予算編成に当たりましては,水戸市第4次総合計画に基づく3か年実施計画との整合を図りながら,「生き生きとした文化都市・水戸」の実現を目指すことを念頭に,国,地方を通じた財政動向を踏まえ,一般行政経費については,事務事業の合理化により経費の抑制を行い.政策課題や投資的経費へ財源を重点的に配分することに努めたところであります。次に,企画総務行政についての御質問についてでありますが,まず,特例市指定に向けての準備にかかわる対応についてお答えをいたします。現在の特例市への移行準備のための体制につきましては,庁内での情報収集や国,県との連絡調整を行うとともに,適宜,政策調整員会議において情報の伝達を行いながら.その準備に当たっているところであっます。今後におきましても,引き続き担当窓口を中心に,関係機関や庁内の関係課との連携を密にしながら.的確に対応してまいりたいと考えております。移行後の執行体制につきましては,現在,移行に伴って必要となる体制,すなわち職員数.予算規模,設備機器等について県にその詳細を調査依頼しているところでありますが,移行に伴う事務量増への対応については,民間への委託や0A化等も視野に入れながら,その体制整備に万全を期してまいりたいと考えております。なお.ISO9000シリーズの取得につきましては,他市の状況やその効果等について,今後,調査検討してまいります。また,特例市への移行は,現在,県が処理している事務の一部が市に委譲されることで,市の自主性や自立性が高められるという効果をもたらすものであり,行政に対する市民の期待も増してくるものと思われます。したがいまして,特例市への移行に当たっては,準備段階から庁内.特に職員への特例市としての気構えと制度への理解を深めるとともに,なお一層の効率的かつ的確な事務事業の執行にも努めていく必要がありますので,職場研修等の充実を図りながら職員の資質向上と機運の醸成についても努カしてまいりたいと考えております。次に,特例市指定のための執行体制の強化に関連して,部課長会議での内容や私の所信を幹部職員だけではなく,広く一般職員に周知すべきではないかということについてでありますが,所信については当然のことながら,また部課長会議において伝達または報告される行政運営上必要な指示事項や市政に重要な影響を及ぼす事項についての情報は.広く職員が知るべきものであると考えております。これまでも折に触れ所属職員への情報の周知を指示してまいりましたが,改めてその周知の徹底に努めてまいりたいと考えております。 次に.インターネットを利用した市民提案についてお答えをいたします。私は,積極的に市民の声を間き,市政に反映させ,「心ふれあう市民の声がひびくまちづくり」を巨指し,市民懇談会を初めとして,市民参加の行政を進めてまいりましたが,さらに近年のインターネットの普及を踏まえ,昨年8月から市のホームページの中で電子メールによる市民からの御意見,御要望についても対応してきたところであります。現在.その件数も増加しておりますので,業務の確実性,迅速性を図るため,新たに市民相談専用のメールアドレスを設け,直接市民相談室で対応できるようにするものでございます。2月末現在におきまして,歩道の清掃.赤塚駅周辺再開発関係など市政に対する御意見.御要望あるいは私的な相談,問い合わせ等85件ございましたが,弓き続き広く市民の意見や提案を受ける手法として定着させてまいりたいと考えております。なお,現在のホームページは.主に対外的に水戸市をPRする内容となっておりますが,議員の御提案を踏まえ,今後さらに内容を検討し,情報の充実,更新に努めてまいりたいと考えております。次に,ISOの取得と支援策の制度化に関する御質問にお答えをいたします。長引く不況の中にあって,本市の中小企業者の方々は懸命に企業努力を重ねているところでありますが.こうした中小企業者の方々を取り巻く環境は厳しいものがあっ,市といたしましても,水戸商工会議所などの関係団体と連携をとりながら,その支援策について検討しているところであります。御質問のISO取得への支援策につきましては.企業を取り巻く環境が変化を続ける中,その企業の体質強化につながるものとしてその必要性が高まりつつあることは,議員御指摘のとおりであります。市といたしましては,どのような形で支援すべきかについて検討した結果,中小企業者の置かれた現状を考慮し,ISO取得について平成12年度には製造業の方々を対象として,その取得経費の一部助成をすることとしたものであります。議員御提案の対象範囲の拡大につきましては,今後検討させていただきます。次に,ISOの市みずからの取得の質問についてお答えをいたします。他自治体におけるISOの取得につきましては,行政の事務事業の執行に対する市民の信頼の確保の観点から取り入れられているように思われます。議員御提案のIS09000シリーズの取得を目指す自治体においては,担当者の資質によって行政サービスの質が変化することのないよう,だれでも対応できるように作業手順の文書化.マニュアル化の作業を進めていると聞いております。本市におきましては,厳しい行財政環境の中,行政改革を推進しているところでありますが,その一つとして市民生活に最も関係の深い窓日部門の業務について手順書を作成し,それぞれの手順における貴任の明確化を図り,窓ロサービスの質の維持向上に努めております。また,21世紀への橋渡しを努める私としては,環境を大切にするまちのイメージを水戸市の個性としてはぐくんでいきたいと考え.その一環として平成12年度にISO14001の取得を検討することとしております。このような状況から.ISO9000シリーズにつきましては,今後さらに調査検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても,市民に公正で迅速.かつ質の高い行政サービスの提供については,常に心がけていかなければならないものと認識しております。 次に,福祉行政についてお答えをいたします。
本年4月からの介護保険の実施に当たっては,市民からの相談や問い合わせも多数生ずることが考えられますので,議員御指摘のように介護相談の専用電話として直通の電話を設置し,市民の利便に供するとともに,専任職員の配置につきましても,県の介護保険相談員設置事業により,本市にも相談員が配置されることとなっておりますので,これを活用し、介護保険の円滑な推進に努めてまいります。また,相談や苦情処理等の対応につきましては、現在,相談受付簿で菅理しておりますが,だれでも対応できるマニュアルの作成及び処理状況の把握など,相談体制の整備に努めてまいっます。次に,介護保険説明会の開催につきましては、平成10年度までに57回,2,388人の方に実施しており,今年度についても111回,約4,100人の方に実施して周知を図ってまいりましたが,今後も広報等でのPRや各公民館で説明会の実施など介護保険制度の理解と周知に努めてまいっます。次に,外部審査機関である介護オンブズマンの設置についてでありますが,多数の事業者の参入によりサービスの質の菅理の重要性が問われておりますので.その必要性については認識しているところであります。そのため,現在,国では厚生大臣の諮問機関であるよりよい介護保険に育てる会を設置し,方針を検討しておりますが,平成12年度にモデル事業を実施する方向でありますので,その推移を見きわめながら,本市の実情に応じた制度の設置について検討してまいります。次に.下水道行政についてお答えいたします。那珂久慈流域下水道への参入につきましては,3月2日に橋本昌県知事が記著会見を行い,現在見直しを行っております那珂川・久慈川流域別下水道整備総合計画の中で,関係市町村の計画人口の滅少、工業出荷額の伸びの修正等により汚水量が減少することが判明し,水戸市が参入しても現在の那珂久慈浄化センターの1日当たり計画処理水量28万立方メートルの範囲内という結果であることから,水戸市参入に向けた幹線並びに処理場の平成13年度工事着工に向け,本年6月,国へ予算要望していくことを表明したところであり,水戸市の参入を受け入れていただいたものと認識しております。今後,事業着手に向けた那珂久慈流域下水道整備推進協議会での協議が早急に調うよう努カし,平成12年度中に都市計画決定などの法手続を済ませ,平成13年度には工事に看手し,市民の福祉向上に寄与してまいりた11iいと考えております。また,参入に伴う費用につきましては,現在,水戸市参入に伴う幹線ルートや中継ポンプ場の位置などについて検討が進められている段階であることから,事業費の算出までには至っていない状況でありますが,そのうち,那珂久慈浄化センター建設に係る経費については,計画汚水量に応じた負担を今後の増設等の工事の中で負担してまいる考えを基本として,現在協議しているところでありますので.御理解を賜りますようお願いいたします。次に,常澄地区の下水道事業についてお答えいたします。常澄地区は.那珂久慈流域下水道関連公共下水道事業として整備を進めており,平成12年度は東前第二及び第四土地区画整理事業にあわせて枝線の整備を進めてまいります。なお,これまでに処理場及び幹線管渠の那珂久慈流域下水道建設負担金として,旧常澄村時代を含め約3億7,000万円,当該地区内の公共下水道幹線及び枝線の整備に約33億円を投資してまいりました。その建設財源として昭和63年度から平成10年度末までに約18億7,300万円の市債の借り入れを行っております。また,平成8年の供用開始から約4,300万円の維持管理負担金を支払ってきております。
今後も計画的に整備を進めてまいりますが,下本道事業はその性格上,多額の先行投資を必要としますので,さらに経営の効率化を図りながら投資効果が得られるように努めてまいります。以上です。
○議長 (高橋丈夫君)市民環境部長,遠西松美君。
〔市民環境部長遠西松美君登壇〕
○市民環境部長(遠西松美君)野村議員の代表質問のうち,企画総務行政の身分証明に関する事務についてお答えいたします。禁治産者,準禁治産者及び破産者名簿.いわゆる身分証明に関する台帳により作成される身分証明書は,地方自治法第2条第3項第16号で,市町村長の行うべき行政事務の一つとして定められているところであります。交付に当たっては,一身専属権的な証明書であることから,本人の請求に係るもの,本人の承諾書を添付した場合のほかは交付すべきでないとされております。今回の民法の一部改正により,水戸市印鑑条例については,禁治産者を成年被後見人に改める等の改正を行うこととしておりますが,身分証明に関する台帳の整備につきましては,国の訓令等に基づき行っていることから,身分証明書の交付についても今後,国等からの指導を受け,行ってまいります。なお,身分証明に関する台帳の整備と保管についての事務管理に関する規約等の制定につきましては,国等の指導を踏まえ,今後の検討課題とさせていただきます。以上です。
再質問
○議長(高橋丈夫君)6番.野村眞実君。〔6番野村眞実君登壇〕
06番(野村貝実君)ただいま,市長を初め,担当部長から御答弁をいただきました。大変真摯な姿勢で御答弁いただいたと思いますが,下水道の問題について1点だけ疑問点がありましたので,再度の質間をさせていただきます。公共下水道の問題につきまして,水戸市が独自の長年の課題として(旧)東部浄化センター建設を進めてきて,それをあきらめると言いますか、大きく政策変更して那珂久慈流域下水道へ参入しようとする政治的判断というのは,本当に極めて難しい高度な判断だったのではなかろうがと。しかしながら,那珂久慈流域下水道の側から見ても,水戸市の側から見ても,お互いに良縁になり得ると考える一人でございます。そういう意味で一歩前進したわけでございます。しかしながら,良縁であったか否かというのは,縁談はまとまったにしてもそのお互いの関係がフェアな関係でここが結ばれて初めて良縁ということになるわけですから,そういう意味では駆け引きのないフェアな取り引きを成立させなければならないのではなかろうかということを強く感じております。と申しますのも,過去の委員会一一一水戸市公共下水道早期普及整備方針等対策調査特別委員会ということで,大変長い期間にわたって資料もこれだけの資料を一一これでも足りないぐらいのたくさんの資料と時間を費やして下水道問題を水戸市では議会がずっと論議を重ねてまいりまして,その間に提出された資料を改めてずっと分析をしてみますと,その都度出ている資料のデータに同じ内容のものが提出されていてもかなり違いが生じていたりと,非常にわからない部分が多いわけです。そういう中で今,御答弁をうかがいましたら,今後の発生し得る工事の額を案分と言うんですか流量案分で.その分については負担していくような考え方が提示されたわけでありまして,そういう意味ではまだまだ見えない部分がたくさんあります。駆け引きのないフェアな取り引きと申し上げましたのは,あくまで那珂久慈流域下水道と水戸市との問題だけを申し上げたのではなくて,これはまさに市民に対してもそうでありますし,議会に対してもそういう駆け引きがない中で,後顧の憂いなきような決断を下したという事由ができるような形で.この政策は決めていかなけれぱならないのではなかろうかということを思っております。その中で今後の対応について.いつ,どのような形で市民や議会に対して具体的に進めていくのかという点についてお伺いしたのですが,答弁にはそこまでについて触れられていなかったものですから,改めて.議会でいけぱ都市建設委員会.そしてどういう形を経るつもりなのか,あるいは市民に対して説明をしていくような用意があるのか、その点についても含めまして,那珂久慈流域下水道参入の際の条件については市長も先ほど申されておりましたけれども,投資と効果を踏まえ、やはり市民の立場で後顧の憂いなきよう慎重に対応していただくよう強く申し上げまして,今後の対応についてだけ1点お聞かぜいただきたいと思います。あえて再質問させていただきましたのは、これで那珂久慈流域下水道参入に決まったら万々歳で,その際,肝心なことは投資と効果であり、市民負担につながる下水道使用料がどうなるかであって、そういうことをきちんと詰めていかないで,そのままどんどん進んでいきそうなことをちょっと懸念したものですから申し上げるわけで、そういう点で今後の対応についてのみ、再度御答弁いただければ幸いです。
○議長(高橋丈夫君)市長.岡田広君。
〔市長岡田広君登壇〕
○市長(岡田広君)下水道問題は,水戸市の最重要課題であります。今回.議員の御指摘のように,那珂久慈流域下水道参入へ変更するというような大変な総合的な判断で決断をしたわけでありますが,今後の問題につきましては,先ほど御答弁申し上げましたように,那珂久慈流域下水道整備推進協議会一一これはひたちなか市の清水見市長が会長でありますが,この那珂久慈流域下水道整備推進協議会で了承をまずもらうと。了承をもらえるように私ども努力して,その後都市計画決定の法手続を済ませるということで,そういう時期にこの費用の問題とか何かにつきましても,また議会あるいは市民の皆さんにもお知らせをしていきたいということで,予定としてはそういうことで今後対応していきたいということで考えております。