平成20年9月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
前文
野村まこと(眞実) ◆同志であります田口米蔵議員の配慮によりまして,52分の残時間をいただきましたので,気を引き締めてしっかりと質問してまいりたいと思います。平成19年度末の国債の残高が922兆円ということで,国民1人当たり769万円という,大変厳しい財政事情であり,先進国の中で最低と言われている,今の日本の国情であります。その国のツケを地方に回してこられて,加藤市長初め,大変苦しみながら数々の施策を打ち出しておるところでありますけれども,国も県も市も,金がない金がないの一点張りで,結果として,1人当たりの可処分所得,使えるお金がどんどん減って,苦しくなっているのが実情であります。そういう中であればこそ,社会保障制度の一翼をなす保健福祉行政,これに対するニーズが日増しに高まってきていることは御承知のとおりであります。国の将来を憂いていても始まりません。東京のほうでは,総理を選ぶ,いわゆる政権政党の総裁を選ぶ選挙戦に突入しておりますし,そういう中でも,まず憂いているだけではなくて,そういうところにしっかりと注視をしながら,今回は水戸市の施策に関連する部分について,しっかりと執行部の見解を求めてまいりたいと思います。
質問
野村まこと(眞実) ◆17番(野村眞実君) 私は葵政友会の野村眞実でございます。平成20年第3回定例会におきまして,ただいまから一般質問を行います。最初の質問は,保健医療行政と救急医療体制の強化策についてという通告をさせていただきました。
後期高齢者医療制度の導入など,国の制度改正に伴って,受診券が複雑送付となった特定健診等を初めとする諸手続の煩雑さは,まさに受診する市民の側と医療機関側,双方に負担を強いているのが現状であります。
そこで,例えば受診券を一緒に同封して送付したり,医療機関から水戸市への請求を一元化したり,市民にわかりやすい説明を加えたりと,早急な解決策が必要であると考えるわけでありますが,見解と対応策をお伺いいたします。
特にこの特定健診の問題につきましては,いろいろありまして,わかりづらくなったということがまず言えるんですね。受診券が今まで1つで行っていたものが,かなりばらばらに送付されているという状況で,ちなみにそれぞれこういう形で全部分かれて送られてきて,それぞれの封を切らないとならない。また,この状況の中で,例えば老人保健法では,成人病検診の中で,肺がん,レントゲンということで検診票が銘打ってあったものが,今年からの特定健診では,肺のレントゲンは結核検診という表記に変わっていたり,今まで肺がんだと思って検査していたのが,結核検診と言えば,関係ないと思う人も出てしまったり,また,例えばその肺がん検診とその他のがん,そして特定健診を受けるとすると受診券が3枚必要になるということで,市民はこういうことについてほとんどわかってない状況であります。
そういう中で,国において,保健・医療・福祉の制度が複雑多岐にわたってくる中で,健康カレンダーが−−非常に財政には貢献しましたけれども−−市民便利帳の中に含まれるようになったわけですね。市民便利帳の中に含まれて,特に例えば何か色別で変えて,健康カレンダーがわかるようにできていればわかりやすかったんでしょうけれども,市では,そういう点では数々の広報活動を通じて変わったことを知らしめてはおります。「広報みと」であったり,あらゆるところにそのことを表示してわかるように努力はしましたけれども,現実問題,実際に高齢の方にとっては,ほとんどそれが理解されてないのが実情のようです。そういう中で,まさにこういうときこそ何らかの手を打って,きちっと整理をしていかなくちゃならないんじゃないかと考えるところでありますが,このような現状を踏まえて,専門的知識を持った相談機能が必要とされておりまして,行政の責任において,介護110番なるものを含む,総合相談窓口の設置こそが必要な時期に来ていると考えるのであります。
例えば,現在の市民相談室の機能に,以前,介護保険課で使っていた9110番の番号の専用電話を設置して対応したり,あるいは専門職のいる地域包括支援センターに併設する形で−−これも人をきちっと配置しなくちゃならないと思いますけれども−−新たな電話による相談窓口を設置するなど,市独自の,この混乱を乗り切るための何らかの積極的な追加施策が必要と考えるのでありますが,見解をお伺いいたします。
答弁
◎保健福祉部長(清水孝子君) 野村議員の一般質問のうち,初めに保健医療行政と救急医療体制の強化策についてお答えいたします。まず,国の制度改正に伴う諸手続の煩雑さの解消策についてでございますが,国の医療制度改革における法改正に伴い,特定健診,保健指導の実施が各医療保険者に義務づけられたことから,健診の実施方法や健診項目,通知方法等については,医療保険者ごとに決定されることとなり,統一的に行うことが困難な状況でございます。
また,本市が医療保険者である国民健康保険においても,国民健康保険中央会が開発した独自の特定健診等データ管理システムにより,受診券の発券や請求管理等の事務処理が行われていることから,健康増進法に基づき,保健センターが実施する各種検診等との統合は難しい状況でございます。
このような健診制度の大幅な変更に伴い,本市におきましては,制度の仕組みや受診券の取り扱いについて,パンフレットや「広報みと」等により周知に努めるとともに,集団検診会場や電話での説明など,機会をとらえ対応に努めてまいりました。
今後とも,制度の円滑な実施と定着に向けて努めてまいりたいと考えておりますので,御理解いただきますようお願いいたします。 ◎次に,介護110番等を含む総合相談窓口の設置についてお答えいたします。
これまで,本市においては,地域包括支援センターを初め,地域窓口センター,障害者生活支援センターなどにおいて各種相談業務を実施し,市民からの相談に対応しているところでございますが,どの窓口を利用してよいかわからない方や援助を必要とする方が,市役所に足を運ぶことなく相談することができる,議員御提案の保健・医療・福祉に関する電話総合相談窓口の設置につきましては,各種制度に精通し,多様な相談に対応できる専門的知識を有する人材の確保など課題もあることから,御指摘を踏まえ検討してまいりたいと考えおります。
質問
野村まこと(眞実)◆ 次は,休日診療所,救急医療の問題についてであります。昼夜を問わず,24時間体制で必死に取り組んでいる水戸市消防本部の救急隊の活躍は評
価するものの,受け入れ先である医療機関を確定するまでに要する時間がかなりかかり過ぎることにより,いわばたらい回しのように思われてしまう事由が日常化していることを初めとした幾つかの問題があり,依然として救急医療体制のさらなる推進が叫ばれているところであります。
水戸市のこれまでの救急医療体制の経緯と,水戸市休日夜間緊急診療所における契約形態及び二次病院の報償費の金額について,また,本年度に県から事務局機能が移管された水戸地域救急医療二次病院への運営補助と構成11市町村の負担金の算定方法についても,どのようになっているのか,それぞれお尋ねをするところであります。
救急医療に関連する市民からの苦情もかなりの件数を把握しているようですが,それらを含めた実情をどのように把握されているのか,お伺いいたします。
休日夜間診療所の当番となった二次救急病院には−−最初に質問したものの答弁をいただけば,多分明らかになると思いますけれども−−1日単位の補助金が交付されているわけであります。これは1問1答制なら,その都度聞けるんですが,まとめて質問しているもんですから,答弁を想定して質問させていただきたいと思います。その担当病院での受け入れ拒否の件数も私の調査で結構あるというふうにうかがっております。
つまり,水戸市の休日夜間緊急診療所は一次救急を扱います。そこで手に負えないものについては,二次救急病院に紹介をして搬送することになっているんですね。紹介される先は水戸市との契約関係になっていて,当番を引き受ければ1日幾らと,1件受けても同じ金額であり,10件受けても同じ金額というルールで契約がなされているというふうに調べた結果,なっておりました。
そういう状況のところにもかかわらず,実際には受け入れが拒否をされているというのが実情で,例えば,特にひどいのが外科でありまして,二次救急病院の医療センター−−これ水府病院とか日赤,済生会が第一日曜ですか,第二から第四または第五は国立医療センターになっています。この数年前から,休日診療所から国立医療センターへ二次を依頼しても,なかなか思うように受け入れができない状況で,断られているというようなことも実際に把握をしております。それに比べると,県立中央病院なんかは,とにかく何でもすべて受けるということで取り組んでいるようでありますので,受け入れ先の医療機関を見直すことも,後に申し上げますけれども,必要なのかなと考えております。
◆次に,救急医療,二次救急病院運営事業における構成市町村の負担金の算定方法について でありますけれども,これについては,市外からの救急受け入れによって,市内の救急体制に支障を来しているという水戸市の現状を踏まえれば,この際,人口割から実績割にしてはと考えるところであります。
また,対象となる医療機関は,県の考えで決めた12医療機関,これはどういうルールかわかりませんが,これも,例えば県立中央病院は含まれていないという状況であります。県内一といっても過言でない,今の救急,水戸地区を取り巻く状況を考えたら,救急の有料化を導入するというような案も一つありますけれども,こういう状況の中では,まず同一医療圏内の市町村との連携のもとで,財源の確保が重要でありまして,これまで申し上げた策に加えて,休日に限らず,救急を受け入れてくれる民間医療機関に対して,新たな補助制度を創設するなど,思い切った見直し策が必要と考えるわけですが,今後の課題に加え,保健福祉部長あるいは消防長のそれぞれ御見解をお尋ねするところであります。
答弁
◎保健福祉部長(清水孝子君) 次に,水戸市のこれまでの救急医療体制の経緯と契約形態等についてお答えいたします。本市では,初期救急医療として水戸市休日夜間緊急診療所を開設し,市民の応急医療を行っております。この契約につきましては,診療業務を行うための委託契約及び対応が困難な重症患者の診療を行うための二次病院に関する協定を水戸市医師会と締結しております。その中で,二次病院として対応するための医師の待機に対し,報償金として,1日当たり内科,小児科各5万円,外科については9万円を支払うこととしております。
また,平成19年度に県から引き継ぎました救急医療二次病院運営補助事業につきましては,二次救急医療として,水戸市を含む11市町村が共同で,その市町村内の12医療機関に対し補助事業を行っております。補助額につきましては,医療機関の病床数,常勤医師数及び夜間入院患者数等に応じて算定しております。
また,それぞれの市町村の負担金につきましては,協定に基づき,構成市町村間の相互扶助と入院や手術を要する患者を扱う二次病院体制の整備という観点から,均等割と人口割により算定しております。
水戸市休日夜間緊急診療所の二次病院あるいは救急医療二次病院との連携等につきましては,それぞれ関係機関や構成市町村と十分協議し,今後とも,よりよい地域医療体制の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◎消防長(小林由紀夫君) 野村議員の一般質問のうち,救急医療体制についてお答えいたします。
初めに,ドクターカーの運用についてでございますが,水戸市におきましては,平成3年1月から,旧国立水戸病院とドクターカー運用に関する契約を締結し平成16年8月まで実施するなど,積極的な救急医療対策に努めてまいりました。しかしながら,旧国立水戸病院の市外への移転と病院機構の改革に伴いまして,同年10月より水戸済生会総合病院との間でワークステーション型ドクターカーシステムの委託契約を締結し,重篤患者の救命と救急救命士の教育研修を実施しているところでございます。
次に,救急現場から病院収容までの患者収容時間につきましては,平成19年において,全国平均26.3分,県平均が29.4分に対し,水戸市は29.4分と国平均を上回っている状況にございます。
また,本市の救急患者受け入れ状況につきましては,平成19年において,病院問い合わせ総数9,756件のうち,1回の病院問い合わせにより収容された救急患者が6,990件で,全体の約72%,2回までによるものが8,197件で約84%,3回までによるものが8,850件で約91%となっており,3回までの病院問い合わせにより90%以上の救急患者が病院に収容されておりますが,今後ともなお一層患者受け入れの向上に努める必要があると認識いたしております。
これらの状況の要因といたしましては,医師不足など昨今の医療事情の変化に加えまして,病院が減少傾向にある中,救急病院が本市に集中している関係上,他市町村からの救急搬送が多いことなどによるものと考えられます。
このように,本市におけます救急業務を取り巻く環境は,大変厳しい状況にございますが,消防本部といたしましては,今後とも,救急救命士などの救急隊員のさらなる資質の向上を図るともに,関係医療機関との連携を強化し,救急業務の円滑化に努めてまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実)◆次は,赤塚駅西線を含んだまちづくりの進捗についてという質問であります。赤塚駅を中心とした周辺を含んだまちづくりに欠かせないのが赤塚駅西線であり,早期開通 が切望されております。これまでも福島議員を初めとする多くの議員諸兄が促進の立場で質問をしてきたのですが,当初計画から大幅なおくれをとっているのが実情です。そもそも赤塚駅を核とするまちづくりの開発計画は,駅北再開発,東街区,南土地区画整理,それから河和田2丁目地区区画整理及び関連都市計画道路等の整備が全体構想というふうに理解されがちで,幹線でもある駅西線等の都市計画道路の整備のおくれが,駅ビルからの商業系の施設の撤退や,既存の駅北商店街の閉店,衰退につながり,全体計画に影を落としているとも言われているのであります。
もちろん幹線道路のおくれもありますけれども,最大の要因はと言えば,計画のポイントであった常磐線の連続立体交差事業,これは大阪,京都,高知,福岡,徳島,稲城とか,あちらこちらでそのまま続行して事業化をしておりますけれども,常磐線をアンダー化して,北と南の分断を取り除こうという計画がもともと赤塚駅周辺整備のベースにあった構想であります。これを県の意向で突然取りやめてしまったところに行き着くと考えるのであります。
なぜかと言えば,駅西線から赤塚駅を過ぎて姫子の岡田橋を渡るまでの常磐線がアンダーになることによって,赤塚駅西線より水戸駅寄りは,全部平面交差になる予定でありました。交差部から下りの常磐線が地中に入るため,赤塚駅の南北の開発というのは何の問題もなく,一体化をされることによって,北口もしっかりと繁栄することができたはずであったわけであります。
私は,河和田2丁目の土地区画整理区域内に住んでおりまして,区画整理事業の役員としても事業を責任をもって推進してきた一人でありますが,当時を思い起こせば,アンダー化が見送られた段階で,南北の一体化ができなくなることを踏まえて,駅西線を単なる幹線通過道として整備するのではなくて,常磐線の北側の準工業地域の用途の見直しを含めた面的な整備を模索すべきとのことで,コンサルに基礎的な調査を依頼したはずであったのでしたが,その後,この点についてはどうなっているのでありましょうか。
まず,おくれおくれになっている都市計画道路3・4・149号赤塚駅西線についての進捗状況にあわせて,当初の事業計画時からの経緯,事業主体と財源の推移,事業がおくれている要因について,それぞれ担当部長にお尋ねをいたします。
また,関連した新たな策の必要性の認識ということで通告いたしましたけれども,アンダー化をすることによって,現実にはアンダー化が取りやめになったことによって,北側のエリアがほとんど道路がないまま残されてしまっているのが実情です。ちょっと見づらいんですが,赤塚駅を挟んで河和田区画整理をやったところです。ここが赤塚小学校,そうすると,この南線も−−見えないと思うんですが,南線が突き当たったままになっているんで,これも赤塚小のわきまで何らかの形でやっぱり通すべきだと思いますし,また赤塚駅の常磐線を挟んだ北側の国道50号までのエリア,ここに何本か,渡里,堀の開発をしたように,何らかの幹線道路を入れて,そしてまた,有効に土地利用が図れるようにして初めて,赤塚駅に大きな投資をした価値が生まれてくるのではなかろうかと,このように考えてお伺いをするところであります。御見解をお尋ねいたします。
答弁
◎建設部長(鈴木洋君) 野村議員の一般質問のうち,赤塚駅西線を含んだまちづくりの進捗についてお答えをいたします。赤塚駅西線は,赤塚駅周辺地区の南北一体化を図るため,JR常磐線の下を通過し,国道50号と赤塚駅南線を結ぶ延長480メートル,幅員16メートルの重要な幹線街路として,平成4年12月に都市計画決定し,平成19年1月に事業認可を受け,これまでに道路詳細設計や用地測量を実施し,現在国道50号から市道上中妻177号線までの区間の用地買収を進めております。
都市計画決定後は,赤塚駅周辺地区開発事務所が事業計画を作成し,事務所の廃止後は街路建設課に引き継がれ,また道路部門の一元化に伴う機構改革によりまして事業が道路建設課に統合され,事業を進めているところでございます。
財源につきましては,当初,国補街路事業として要望をいたしましたが,道路の規格が採択基準に合致しないということから,都市再生整備計画に基づくまちづくり交付金の国庫補助事業の採択を受けております。本事業につきましては,財源の確保,JR,国土交通省等の協議に日時を要したため,おくれを生じておりますが,早期完成が図れるよう事業の推進に努めてまいります。 ◎次に,赤塚駅西線の整備に関連した新たなまちづくりについてお答えいたします。
御指摘の地区につきましては,平成15年に土地区画整理事業による一体的なまちづくりの検討を行いましたが,事業効果が得られる規模が確保できないということで,断念した経緯がございます。
議員御提案の新たなまちづくり策につきましては,現在,都市計画道路の整備を中心に,生活道路整備等は,個別の事業により,地域の利便性の向上を図ることとしておりますので,御理解をお願いいたします。
また,用途地域の変更につきましても,現在進めている街路事業の進捗や今後の土地利用状況を踏まえ,当該道路の沿道地区における用途地域のあり方について検討してまいりたいと考えております。
質問
野村まこと(眞実)◆次は,小吹町の生活環境整備の推進策の進捗と問題についての質問に入ります。清掃工場増設に伴いまして,昭和50年に協定書を地区住民と交わし,市側の誠意を地区住民 に受け入れてもらい,今日まで成り立ってきたごみ行政であると認識をしているところであります。
小吹のごみにつきましては,さかのぼれば,そもそも昭和43年から48年まではごみの最終処分場として位置づけられていました。その後,昭和48年に新しい今の清掃工場に着手されまして,昭和49年に改修したんですか,それによっても,現実問題,数々の問題がずっと先送りにされながら,それでも話し合いによって信頼関係を維持してきたと。と申しますのは,例えば,その間,8万8,700トン,後の調査では9万2,000トンの焼却灰であったり,ごみがそのまま小吹の敷地内に埋め立てされたまま撤去されないできていて,その撤去も,実は住民からはどうするんだということを求められたり,撤去しないで地下水が汚染することを防ぐための何らかの対策をとろうとか,実はそういうことをずっと話し合いをしながら,昭和50年2月に−−小吹には水戸市小吹町環境整備促進協議会という会がございます。それからまた,水戸市小吹町粗大ごみ処理施設建設反対期成同盟,この2つの団体と市側との協定を締結いたしまして,改めてその粗大ごみの処理施設建設に当たっての合意を結んだところであります。この協定書を受け入れながら信頼関係を保っていたものが,ここに来て,住民側において不信感が芽生えてきているというのが実情で,大変危惧をしているところであります。
1点目 そこで,質問することになったわけでありますが,水戸市は,小吹町の清掃工場地内に粗大ごみ処理施設建設に当たって,今申し上げた昭和50年の協定書−−幾条にもなっておりますけれども,この協定書というのは何を約束したのかと,住民側の協定の一番の柱は何であって,市側の一番の柱は何であったのか,個々について何を約束をしたのかをまずお伺いをしたいと思います。
2点目 また,建設完了後から基幹的施設整備工事等が新たに発生した事由,これはそれぞれかなりの改修工事を行ったり,基幹的整備に入ったり,それからダイオキシンの問題,バグフィルターを設置することになったり,いろんなことがあるたびに,それぞれ話し合いをもって解決をしてきたわけです。特に伺いたいのは,平成8年1月31日付で助成を終了とした水道布設経費の助成と,平成7年に協議項目に下水道整備が掲載されることに至った点を含む,市と地域住民の双方の要望,それぞれの内容,その際の市側の認識,こういったことについて時系列的に説明を求めるところであります。
3点目 また,平成8年1月17日付で協議会から要望が出されることに至った経緯とその内容,それに対する清事第17号,平成8年2月2日付での回答の内容,下水道受益者負担金を含む下水道整備にかかる個人負担に対する補助が履行できなくなった理由を,地方自治法第232条の2に抵触するとしているわけでありますけれども,当時は抵触しなかったから,岡田元市長名で回答できたのではないかと考えるところであります。したがって,平成19年になって県に相談を持ち込んで,抵触するというような解釈へ変わってきているのは何が原因なのか,改めて行政の継続性についての認識を問いたいところであります。見解をお伺いいたします。
当時の岡田元市長のミスなんだと,こういうことを執行部では言っている方もいるようでありますけれども,結果として約束が履行されないというのは,やっぱりだまされたというふうな感情を持つことは当然だと思うんですね。過去の議事録とか,実はいろいろこの件について調査をさせていただきましたら,これまでも小吹との話し合いの中で,岡田元市長との話し合いのありました平成10年3月26日の継続協議の事項についての説明会のときの議事録,こういったものをずっと目を通してみますと,本当にそういう点ではちょっとした行き違いで不信感が芽生えてしまっているのが実情で,そういうことが数々,どう考えてもおかしいという,行政としてあるまじき答弁であったり,そういうことがその中で発言があって,謝罪してもとへ戻して整理をしてと,こういうことを繰り返していたわけですね。
そういうことを考えると,簡単に申し上げれば,その中で下水道については小吹の還元事業,いわば還元施設といったような形で下水道の整備はするからと,それについて必要な工事費−−その文書というのは,平成8年2月2日に清掃事務所の清事第17号として出しているんですが,水戸市小吹町環境整備促進協議会あてに岡田元市長名で出しております。下水道の整備にかかる助成措置についてということで,「小吹清掃工場の全面撤回について,一時保留の回答をいただき,大変ありがとうございます。役員の皆様方の御配慮に対して心からお礼を申し上げます」ということで,その後,清掃行政への最大の配慮に対し誠意をもって報いてまいりたいと存じますので,今後とも水戸市と小吹町環境整備促進協議会が相互協力のもとに発展することで,平成8年1月17日付の要望につきましては,特環公共下水道事業にかかる個人負担に対する補助について,要するに全額を水戸市が小吹町環境整備促進協議会の事業として補助をいたしますと。それから,汚水升までの排水工事費の3分の2を補助しますと,これらはあくまでも協議会に対して,個人に対して補助するんじゃありませんということをうたって,こういう形の公文書を水戸市が提出をして,住民の同意をいただいて,基幹的整備事業を3年がかりで進めてきたという経緯がございます。
ここに来て,地方自治法が改正になったという経緯はないのですが,地方自治法第232条,小吹の工事が進んできた段階で住民側のほうから,このときのお約束はどういうふうに履行するのか,工事そのものを,例えばこの促進協議会に市が補助を出して,促進協議会が工事をやるのかと思っていたら,工事が進み出したと。これは市がやって,じゃ,その助成金がどういうふうな形で支給するのかということで,それについて伺い書を−−小吹町の下水道整備計画説明会開催についてということで,要するに清掃事務所のお約束のあったものについて−−清掃事務所第17号,履行スケジュールの提示についての要望ということで,7月7日に要望が出されたわけです。要望が出たところ,それについての回答が突然,地方自治法に触れるから約束は無理なんだと,こういうことを部長が訪ねてきて述べられたというのがそもそもの経緯なんですね。
そういうことで,行政として約束したものが地方自治法に違反するとすれば,違反する契約,公文書は当時の市長がやったから,加藤市長に責任はないと私は思います。ただ,当時やったのは部長たち,部長も課長も執行部は一緒ですから,当時の執行部が判断をして契約,そういうことで合意を得て,要するに手形を渡して,先に融資を受けているようなものです。先にこちらの条件を履行させていただいたと,こういうことを水戸市がやっておきながら,今になって,もしできないというのであれば,こんなおかしな話はないので,しっかりその辺について明らかにしていただきたいと思うところであります。
今,下入野地区の新たな清掃工場について,地域住民の方々との説明会を終わって,皆さんの御同意をいただけているということで進みつつある中だけに,こういうことが約束した,しないの問題で,結果として,今まで長いこと御縁のあった小吹の住民の方を,それこそ裏切るようなことで片づけて押し切れるかといったら,その次の問題にも影響してくるし,また,小吹の一部の方のお話では,じゃ,下水道はもう結構ですよ。下水道の受益者負担金とか,費用がかかるということであれば,もう合併処理浄化槽でほとんど整備できているから,下水道工事のストップを求めようじゃないかと,こんな話まで出てきているのが実情であります。
私は平成7年に初めて市議会議員に当選させていただきまして,平成7年,8年と2年間,実は福島議員,雨谷議員,当時の本田元議員と総務環境委員会にいたんです。この2年間のときに,まさに協定書も出している内容でありまして,非常に責任を感じていました。円満に同意をいただいて,基幹的整備事業が進められることになったというふうにうかがっていたものが,今になってやっぱり約束がたがえるようなことがあってはならないというんで,まず第1回目の質問をさせていただきます。
答弁をいただきました上で2回目の質問もさせてもらうことになると思いますので,大変恐縮ですが,簡潔明瞭な御答弁を求めまして,終わります。
ありがとうございます。
答弁
◎市民環境部長(戸村洋二郎君) 野村議員の一般質問のうち,小吹町の生活環境整備の推進策の進捗と問題についてお答えいたします 1点目 まず,昭和50年の協定書につきましては,新たに粗大ごみ処理施設を建設するに当たりまして,地元協議会と水戸市の間で締結をしたものでございますが,その主な内容につきましては,それまでの未処理のごみの埋め立ての状況を踏まえまして,小吹地区における公害の防止,生活環境の保全整備,住民福祉の向上に努めること,また,今後,現在の清掃工場内にごみ処理施設の新増設を行わないことなどでございます。 2点目 次に,水道布設経費の補助につきましては,これまで飲用に供していた井戸が保健所からの飲用不適との指摘があり,清掃工場内にごみを埋め立てたこととの関係を完全には否定できないとの考えから,布設費の一部を補助したものでございます。小吹清掃工場につきましては,昭和59年に竣工し,平成8年度におきましては,既に10年以上が経過したことによる各機器の老朽化に対応するとともに,ダイオキシン対策を強化する必要性から,国庫補助金等を活用し,3カ年で清掃工場の基幹的施設整備工事を実施してまいりました。
この基幹的施設整備に当たりまして,地元住民組織でございます小吹町環境整備促進協議会より,地元環境整備対策といたしまして,下水道の整備,雨水排水対策,道路拡幅整備,狭間川の整備等,これらの要望があり,さらに,下水道整備に伴う受益者負担金及び宅地内工事費の補助についての要望が出されたものでございます。
これらの要望につきましては,下水道に係る補助を除きまして,下水道整備,雨水排水対策,道路の拡幅,狭間川の改修について順次整備を進め,現在,おおむね完了に近づいているところでございます。
3点目 御質問の下水道受益者負担金等の補助につきましては,地元要望を受け,平成8年2月2日付で地元協議会に対して回答したものであり,小吹地区の下水道整備が進捗してきたことに合わせ,具体的な補助のあり方について庁内で検討を始めたものでございます。この検討に当たりましては,行政の継続性の観点からも,その実現に向け進めてまいったものでございますが,本来,個人が支払わなければならない受益者負担金を助成することが,地方自治法第232条の2で定めております補助要件に違反することが明らかとなり,助成することができないとの結論に至ったものでございます。
このことにつきましては,これまで地元協議会に対しましてその旨を御説明してまいりましたが,今後とも法の趣旨を説明し理解を求めてまいりたいと考えてございます。
再質問
野村まこと(眞実) ◆17番(野村眞実君) それぞれ御答弁いただきました。まず,健診の受診券の発送については,幾つもあるんで,要望といたします。これは,それぞれ保険者が違うと言いますけれども,郵便番号順にプリントアウトしてもらって集めれば,全部照合することは可能ですから,一まとめにして出せば郵便代もかかりませんし,工夫をすればいろいろできると思うんで,ぜひ御検討を願いたいと思います。それは要望しておきます。それから,ただいまの小吹の下水道事業の補助の助成措置については,地方自治法違反だから無理なんだという説明をただいま受けました。地方自治法上無理だというのは,平成19年4月19日あるいは27日に県に行って聞いてきましたということですが,そもそも客観的な公益性は見られないということで,だめなんだというけれども,だれの見解なのか。最初から払おう,もともと約束を履行しようという意思があれば,その約束については,履行の仕方は,法律に抵触しないで処理することは幾らでも可能だったはずなんですね。その辺についての検討はどこの部署でどうなされたのか。これからさらに助成することはできないということを住民の方に伝えていき,理解を求めていくということですが,これらはやっぱりどういうふうに説明を受けても,理解を求めて済む問題ではないんじゃないかなというふうに私は思います。
先ほどの一般質問の中で,まさに教育のあり方の問題,日本人としての生き方の問題,こういうことが熱っぽく語られていました。そもそも約束を守るというのは,まさに行政であったり,国であったり,この機関が約束を守れなくなったら終わりですよ。これは約束を守るということに向けてしっかりとやるべきであって,これについて,ちゃんと宅地内の工事の略図,こういうふうにやりますよと略図も提示して−−要するに,最初にできない約束をして了承をもらったと。じゃ,その時点では地方自治法違反の契約をこれは締結したのかどうかなんですね。質問に答弁が若干ずれているので,再度の質問は,要するに,この文書については,地方自治法違反の文書をその時点で出していたのかどうか。後から状況が変わったのかどうか。
それから,そもそも昭和50年に協定書を締結していると言いますけれども,昭和50年の協定書というのは2つあったようにも聞いております。昭和50年の何月何日のどことどこの協定書が,市側として,現在生きている協定書というふうにとらえているのかどうか,その点についても明らかにしていただきたいと思います。
そして,飲料水については,小吹の清掃工場が原因とは断定し得ないけれども,完全にはぬぐい去れないということで補助をして,これは地方自治法違反じゃないんだと。下水道は地方自治法違反になると,こういうことを言っていることは,極めて説明が不十分と指摘せざるを得ないのであります。そもそもこういう問題を茨城県の市町村課に相談に行って,それも清掃事務所長と2名の職員で行って相談をしてきて,それで,だめですよと言っているが,本当に信頼をこれから回復していくためにしっかりやらなくちゃならないじゃないかということを強く感じるところであります。
改めて,ただいまの点について,昭和50年のその協定書は,どこと結んだ,どの協定書が,現在,昭和50年の協定書としてとらえておられるのかが1点目。それから,今の私の質問に答えてほしいのは,地方自治法が改正になったのか。とにかく,締結した時点で,これがもし違反だとしたら,なぜこれを締結したのか,このことについて明らかにしていただき,残り時間5分いただきましたけれども,この問題については,いずれにしろきちっと整理をしていかなくちゃならないと思うし,もう一つ,私が質問をしたのは,地元で下水道は要らないと,こういう運動が起きるような話も聞こえてきていると,この辺についても,市はどういうふうにこれから説明していって,取り組むつもりでいるのか,再度答弁を求めて,再度の質問をしたいと……
〔「環境整備に金幾ら使ったの,今まで」と呼ぶ声あり〕
答弁
◎市民環境部長(戸村洋二郎君) 野村議員の再度の御質問にお答えいたします。まず,昭和50年の協定でございますが,これにつきましては,当時,地元の組織が2つございまして,それぞれと締結しているわけでございます。まず1つ目が,水戸市小吹町環境整備推進協議会,これにつきましては,50年2月12日に,また,水戸市小吹町粗大ごみ処理施設建設反対期成同盟,これについては4月18日に,それぞれ内容は全く同一のものでございます。
それから,2点目の当時と比較して法律が変わったのかという御質問でございますが,自治法については当然変わってございません。当時から同じ問題をはらんでいた問題でございます。
次に,下水道の工事をとめるという話でございますが,下水道の整備要望につきましては,この地域におきましては,平成元年,また平成2年,その当時から整備の要望があったものでございまして,その要望に沿って現在整備を進めているものでございます。
以上でございます。 ◆17番(野村眞実君) 環境整備に金を幾ら使ったかは,それぞれが理解していることだと思いますけれども,いずれにしろ答弁を求めて,再度の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。