平成21年3月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
前文
野村まこと(眞実) 本年は水戸市制施行120周年,水戸藩開藩400年という,本来ならおめでたい年であり,我々議員にとりましても,市長にとりましても,4年任期の折り返しという節目の年でありますが,100年に一度と言われる経済危機に見舞われ,これまで社会貢献してきた身近な地元企業が相次いで倒れ,本格的に地方が危機的状況に陥るのはこれからと予測をされている昨今だけに,改めて責任の重さを自覚しているところであり,残された任期をみずからが市長になったつもりで全うしていかなければと−−同志である村田正勝前議員が傍聴のもとでございます−−使命を新たにしているところでございます。副市長,三役,各部長におかれましても,この機会に御自分の残り任期を改めて見つめ,言いわけ上手になることなく,市民のために職務を全うすることができますよう,心より祈念をいたします。
質問
野村まこと(眞実) ◆17番(野村眞実君) 私は葵政友会の野村眞実でございます。平成21年第1回水戸市議会定例会において,ただいまから一般質問を行います。答弁に当たりまして,関係部長におかれましては,みずからが市長になったつもりで責任ある答弁をくださいますようお願いをいたします。 ◆最初は,水戸市建設工事入札等監視委員会条例についての通告であります。入札制度については,公平,公正,透明性の確保,競争の原理の観点で制度改革を重ね改善されてきたことは評価しておりますが,依然として談合情報が後を絶たないという実情の中で,かねてより繰り返し申し上げ,提案をしてきた一つである第三者による監視委員会がいよいよ設置されることになりましたのは,歓迎するところであります。
◆次に,会議でありますが,説明と予算によれば,定例で前期,後期の2回しか予定していないとのことでありますが,わずか2回で目的が達成できると考えているのか,会の内容と見解をお伺いいたします。
また,対象となるのは設計金額が130万円を超える建築工事とありますが,工事の予定価格に換算すると概算でどのぐらいを想定しているのか。予定価格で定めなかった理由にあわせて,見解をお伺いいたします。
第2条の所掌事項では市長の諮問に応じとあり,市長が諮問しなければ審議できないようになっているわけですが,我々水戸市議会が全会一致で議員提案により設置した政治倫理条例での市民100名の署名によって開催できる政治倫理審査会のように,市民が直接請求をできるように本来はすべきでありますが,残念なことにこの条文はありません。そこで,別に定める規則の中で運用すべきと考えるわけですが,見解をお伺いいたします。
◆また,悪質と思われる事案については,公表や告発を行うよう定めるべきと考えますが,これについても見解をお伺いいたします。
答弁
◎財務部長(小野輝男君) 野村議員の一般質問のうち,水戸市建設工事入札等監視委員会条例についてお答えいたします。入札等監視委員会の委員の委嘱する時期につきましては,条例施行後早々に委員の選任委嘱を行ってまいりたいと考えております。
次に,会議の開催につきましては,茨城県など先進地事例を参考に定例会議を年度の前期契約分と後期契約分について各1回の開催を予定したものでございますが,その他必要に応じ,臨時の会議を開催するものであります。
次に,定例会議の対象となる建設工事等でございますが,原則,契約課が取り扱う設計金額が130万円を超える建設工事及び設計金額が50万円を超える測量コンサルタント業務などが審議の対象予定とされております。なお,設計金額を採用した理由につきましては,予算執行の基礎となることから基準としたものであります。
次に,市民が直接請求できるよう規則等で定めて運用すべきではとの御意見でございますが,委員会は市長の附属機関としての位置づけでありますので,御理解を賜りたいと存じます。
次に,悪質と思われる事案につきましては公表や告発を行うよう定めるべきとの御意見でございますが,委員会は,入札及び契約事務の執行についての答申を行うものでありまして,その後の入札及び契約事務の執行において適切に反映させてまいりたいと考えております。
なお,委員会の内容につきましては,原則公開,そして公表することとなっておりますので,御理解を賜りたいと思います。
質問
野村まこと(眞実)◆次は,総合的なごみ処理設備の整備についてであります。新清掃工場,リサイクルプラザ,第三最終処分場が整備予定になり,予定地である下入 野地区の住民の方々にも理解を得られているとのことで,ありがたいことと感謝の気持ちで歓迎するところであります。しかしながら,一方では,現在の清掃工場のある小吹町の住民の方々との信頼関係を損なったという,過去の数々の問題が頭をよぎるのであります。今後の事業推進に当たっては,それらの反省を踏まえ,受け入れていただく下入野地区の方々の身になり,豊かな自然環境を守る責務が市側にあることを肝に銘じなければならないと強く考えるところであります。
そんなことを思いつつ,確実に計画を推進していくという立場で,次の6点についてお伺いをいたします。
1点目は,対策調査の結果の概要についてであります。
2点目は,それぞれの整備施設の概要。
3点目は,基本計画設計の策定に取りかかるに当たっての基本構想ができ上がったのか,進捗とその概要。
4点目は,設置された処理方式選定委員会の論議の進捗をそれぞれお伺いいたします。
また,下入野地区を選定するに当たり,アクセスのための道路整備は早期の対応が必要との認識を示しておりましたが,その取り組み状況について。また,大場小学校の通学路となっていて,かねてより要望の出されております県道内原塩崎線の拡幅や歩道整備を先行して整備すべきであり,完成に向けて現在工事が進行しつつある住宅団地の常磐の杜水戸南ニュータウンの影響も踏まえれば,この機会に県に対して強く整備を求めるべきと考えますが,進捗状況と見解をお伺いいたします。
答弁
◎市民環境部長(戸村洋二郎君) 野村議員の御質問のうち,総合的なごみ処理施設等の整備についてお答えいたします。 なお,河和田町地内の第二清掃工場構想につきましては,新清掃工場に係る都市計画決定手続の中で,あわせて整理してまいります。質問
野村まこと(眞実) ◆次は,下水道行政についてであります。平成22年度に市街化区域の4,500ヘクタールの整備化に向けためどが立ちつつあり,工事がメジロ押しの水戸市の下水道でありますが,普及率の見込みについても賄い率についてもその答弁はその都度数字がまちまちで,どれが正しいのか,不明瞭と指摘せざるを得ない状況なのです。
質問は,市街化区域内の目標達成時点での健全経営の確証について,試算がどのようにされているのかという観点での質問であります。
◆また,その時点での下水道使用料,水戸市直営の処理場への接続人口,整備人口と処理コストは。那珂久慈流域下水道への接続人口−−接続人口と言えばいいのか,整備人口と申し上げればいいのか,処理コスト,一般会計からの繰入額は,また起債残高は,以上の5点について,それぞれ見込みをお伺いいたします。 ◆市街化調整区域への事業認可区域の拡大を行うとして発表されましたが,わずか2年で342ヘクタールも少なくなっている理由をお伺いいたします。 ◆また,拡大する区域の参入予定人口は。総投資額,また,下水道使用料,賄い率について,それぞれお伺いをいたします。 ◆さらには,平成19年の質問の際に,今後の認可拡大に当たっては,合併浄化槽との経済比較を行い,下水道が有利と判断された地区の中で,より少ない費用で投資効果が期待できる地域を認可対象区域としていきたいと部長が答弁しており,当然,今回はそのことを踏まえた区域選定が行われた結果と解釈しているのでありますが,健全経営の影響について,具体的にはどのように試算されたのかをお伺いいたします。 ◆次は,受益者負担金制度についてでありますが,下水道の整備により,下水道が整備される区域内の土地の便益性が高まり,利用価値が高まるという,市民全体が等しく受けるものではない受益に対して,区域内の土地所有者に負担してもらうものとのことですが,1点目,現計画区域の受益者負担金の総額,2点目,拡大予定区域の受益者負担金の額,3点目,拡大区域内の最終収入の総額の予測をお伺いいたします。 ◆使用料金の改定についてでありますが,考え方,手続,拡大区域内の料金については,都市計画税相当額くらいは当然加算して算定すべきと考えるのでありますが,幾らと見込んでおられるのか,お伺いいたします。
今回の認可区域の拡大については,そもそも那珂久慈流域水戸幹線への参入決定時の都市計画決定の際に,1万7,590ヘクタールのうちの8,200ヘクタールもの区域を公共下水道により処理するとした,時代錯誤も甚だしい計画そのものに問題があるわけで,それを見直さずして,今回は認可外の中の3,500ヘクタールのうちの2,703ヘクタールは後に回して,既存集落など連檐性の存在を基本として,780ヘクタール以下で,投資コストも83億円に抑えたという説明をもちたいのだと思いますが,コストの算定根拠や負担の公平性の観点はもちろんのこと,処理の手法等,方針すらも未決定であるという条件にありながら,とりあえず拡大申請だけは間に合わせたいという縦割り行政の問題が見え隠れしているのであります。そんなことからも,今後速やかに残り2,703ヘクタールを計画区域から外し,公共下水道以外の手法での処理計画での手法も含めた処理計画を確立すべきと強く申し上げております。
下水道については,答弁をいただいた上で,掘り下げた再度の質問をしたいところでありますが,時間に限りがございますので,この程度といたしまして,6月に続きの質問を行うことを予告して,終わりたいと思います。
答弁
◎下水道部長(倉田喜久男君) 野村議員の一般質問のうち,下水道行政についてお答
えいたします。
下水道整備につきましては,平成20年度末の市街化区域内整備完了を目標に,こ
平成21年度末の整備状況につきましては,整備人口及び接続人口はそれぞれ19万7,000人と14万6,000人,直近の行政人口に基づく普及率は約74%,賄い率は約39%と見込んでおります。また,下水道使用料は約25億2,700万円,前年度予算比16.2%の増,一般会計繰入金は約51億9,700万円で前年度予算比3.0%の減,起債残高は約987億3,900万円を見込んでおり,汚水処理に要するコストにつきましては,全体で1立米当たり約370円と試算されます。
次に,事業認可区域の拡大につきましては,第5次総合計画を基本に財政状況などを勘案し,平成26年度末までに約780ヘクタールを予定しており,拡大区域の整備人口は約9,000人,事業費は約83億円を見込んでおります。また,最終年度の平成26年度は,水戸地区の使用料改定計画では,下水道使用料は約40億5,000万円,賄い率は約54%と試算しております。
次に,受益者負担金につきましては,平成14年に認可面積を拡大した区域について,本年度に設定した水戸第3負担区では,末端管渠整備費に負担割合を乗じて得た負担金相当額を約33億5,000万円と算出しておりますが,これは道路,農地,山林等を含めた算出額であります。また,拡大区域については,現時点では不確定要素が多いため試算しておりません。
次に,使用料の改定についてでございますが,これまで3回にわたり料金改定を行ってまいりましたが,多額の一般会計繰入金に依存している経営状況の改善を図るため,今後も,平成27年度の賄い率目標65%の達成に向けて,使用料審議会の答申も踏まえ,議会にお諮りしながら3年ごとに見直しを行ってまいります。
なお,拡大区域の下水道使用料への都市計画税相当額の加算につきましては,下水道使用料は,汚水処理に要する経費の財源として徴収するものであることから,上乗せを行うことは適当ではないと考えております。しかしながら,市街化調整区域における都市計画税等について,公平かつ適正な負担をいただくことは重要であると認識しており,負担の不公平が生じないよう,固定資産税の評価について下水道など整備状況を評価要因として適切に反映をするとともに,都市計画税を初め,受益者負担の公平化,適正化に向けたさまざまな手法について,課題を含め,今後さらに検討してまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実) ◆次は,千波湖浄化の促進についての質問であります。(仮称)新好文茶屋の建設がいよいよ始まるわけでありますが,親水性を基本としての位置づけであればこそ,目前の千波湖の水質の向上がますます求められてくるわけであります。
一昨日の川崎議員の質問,あるいは高橋丈夫議員の詳細な質問に対しての答弁の中から,含むところでは,七色の噴水の可能性が見え隠れをしたのでありますけれども,その(仮称)新好文茶屋のところに噴水をつくったとしても,今の水質,アオコ,こういうものをしっかりとまず除去しないことには,噴水そのものがアオコを振りまくようなことになっては全く意味をなさないと思います。ですから,噴水は本当にいいことだと思いますけれども,ぜひ水質をしっかりとした上で,かつ,市民会館と市役所の間の噴水のように,残念ながら老朽化して朽ち果ててしまうこともありますから,そういうことにならないようないいものをしっかりと,常時噴水を出すのではなくて,十分な検討をした上で進めてもらえたらと思います。いずれにしても,親水性ということを考えれば,水質の向上が特に強く求められているところであるわけです。
霞ヶ浦導水を利用した桜機場から毎秒3トンの導水で,だれもが実現できなかった千波湖の浄化を実現するとのことでありましたけれども,今般の本訴に踏み切られたという点,あるいはその組合のほうも条件闘争はしないというような強硬な姿勢に出ておられるこの現状を踏まえたときに,どのようにこの点は考えておられるのかをお伺いいたします。 ◆これまでも繰り返し提案をいたしまして,前向きな答弁を得ていながら,遅々として進まない大ハスや水草等の植物の復活による水質浄化促進策の進捗はどのようになっているのか。これをおやりにならないのであれば,その理由をお尋ねいたします。
◆水質が改善されないと言いながら,渡里用水からの導水が年々減少の傾向にあることは理解に苦しむわけであります。1989年,佐川市政の2期目のときには1,354万8,317トンという年間水量を導水しておりました。近年では2006年に659万3,668トンと,ここでももう2分の1しか導水をしていないんです。それがその後も下がっているというふうにうかがっているわけでありまして,さらなる渡里用水の活用を積極的に推進すべきと考えますが,直近3年間の実績にあわせて,見解をお伺いいたします。 5点目は,千波台地からの地下水を増加させることも水質改善の有効打の一つとこれまでも申し上げてまいりましたが,個人に限らず,企業からの協力を得られるよう,例えば駐車場を浸透性の舗装にしたり,浸透槽を設置すれば一定の補助を行うなど,新たな補助制度を創設するか,または,このたびやっと具現化された家庭内の雨水浸透槽への補助制度の対象者を千波台地の居住者を優先するなどして運用することにより,地下水源を復活させるべきではないかと考えますが,見解をお伺いいたします。
答弁
◎市長公室長(田尻充君) 野村議員の一般質問のうち,霞ヶ浦導水事業に関する御質問にお答えいたします。霞ヶ浦導水事業につきましては,桜機場より,那珂川の水を桜川へ最大毎秒3立方メートル通水し,桜川の水質浄化を図ることなどが事業計画に位置づけられております。
この事業計画に基づきまして,国土交通省霞ヶ浦導水工事事務所では,現地での実物大施設による取水実験を行うため,平成19年度より那珂樋管の建設工事を進めてまいりましたが,過日,茨城県及び栃木県の漁業関係者の方々から,事業の差しとめを求める裁判が提訴されたところでありまして,この裁判の行方を注視してまいりたいと考えております。
本市といたしましては,那珂樋管の早期完成を期待しておりますが,国におきまして,引き続き,関係者の方々の御理解を得られるよう,十分に議論していただくとともに,関係者の方々の御心配や御不安を払拭した上で,事業の推進に努めていただきたいと考えております。
千波湖の水質浄化につきましては,有効な手法の一つと考えております霞ヶ浦導水事業に加えまして,桜川清流ルネッサンスU事業を初め,さまざまな手法を活用しながら実現を目指してまいりたいと考えております。 ◎都市計画部長(阿部寿志君) 野村議員の一般質問のうち,千波湖浄化促進についてのうち,水草等の水性植物の設置の進捗についてお答えいたします。
千波公園の湖岸整備におきましては,湖岸保護のため詰杭等による整備を行っております。アシ等の水性植物が自生していた箇所につきましては,浅瀬をつくり,アシを再生しているところでございます。
また,千波湖岸における親水空間整備においても,水性植物等の導入を検討しているところでございます。 ◎建設部長(鈴木洋君) 野村議員の一般質問のうち,千波湖の浄化についてお答えいたします。
公共下水道を活用して暫定的に対応することについてでございますが,アオコの特性は,水中の植物プランクトンが増殖し浮遊しているものでございます。各種施策により浄化に努めているところでございますが,現在もアオコの発生が見られ,時間帯により湖面の西側や東側に移動して浮遊している状況にあります。
アオコの処理につきましては,霞ヶ浦において船を使って浮遊したアオコの処理を行っている例はございますが,議員御提案のアオコを吸い取り公共下水道管を利用して流すことにつきましては,公共下水道は生活排水や事業所排水を対象として公衆衛生の向上と公共用水域の水質保全を目的としておりますので,御理解をいただきたいと存じます。
次に,渡里用水の活用につきましては,那珂川から桜川へ渡里用水を利用して導水を行っており,県が渡里台地土地改良区に委託しているものでございます。委託費及び導水量につきましては,平成17年度2,820万円,560万立法メートル,平成18年度2,707万6,000円,659万立法メートル,平成19年度2,374万8,000円,489万立法メートルとなっております。
◎市民環境部長(戸村洋二郎君) 千波台地の地下水を増加させるための補助制度についてお答えいたします。
地球温暖化の進行に伴う地表温度の上昇を抑制するとともに,地下水の涵養を図るためには,雨水の地下浸透ますの普及が重要であると認識をしており,本市におきましては,水戸市雨水共生にかかる取組方針に基づき,平成21年度から雨水貯留施設等の設置に対して補助制度を創設してまいりたいと考えておりますが,その普及に当たりましては市民の皆様の理解と協力が不可欠でございます。
したがいまして,補助制度の初年度におきましては,良好な水環境形成のためには,雨水の利用や地下浸透の意義が大きいことを十分にPRし,市民意識の醸成を図って普及に努めてまいりますが,地域による補助の優先性等につきましては,今後補助の実績を見守って対処してまいりたいと考えてございます
質問
野村まこと(眞実)6点目は,中心市街地の活性化の推進についての質問であります。 ◆泉町北地区再開発事業は,街区道路を挟んだ一部エリアを拡大し,全体計画の見直しを行っているとのことですが,100年委員会が提言していた京成百貨店の前の大通りから水戸芸術館が見通せて,南地区との一体化を図るはずの当初の計画が無残にも変更されようとしているとの話も聞こえてくるありさまです。理解に苦しむところであります。◆中断していた大工町の再開発が再開の兆しが見えたことは,これまで職員を派遣しながら指導してきた水戸市の責任からも歓迎するところであります。しかしながら,計画変更を終えて工事の着工を行うまで,さらに時間がかかるのであれば,敷地の一部を広場として暫定活用するか,または,工事用の塀の壁面を小中学生のキャンバスとして利用して,市制施行120周年,水戸藩開藩400年などのテーマによる壁画コンクールを行うなど,明るいイメージにつながる方策も検討すべきと考えるわけですが,市としてどのように対処するつもりなのかにあわせて見解をお伺いいたします。 ◆空き店舗の活用策については,固定資産税の減免を条件に市が借り上げ,公的な活用を図るべきとこれまでも申し上げてまいりましたが,積極的に行動せずしては何も生み出さないわけで,リヴィンの例でもこれまで水戸市民を対象に商いをしてきた責任からの活用策を求めても,お家事情を見れば対立以外は生まれないように感ずるのであります。むしろこちらから活用策を提案しながら,相談を持ちかけるといった手法が必要と考えるのであります。空き店舗については,市が主体的な立場でギャラリーや集会所,NPOの事務局,楽団の練習場等に活用し,まちのにぎわいに少しでも貢献できるよう積極的に取り組むべきと考えますが,見解をお伺いいたします。 ◆旧県庁舎の三の丸庁舎の活用策について通告をいたしました。過日,2月24日に,福島議員を代表,玉造議員を副代表として,超党派の20名の議員有志により定期的に会を重ねている水戸市議会政策研究会の学習会を開催いたしました。橋本昌知事が講師の予定であったため,研究会として知事あての要望を手渡すことになり,会としてのそれまでの共通政策を9項目に絞り込んだわけですが,その中にも,中心市街地に関する要望として,旧県庁舎の利活用のために,管轄を水戸市へ移管すること,中心市街地の活性化策として水戸駅から大工町交差点までの50号国道について,県道への移管に積極的に取り組むこと,時間帯による駐車を許可すること,県都にふさわしい現県立図書館のさらなる整備拡充を行うことの3点が20名の総意として盛り込まれ,知事に手渡され,知事も一定の賛意をあらわしたのでありました。
旧県庁舎の三の丸庁舎の活用策については,今定例会でも最大会派の創政弘道会の松本議員の代表質問を初めとし,同会の渡辺議員,民主・社民フォーラムの小室議員がこの問題をそれぞれ取り上げ,水戸市が庁舎の一部として活用すべきという点で一致した見解が示され,改めて意を強くしたところであります。
中心市街地の商店街の有志を中心に,最近発足されました明日の水戸をつくる会の五條代表幹事の働きかけもあり,今回,3月2日の,県議会の有力議員であり,青年会議所の先輩でもある鶴岡先生の代表質問に対し,県知事の水戸により検討が進められるべきで,意向を尊重すべきとの前向きな答弁を得られたわけです。また,地元の渡辺議員の動きや水戸市議会政策研究会の要望に対しても,非公式ながら,4階部分の雨漏りの修繕を初めとした改修の費用を水戸市が負担することを条件に,前向きな姿勢を示していただいたことを踏まえれば,水戸市民の願いでもある,将来,市役所庁舎の建てかえの第一候補地にすることを視野に入れながら,まずは一刻も早くみと好文カレッジを初めとした教育委員会等を移転し,暫定利用が図れるよう,市として積極的に取り組むよう重ねて提案をいたしまして,見解をお伺いいたします。 ◆最後は,地区計画の設定の考え方についての質問であります。
市内には,現時点で18の地区において既存の地区計画が都市計画決定を経て存在しており ますが,ほとんどの場合が都市計画の観点での設置の必要性から,市がみずから申請しているわけで,過去に私もかかわり,住民発議で行った見和3丁目西区であったり,地区の住民の会の要望により設定した,昨年の石川2丁目のジャスコ水戸店の跡地のような例外的なケース,2例ほどありましたが,今回の米沢地区地区計画も都市計画決定されたことにより条例化をされるとのことで,そういう意味では常磐の杜水戸南ニュータウンや水戸ニュータウンという他の2件とは違いを感じ,質問に至ったわけなのであります。
都市計画されるに至った経緯,用途以外に建築物の高さや容積等の制限はなされないのか。今回の計画により,計画区域はどのような土地利用を想定されているのかの点について確認をさせていただきたいと思います。
私は,かねてから,良好な市街地の形成に向け,計画性を持って市が主体的に地区計画を定めるべきと申し上げてきたのでありましたが,メガモール建設予定地の跡地のエリアに指定された区域や,新たに下水道の事業認可を行う市街化調整区域でありながら,開発を可能とした区域こそ地区計画を設定し,都市計画上の観点で開発日程の制限や誘導をすべきと考えるのでありますが,それらの地区についての見解もお伺いをいたします。
以上で,一般質問を終わりますが,簡潔明瞭な答弁をよろしくお願いをいたします。
ありがとうございました
答弁
◎市長公室長(田尻充君) 野村議員の一般質問のうち次に,旧県庁舎,県庁跡地の有効活用策についての御質問にお答えいたします。県庁跡地につきましては,これまで行政機能の中核を果たしてきた役割やその歴史的シンボル性からも大変重要なものであると認識しており,平成11年の県庁舎移転後,三の丸庁舎としての暫定活用が開始された以降も,三の丸庁舎につきましては,中心市街地の活性化に重要な役割を果たすとの認識のもと,市が活用できるよう要望してきたところでございます。平成18年には,加藤市長みずからが県へ要請し,市民観光ボランティア「歴史アドバイザー水戸」の活動拠点を設置したところでございます。
県におきましては,今月2日,県議会定例会での代表質問に対しまして,水戸市庁舎の移転については,全面移転か一部移転かも含め,まず,水戸市において検討を進められるべきものと考えている旨の見解が示されたところであります。その際,歴史的風致の保全を初め,三の丸庁舎の利用に要する改修工事,風致地区等による建築物の高さ等の規制,周辺道路の混雑といった課題が明らかにされたところでありますので,解決に向け努力してまいりたいと考えております。
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◎都市計画部長(阿部寿志君) 次に,泉町1丁目北地区についての御質問にお答えいたします。
泉町1丁目北地区の再開発区域につきましては,地権者で構成する再開発準備組合が設立された平成15年には,旧京成百貨店とその周辺地区を対象地区としておりましたが,その後,平成19年に隣接する地区の地権者においても事業参加の合意が得られることとなりました。このことにより,これまで以上に魅力ある施設計画が可能となり,再開発準備組合において,事業の具体化に向けた検討を行っているところであります。
それら検討を進める中で,地権者の事業化への機運が高まったことを受け,昨年11月,準備組合の総会が開催され,早急に事業計画案をまとめていくことについて決議されたところであり,現在,事業計画案の作成に取り組んでいるところであります。
一方,再開発の区域設定にあっては,原則,道路などに囲まれた一定のまとまりのある街区を対象にすべきとの御意見でありますが,良好なまちづくりを進める上で,さらには合理的な土地利用,機能的な施設配置等において,重要不可欠な視点と認識しております。
そのような意味で,現在,区域外にある地権者に対しましても,事業参加への呼びかけを開始したところでありますので,引き続き,関係地権者との協議を進めてまいりたいと考えております。
次に,大工町1丁目地区につきましては,昨年7月に工事入札公告を行う予定としておりましたが,ここ1年の社会経済情勢の悪化による影響から,事業採算面において,資金不足を招くところとなりました。
このため,組合では,自助努力による資金調達のほか,さらなる不足分については,外部資本の出資,融資に託し,これら調達のめどが立ち次第,直ちに工事入札公告を実施する方針としてきましたが,過日,すべての申請先から出資,融資は見合わせたいとの最終結論が下されたとのことであります。
したがって,これ以上,外部資本が見込めないため,組合みずからが調達可能な資金の範囲で事業が成立するよう,また,事業が最短期間で進められるよう,現在の施設計画を踏襲し都市計画の変更に及ばない範囲で見直すこととして意思決定されたところであります。
現在,建築コストの縮減や採算計画などの検討を行っているところでありますが,4月末までには施設計画の見直し方針を固めた後,速やかに設計変更業務を委託発注する予定としております。その成果に基づきまして,再構築案をまとめた上で,その後の具体的なスケジュールなどを決定していくこととしております。
したがって,市といたしましても,再構築に向けた作業が早急に進められるよう組合とさらなる連携,協調を図るとともに,この事業の完成による事業効果を市民の皆様と一日も早く享受できるよう,円滑な事業進展に向け積極的に支援してまいります。
また,壁面をキャンバスなどに利用することにつきましては,今後検討してまいりたいと考えております。
次に,地区計画設定の考え方についてお答えいたします。
まず初めに,都市計画決定されるに至った経緯でございますが,平成14年の都市計画法の改正時に創設されました都市計画提案制度により,当該地の土地所有者から都市計画についての提案がございました。本市といたしましては,当該地の周辺環境の変化を勘案し,その提案を受け,地元の説明会や都市計画審議会等を経まして都市計画の決定に至ったものです。
次に,建築物の高さや容積率の制限についてですが,地区計画を定める場合,住居系の用途地域におきましては,地区の住環境の保全を図る観点から,建築物の高さの最高限度について制限を加えているところでございますが,当該地は工業系の用途地域であり,既存の施設の規模や事業を続けております工場等の立地環境を今後も保持することから,建築物の高さや容積率について制限を加えるものではございません。
次に,計画区域内の土地利用の想定でございますが,既存の工場の立地に加え,主要幹線道路の利便性を生かした商業・業務系の施設の立地を図り,あわせて地区計画により,周辺環境との調和に配慮したまちづくりを目指しております。
次に,エリア指定の区域や新たに下水道の事業認可を行う区域等こそ地区計画を設定すべきとの御意見でございますが,地区計画は街区単位を基本とし,それぞれの区域の特性にふさわしい土地利用の実現を図るための計画でございますので,広がりをもった区域において一括した制限を加えていくことは難しいと考えております。しかしながら,議員御指摘のように,良好な市街地の形成を図るためには,まちづくりのルールは必要でありますので,面的にまとまりのある開発行為等につきましては,建築協定等が一つの手法として考えられますので,今後どのような手法が効果的で望ましいかについて調査,検討してまいります。 ◎産業経済部長(比佐敬君) 野村議員の一般質問のうち,空き店舗の活用策についてお答えいたします。
本市におきましては,平成16年度から空き店舗総合対策事業を実施し,中心市街地の空き店舗へ出店する新規創業者等に対し,改装費等の支援を行ってきたところであり,現在,20店舗が営業中であります。しかしながら,今なお空き店舗が見受けられる状況であり,大きな課題となっております。
本市といたしましては,こうした状況を十分に踏まえ,新規創業者やNPO法人に加え,商工団体や商店街団体による空き店舗の活用の促進など,空き店舗対策の充実を図るとともに,新たな商業者の育成を目的としたみと黄門元気塾との有機的な連携に努めるなど,中心市街地のにぎわいの創出に向け,引き続き,空き店舗の有効活用を推進してまいりたいと考えております。