平成11年9月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
質 問
○6番(野村眞実君)政友会の野村まこと(眞実)でございます。平成11年9月第3回定例市議会におきまして,通告に従い,一般質問をただいまから行わせていただきます。福祉行政についての質問でございます。子供の人権が叫はれるようになって久しい今日ですが,わずが半年で26人というように子供の虐待の報道が後をたたず,県内でも母親がパチンコに明け暮れていたり,男友達と外出をしていて乳幼児を車や家の中に放置していたことによる死亡事件が報道されました。まさに,親の自覚が問われているさなかに起きた今回のひたちなか市のせっかんを超えた虐待死事件ですが,異常に気づいた担任の先生は,関係者へ働きかけを随分していたように聞いておりますが,同じ子を持つ親として,悲しさを通り越し,怒りさえ覚えている心境でございます。
悲痛な叫びが届かず,亡くなられてしまった千鶴ちやんの御冥福を心よりお祈り申し上げ,質問に入らせていただきます。 厚生省では,このほど相次いで起きる乳幼児の虐待等の死亡事件の急増を受け,これまでの身体的虐待,性的虐待,心理的虐待,衣食住や清潔さについて健康状態を損なう保護の怠慢や拒否を示すネグレクト,登校禁止などの虐待の定義を見直し,拡大すると発表したところです。暴行は,外傷のあるなしにがかわらないとしたほか,冬に屋外に閉め出したり,部屋に閉じ込める,ポルノの被写体などに子供を強要する,他の兄弟と著しく差別的な扱いをする,家に閉じ込める,病気になっても病院に連れていかない,乳幼児を家に残したままたびたび外出する,乳幼児を車に放置する,適切な食事を与えない,下着などを長時間不潔なままにする,などを虐待に含まれるとしております。
そこで,質問でございますが,乳幼児,児童虐待の現状を市はどのように認識しているのか,そして,市の行政としてどのように対応しようとしているのか,お伺いいたします。
さきに述べた厚生省の虐待の定義や児童福祉法で子供の虐待を国民の通告義務としている点など,私も存じ上げておりませんでしたが,数々の情報はほとんど知られていないのが現状なので,大事に至る前に子供を救えるよう,それらを一人でも多くの市民の皆様に知っていただき,協力を求めていくためのパンフレットなどの作成,配布が必要と考えますが.告知と啓蒙策について,見解を伺います。 3点目でございますが,事件を見ると,親となる人間的な未成長,いわゆる無知が原因であるものや,完璧な育児を求め過ぎたことが原因であったり,また,夫や近親者の協力が得られず,孤独な育児の果ての事件であったりと原因はさまざまですが,いずれの場合もよき相談相手がいなかったことは共通しているようです。
そこで,市として,乳児のいる世帯の父母への講演会や講習会などを開催し,原則的に受講を義務づけし,終了した親の方へは,例えば,特別育児給付金,つまり育児ポーナスなどの特典を設け制度化したり,子育て110番などの総合相談窓口を設置するなどの未然防止策を早急に講ずるべきと考えますが,見解をお伺いいたします。
4点目でございますが,無認可の保育所は,認可保育所に比べ,変速的な保育条件を求める育児環境の複雑な家庭の二一ズが比較的多いようですが,それだけにそれらの家庭とのパイプ役として重要な役割を担っているものと考えます。市内の無認可保育所を見ると,経営基盤の弱いところが多いように見受けられ,連携の強化が必要と考えます。このたびの国の少子化対策臨時特例交付金の交付対象が無認可の保育所にも設備や備品の整備費の形でいち早く対応された市の姿勢は評価できるところですが,それにとどまらず,専門家を派遺し,相談に対応したりと,機能強化のためのさらなる支援策を講ずるべきと考えますが,見解を伺います。 続きまして,教育行政についての質問でございます。1998年度学校基本調査によると,小中学校とも過去最低の児童,生徒数と滅少している中で,30日以上不登校の児童,生徒は,全国で小学生が2万6,000人で,中学生が10万2,000人,茨城県では,小学生が2,595人,中学生が4,038人となっており,全国のデータと比較し,不登校児に占める小学生の割合が全国値よりも多いのが気になるところでございます。
さて,本市の青少年行政を見るとき,青少年育成推進会議や青少年センターや水戸警察署の生活安全課との連携による青少年行政の執行体制や本年度青少年課への人員配置増を図るなどの諸施策は高く評価されているところでありますが,児童棺談所や学校長会,さらには独自性を持った教育行政の核である総合教育研究所とのより密接な連携が急務であるとの考えを申し上げまして質問に入らせていただきます。 1点目でございます。県の調査結果で,小学校の不登校児が多いことを申し上げましたが,水戸市の不登校児の1998年度の小中学校それぞれの人数はどのようになっているのか,現状の認識にあわせ,関係機関との連携を含めた対応策を伺います。 2点目でございます。県では,不登校の対策に不登校の児童,生徒が学校に戻るまで指導する適応指導教室を本年度新たに7つ増設したり,スクールカウンセラー設置校を倍増して80校にするなどの施策を打ち出しでおります。一方,本市では,心の教室相談員を積極的に配置し,総合教育研究所のうめの香ぴろばとの連携によるきめ細やかな教育を展開しておりますか,その配置方法と成果に加え,現状での課題についても伺います。 本市でも,幾つかの学校にティームティーチングが導入されており,算数や理科などの教科の厚みを増した教育が行われておりますが,管理部門のサポート的な業務が目立ち,その効果はいま一つわかりづらいとの保護者を含めた現場の声があるのも実際のところです。専門教科のみでなく,不登校の児童,生徒の解消のためのティームティーチングとして位置づけ,不登校児のクラス担任をサポートするよう導入するのも一案かと考えますが,不登校との関連を含めた導入の考え方と具体的な成果についてお伺いいたします。 教育行政4点目の質問でございます。全般的な知的発達におくれはないが,書く,聞く,話すなど特定の能力の習得と使用に著しい困難を示すLD,いわゆる学習障害や,落ち着きがなくじっと座って勉強ができなかったり,奇声を上げたりというADHD,すなわち注意欠陥・多動性障害を持つ児童の件でございます。本年7月に文部省の協力者会議で報告書がまとめられ,研究や対応がおくれがちであった中で,学校現場での判断方法や指導方法などの指針を初めて示されたのは評価するところでございます。
市では,市内のLDやADHDと思われる子供たちを把握しておられるのか。また,文部省では,普通教室での対応を前提としているようですが,普通学級の対応には無理があるのが実情とも聞いております。
そこで,わたげの会などLDを持つ子供の親たちの会との連携による何らかの支援策を講ずるべきではないでしょうか。私は市内の,ことばや,きこえや,こころの教室を拡充した上で,通級等で対応することも必要と考えますが,障害児教育の専門家でもあります教育長の見解をお尋ねいたします。 教育行政5点目の質間でございます。市内には24校778入の児童が利用する開放学級と6施設177人が利用する学童クラブがあり,それぞれが独自性のある放課後児童のために努力されているところは評価できるところでありますが,施設の形態や面積や備品等の整備状況やサービスの質,さらには行政との連携を見るとき,まちまちであるとの声を耳にします。
また,発足当初のころの連営委員会を中心に保護者の創意工夫と自主的な参加による連官も時代背景からか,人任せで権利意識の強い保護者もふえてきていて,それぞれの現場で苦労しているのが実情のようです。空き教室などの学校施設を利用している本市の開放学級は,小学校の1年生から3年生のみを受け入れておりますが,全国の開放学級の24.5%の施設では,既に4年生がら6年生も受け入れているのが現状です。不登校児は,小学校の高学年から中学生に多く見られますが,その要因は,保育歴等を含めだ低学年までの生活歴とも密接な関係にあるのではと私は考えますが,不登校児の生活歴などの調査を行い,分析したことがあるのか。幼児期や低学年時の生活歴との因果関係をどのように考えておられるのか,お伺いいたします。 また,このたぴの厚生省の少子化対策臨時特例交付金が開放学級の部門まで対象として活用するとの水戸市の取り組みは評価されるところですが,この機会に,開放学級の対象枠を高学年まで拡大するとともに,現在177人の利用がある学童クラプなどの民間施設を含めたさらなる連携と支援策が,びいては不登校の解才消にもつながることになり,必要なことであると考えますが,見解をお伺いいたします。 次は,総務行政についての質問でございます。
地方分権の対応についてでございますが,この夏最大のビッグニュースでありました中央省庁等改革関連法と地方分権一括法の成立は,21世紀の日本の将来を占う極めて重要な一歩であったと認識するところでございます。
特に,我々地方に直接影響がある地方分権一括法においては,機関委任事務の廃止により国との関係が上下・主従から対等・協力関係に変わるもので,国と地方自治体の役割分担や行政責任を明確にし,自治体の自主性,自立性を高めることが大きなねらいでもあります。
地方分権一括法の成立により.それに関連して,小中学校の学級編制の児童,生徒数や特別養護老人ホームの定員など数々の規制の緩和がなされるため,諸施策の立案は情報公開の進んだ中で,市民の参画により形成されるようになるわけで,まさに岡田市長が目指している,市民サービスの行き届いた市民の声がひぴくまちなのであります。
一方,このとき忘れてならないことは,権限が増すことにより責任も増すということです。自治体には,政策立案能力を高めた自己責任で実行していく体制が求められ,当然,地方議会も高度の専門的な能力が必要となってまいります。そして,各種の条例の整備を初めとした膨大な行政事務が必要となってくるのでございます。
迫り来る地方の時代に対応するためにも,既にある新行政改革大綱に基づく実施計画の遂行はもとより,年次的に移りくる権限に即した行政システムの構築へ向けた検討機関が早急に必要になってくるのではないでしょうか。
私は,庁内には各課よりの職員によるプロジェクトチームを編成し,また,外部にも公募による市民の方々や専門家や学識経験者による審議会を設置し,全市的な見地でのグランドデザインをも含めた検討に入る必要があると考えます。 以前より私は,水戸市の目指すべき方向を近隣市町村との合併により中核市を目指し,グランドデザインを構築し,広域的なまちづくりに取り組むべきであるとし.隣接市町村との連携へ一歩踏み出すよう申し上げてまし、りましたが,中核市になるための昼夜間の人口の比率条件が廃止となり,中核市に次ぐ権限を持つ特例市が新設されたことも真の地方自治を目指ずものとしては大きな成巣と歓迎するところであります。
市長は,さきの新聞紙上で,入口20万人以上が対象になる特例市を視野に入れた発言をされておりましたが.特例市になるということは,都市計画法に基づく開発行為の許可や騷音規制法などの規制地域の指定権を持つのみならず,行政事務事業の一大変革が必要になるし,そのための予算措置も相当前から検討に入る必要があるということは既に執行部の皆さんも御承知のことと思いますが,市長が出した方針を受けて,執行部はどのような対応を考えていて,そのための準備はどのようにされるつもりなのか。いつごろをめどに特例市への名乗りを上げようとされているのか。地方分権一括法の成立による権限の変化にあわせて,特例市になることによる権限の変化が同時に求められることにより,行政事務事業がどのように変わるのかの具体例を含めた執行部の見解をお伺いいたします。 次は,墓地行政についてでございます。
多くの市民の皆様から切望され,木葉下町に建設を計画していた市営の公園墓地の件ですが,分譲予定価格が1基100万円を超えると予想され,計回そのものに議会でも疑問視の声が挙がっている最中,隣接地区の国有地を払い下げた常北町の町営墓地建設計画が持ち上がったため,見直しをも含めた凍結という事態になっていることは周知のとおりでございます。
市民の方々に意見を聞いてみたところ,ほとんどの人は木葉下町でも常北町でも大差なく,問題はアクセス道路がきちんと整備されていることと,早くできることが重要との意見がございました。また,そもそも立地が市の西部地区に固まることが問題で,東部地区とに分散して整備してほしいとの意見もございました。
そこで,質問ですが,私は,一部事務組合を設立し,常北町と共同で墓地を建設し.一日でも早く市民の二ーズにこたえるべきと考えますが,常北町の墓地建設計画の進捗状況と町とのコンタクトの有無にあわせ,見解を伺います。
また,水戸市の墓地建設についての検討作業の進捗状況についてもお伺いいたします。 2点目でございますが,市宮浜見台霊園は,更地の箇所ががなりあり,中には既に他の墓地を所有していて,当面は不要な人がいるとの話をよく耳にします。そして,放棄は受けるが,相続等による権利の継承以外に所有権の譲渡が認められず,購入代金も今まで納めた管理費も全額は返らないので,そのままにしてあるとの話でもありました。真偽のほどは定かでありませんが,墓地の完成を心待ちにしている人にとっては大変気になる話であります。
私は,この際,現在の更地を所育している人にアンケートなどの実態調査を行い,事実関係を積極的に確認をし,事実だとすれば条例改正を行い,例えば,市が購入価格と既に支払い済みの管理費に法定利息を上乗せした価格で買い上げた上で再販するとが,あるいは一定の基準を設け,当事者間での譲渡を可能にするなどの法的な整備が必要であると考えますが,執行部の見解を伺います。 続きまして,下水道行政についての質問でございます。
下水道の早期普及による水洗化が,おくれている地域の人たちの悲願であることは,今さら申し上げるまでもないことでございます。
水戸市では,都市計画の土で,市街化区域を公共下水道計画区域とし,3年以内に工事に着手し,おおむね5年で供用開始する区域を下水道事業認可区域と定め,計画的に整備を進めているとのことですが,計画区域内でも,早期に事業認可区域とされるところもあれば,なかなか事業認可区域にならない地域もあり,土地区画整理や再開発の区域が早く普及されるのはわかるが,優先順位のつけ方がよくわがらないとの不満の声も耳にいたします。
そこで,計画区域内の事業認可区域の設定のルールはどのように決定されているのか,お伺いいたします。 また,事業認可区域の指定を受けると,当然ながら下水道事業受益者賃担金が徴収されるわけですが,負担金の徴収が平成元年に始まり,平成3年に1世帯10万円強の納付も完了していて,宅内の升も設置が完了しているにもかかわらず,いまだに使用できないでいる地域が千渡町にあることを知り,あ然としたのであります。どういう理由があったにせよ,同じ地域の使用が開始されてがら5年以上も解決できずにいるのは,行政の怠慢とおしかりを受けるのも当然のことで,受益者の字を見ても明らかなように,負担金を徴収しながら益は受けられないなどというのは,民問の取引であれば契約不履行の違約金ものであり,到底許されるものではありません。
この際,期限を切って解決のめどが立たないのであれば,受益者負担金に利息をつけて即刻返還すべきではないかと考えます。
今回のような負担金を徴収しながら,事業者,つまり市の都合で供用が開始できずにいる世帯は,市内にどのぐらいあって,どのような理由なのか,そして員担金の返還の可能性についても伺います。 一方,下水道の工事が完了し,供用が開始されても,個々の事情により接続しない世帯のための3年の経過措置がございますが,法律に違反し,3年どころか5年を過ぎても接続しない世帯も多くあり,正直者がばかを見るようで不公平であるとの意見も耳にいたします。
下水道事業は,特別会計でおよそ800億円の起債があり,供用開始区域には相当の資金が投入されているわけですから,工事が完了しながらつなぎ込みをせずにいる世帯がふえていけぱ,当然のことですが会計は破綻に陥る可能性すらあり得ることでございます。
下水道の工事が完了し供用が開始されているのに,つなぎ込みのない世帯はどのぐらいあり,そのうち5年以上の世帯はどのぐらいあるのか,一般家庭と事業所の別はどのようになっているのか,対応策もあわせてお伺いいたします。 続きまして,土木行政についてでございます。
大塚池踏切の拡幅整備につきましては,平成8年6月の議会で,市道河和田2号線の整備の関連で御質問申し上げ,平成9年6月には田島道踏切から大塚池踏切までの間の側溝にぷたをかけるなど改良し,車両がすれ違えるよう暫定的に整備するという代替案を提示いたしましたところ,代替案を採用するとの答弁を得ましたが,一向に進まないため,本年3月に追いがけ質問をいたしましたところ,当時の菅原建設部長より,鉄道事業者の理解が得られたので代替案は中止し,平成11年度より丈量測量を行い,道路整備とあわせ早期完成を目指し努力していくとの答弁をいただいたところでございます。
ところが,9月になっても測量に入る気配がないため,早期完成というのはいつのことなのか。もし,何年もかかるとすれば,市道河和田2号線の用地は買収も既に完了しているので,平成9年6月の答弁どおり市道河和田2号線を田島道踏切まで暫定整備すべきではないかとの意見も地元の方より寄せられており,同感に感ずるところであります。
そこで,今後のタイムスケジュールはどのようになっているのか。前に述べました代替案の実施も含め,執行部の見解をお伺いいたします。 最後は,地域振興券についての質問でございます。
緊急経済対策の一つの柱として位置づけられた地域振興券は,特に若い親の層や高齢者層などの比較的可処分所得の少ない方々の購買力の増加をねらい,比較的短期聞に消費を拡大し,景気の同復に役立たせるために導入された事業とのことでした。
友人たちの中には,特定事業者の指定を受け,のぼり旗まで晴入したが,9月30日の期限が迫っても数千円の利用しかなく,どこへ消えてしまったのか,あてが外れてしまったとぼやいている者がいるかと患うと,パチンコ店でも使えたので,物は買わずにパチンコに使ってしまったなどの話もあり,効果については疑間視する声も多いように感じます。
交付対象でありながら取りに来ない人もいるとのことですが,未受領者は何人いて,総額はどのぐらいあり,その金額は最終的に国庫に返還するのかなど,処理はどのようにするのか。現時点での利用状況の集計はどのようになっていて,特定事業者の指定に対し実際に取り扱われた事業者はどのぐらいあるのか。事業者の内訳はどのように分類されるのか。経済波及効果の分析は当然ながら,前年の同月売上げとの比較に加え,年問を通しての前年との比較や業種別の分析なども含めた調査が必要と考えますが,見解をお伺いいたします。
また,交付を受けながら未使用の地域振興券があると恩われますが,期限切れ防止のための啓蒙策はどのようにとっているのが,期限切れ未使用券の国庫返還等の処理方法についてもお伺いいたします。
質問は以上ですが,執行部の明快な御答弁を求めまして,第1回の質問を終わります。ありがとうございました。
答 弁
○議長(高橋丈夫君)教育長,堀川賢壽君。〔教育長堀川賢壽君登壇〕
○教育長(堀川賢壽君)野村議員の一般質間のうち,教育行政についてお答えいたします。
不登校児の現状認識と関係機関との連携による対応策については,不登校児童,生徒数は,小学校は58人,中学校は229人で,ほぼ横ばいの伏況であります。
議員御指摘を踏まえ,今後とも関係機関との連携を図りながら,個に応じたきめ細かな指導に努めてまいります。次に,全中学校に配置している心の教室相談員の成果としましては,自分の悩みを友達や教師以外に語れる相手ができたことや,不登校生徒が相談室に登校できるようになったことが挙げられます。しかし,相談内容をどこまで担任教師に伝えていくのかなど,相談員と担任との連携のあり方が課題であるとの報告を受けています。
さらに,ティームティーチングの導入による考え方と成果としましては,一人一人の児童,生徒のよさが発揮できるよう,教科指導にとどまらず,道徳や特別活動,生徒指導などにも効果を高めております。
学習障害や注意欠陥,多動性障害を持つ児童への対応と親たちの会への支援策につきましては,すべての教職員が共通理解を図り,協カし合って障害を持つと思われる児童の指導に十分配慮する必要があります。
保護者を含め,学校教育全体の間題として真剣に考えて取り組むよう助言してまいりたいと考えております。
次に,学童保育施設との連携による対応策とその拡充支援策についてですが,不登校児の生活歴等の調査は実施しておりません。人格上の発達課題の達成が必要な乳幼児期の成長は大切であると考えでおり,心身の発達を助長する幼椎園教育の充実にも配慮しているところです。
また,開放学級については,国,県の実施要項に基づき実施していますが,対象枠の拡大については,学校施設の空き教室の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。
さらに,民間学童クラプについては,今後も話し合いの場を設けるとともに,運営経費等の助成に努めてまいります。 ○議長(高橋丈夫君)御報告申し上げます。午前11時21分,34番松本勝久君が出席いたしました。保健福祉部長,備海暉雄君。
〔保健福祉部長備海暉雄登壇〕
○保健福祉部長(備海暉雄君)野村議員の一般質問のうち,福祉行政についてお答えいたします。
初めに,児童の虐待につきましては,全国的に増加傾向にあり,社会問題となっております。増加の要因として,近年の都市化,核家族化の進展等を初めとする児童や家庭環境の変化により家庭や地域における機能が低下し,育児不安に陥ったり,育児に負担を感じるなどが考えられます。
このことから,既に県に設置してある児童虐待早期発見ネットワーク会議や児童虐待対策検討委員会との連携を図りながら児童虐待の早期発見に努めているところでございます。
子供の虐待は,議員御指摘のとおり児童福祉法第25条には,「保護者に監護させるのが不適当であると認める児童を発見した者は,これを福祉事務所又は児童相談所に通告しなければならない。」と通報義務が明記されています。しかし,一般の方々にはその趣旨が徹底されていないので,市の広報誌を初めパンフレット配布等により啓発してまいります。
児童虐待は,そのほとんどが家庭内で発生ずるため,複雑な背景を持つことが多いことがら,発見から解決まで困難を伴っています。したがいまして,間題の早期発見,早期対応を図ることが重要でありますので,家庭児童相談員,民生・児童委員,保育士,教育委員会の関係各課等で構成する(仮称)児童虐待防止連絡協議会を設置し,講演会,講習会の開催を視野に入れ,啓発及び早期発見等効果的な問題解決に向け努めてまいります。
次に,無認可保育所の機能強化に対する相談,指導についてでございますが,他市の状況等を調査し,議員御指摘を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
なお,無認可保育所への少子化対策臨時特例交付金については,設備整備が補助の対象となることから,現在要望を取りまとめているところでございます。 ○議長(高橋丈夫君)総務部長,関敏夫君。
〔総務部長関敏夫君登壇〕
○総務部長(関敏夫君)野村議員の御質問のうち,総務行政の地方分権の対応についてお答えいたします。
まず,特例市への対応につきましては,事務権限の委譲により新たな事務を処理することとなりますので,組織機構の検討,専門的知識を持つ職員等の育成確保,新たな条例等の制定を行うとともに,事務事業執行にかかわる財源の確保などが必要となってまいります。
したがいまして,そのための準備としましては,現時点ではまだ関係の政省令が公布されておりませんが,県との連携を深め,具体的な事務量や事務の処理マニュアルなど事務事業の把握に努めるとともに,本年4月から各部に配置しております政策調整員を通じての組織間の調整を図るなど議員御指摘を踏まえ,必要かつ適正な措置を講じてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても,地方分権を推進する観点から,特例市につきましては,指定を受けてまいりたいと考えておりますので,必要な調査,検討と並行し,法の施行,平成12年4月1日を待って市議会に提案し,その後,県及び国へ申請してまいりたいと思います。
次に,地方分権一括法の成立と特例市になることによるそれぞれの権限変化に伴う事務事業の変化についての員体例につきましてお答えいたします。
まず,地方分権一括法の成立に伴う事務事業の変化についての員体例でございますが,地方分権一括法により,すべての市に権限が委譲される例として,文化財保護法に基づく史跡等の現状変更等許可の事務や商店街振興絹合法に基づく商店街振興組合等の設立認可等の事務がございます。
また,小中学校の学級編制や特別養護老人ホームの定員などにも規制緩和が図られたところでございます。
これらの事務は,現在は県知事が処理し,または認可を行っており,必要に応じて受け入れ体制の整備などに万全を尽くす必要があると考えております。
次に,特例市になることによる事務事業の変化についての具体例でございまずが,例えば,都市計画法に基づく開発行為の許可がございますが,この開発行為の許可のうち,市街化区域における開発行為の許可は,県の事務委任を受けて現在も本市において事務の処理を行っておりますが,新たに市街化調整区域における開発行為の許可を行うこととなります。
現在,市街化調整区域における開発行為の許可に関しましては,申請書類の県への経由機関にすぎませんでしたが,今後は,市がみずから許可の審査を行うことになり,市の責任が増すことになります。
いずれにいたしましても,地方分権一括法の制定,特例市の指定を問わず,権限委譲を受けるに当たっては,円滑に事務が遂行できるよう準備に努めでまいりたいと考えております。 ○議長(高橋丈夫君)市艮環境部長,遠西松美君。
〔市民環境部長遠西松美君登壇〕
○市民環境部長(遠西松美君)野村議員の御質間のうち,墓地行政についてお答えいたします。
水戸市の公園墓地計画につきましては,市民からの墓地に対する要望も多くあることから,木葉下町に公園墓地を計画いたしましたが,常北町においても,隣接地に国有林の払い下げを受け,水戸市の計画に比較し,低廉な価格で分譲する公園墓地が計画されましたので,木葉下町の公園墓地計画を棚上げにしたところでございます。常北町の墓地計画の進捗状況につきましては,9月に確認しましたところ,今年度中にも用地取得の手続に入るものとうかがっております。常北町に対する水戸市の対応につきましては,他の自治体の事業ということもありますので,慎重に対応してまいります。
また,今後の水戸市の公園墓地計画につきましては,別の適地などを含めて検討しているところでございます。次に,浜見台霊園の現状でございますが,造成区画数6,157に対し,すべて永代使用の許可済みであり,そのうち更地は,平成11年5月末現在で1,504という状況でございます。
墓地未使用者の意向につきましては,管理料が納付されておりますことから,継続して使用する意思があるものと考えておりますが,議員の御指摘を踏まえ,今後使用する意思を確認してまいりたいと考えております。
また,墓地の譲渡制限を撤廃して,墓地利用の流動化を図ったらどうかということでございますが,条例におきまして,使用者の申し出による墓地の返還の場合には,規則により使用料還付の規定があるほが,3年間管理料を滞納したときや承継者のいないとき,また,7年間所在不明のときなどには,墓地の使用の取り消しの措置がございますので,現行条例の規定により返還墓地の利用を図ってまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。お願い申し上げます。 ○議長(高橋丈夫君)下水道部長,楕本耐君。〔下水道部長橋本耐君登壇〕
○下水道部長(橋本耐君)野村議員の一般質問のうち,下水道行政についてお答え申し上げます。
まず,計画区域等を設定する際のルールについてでございますが.計両区域については,基本的に市街化区域とこれに隣接し,将来,市街化が見込まれ,また,これらの地区と一体的に整備を進めることが合理的と判断される区域を計画区域としております。
また,事業認可区域につきましては,限りある事業費を効率的,経済的に投資するため,市街化区域,特に人口集中地区などの投資効果の高い地区や土地区画整理事業,再開発事業等の都市計画事業区域を優先して事業を進めることとしております。
次に,下水道受益者負担金徴収後における公共下水道工事の未着手地区の負担金返還についての御質問についてでございますが,受益者負担金は,下水道の整備によって特定の地域について環境が改善され,未整備地区に比べ利便性,快適性が著しく向上し,結果として当該地域の資産価値が増加することなどから設けられた制度であり,都市計画法第75条及びこれに基づく条例により賦課しており,返還は困難であると考えます。
千波地区の一部については,平成元年度から受益者負担金を賦課し,工事に着手しましたが,公図混乱や地権処理の問題から工事が中断しており,約230世帯の方々が使用できずにおり,大変御迷惑をおかけしております。
この地区につきましては,地権者の方々の御協力をいただけるようお願いしているところであり,今後,関係各課と連携し,間題の解決を図り,できるだけ早い時期に整備を図ってまいりますので,御理解を賜りますようお願い申し上げます。
次に,処理開始がなされた区域における公共下水道への接続率,水洗化率についてでございますが,平成10年度末における水洗化率は,戸数で約79%であり,し、まだ水洗化をしてない戸数は約1万戸ございます。また,そのうち,事業所などの占める割合は約25%となっております。
現在,水洗化の普及を図るため,水戸市シルバー人材センターに委託しました専従の水洗化普及員が,処理が可能となりました区域内を戸別訪問して水洗化のお願いを行っており,あわせて便所を改造して水洗化する際の助成として補助金の交付か,市中銀行からの融資額に対する利子補給のどちらかを行っております。
いずれにいたしましても,多大な事業費を投資して公共下水道を整備していることから,今後,戸別訪問の強化など,より一層の啓蒙活動を行い,水洗化率の向上に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(高橋丈夫君)建設部長,永井庸司君。
[建設部長永井庸司君登壇]
○建設部長(永井庸司君)野村議員の質問のうち,土木行政についてお答えいたします。
大塚池踏切の拡幅につきましては,平成10年11月からJRと協議を進めてまいりましたが,去る平成11年8月24日,JRから計画協議に対する同意の回答をいただきましたので,平成11年度において,踏切拡幅に必要となる用地の測量を実施することができることとなりました。
したがいまして,今後のスケジュールといたしましては,平成12年度においては,踏切拡幅のための用地を取得し,引き続き拡幅工事についてJRと施行協議を進めてまいります。
議員御指摘の市道河和田2号線の整備につきましても.市官河和田住宅から大塚池踏切までを優先し,平成14年度供用開始に向けて,拡幅とあわせ道路改良工事を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(高橋丈夫君)産業経済部長,内藤省三君。
〔産業経済部長内藤省三君登壇〕
○産業経済部長(内藤省三君)野村議員の一般質問のうち,地域振興券についてお答えいたします。
まず,交付状況につきましては,現在,交付対象者の99,1%に相当する6万286人に12億572万円の交付をしており,未受領者は522人で,1,044万円となっております。この分につきましては,県を通し,国へ返還することになります。
次に,利用状況につきましては,9月10日現在で92.2%,11億1,191万3,000円となっており,指定3,210業者のうち実際取り扱った事業者は1,499事業者であります。
その内訳は,大型第1種,第2種が85店,中小業者が1,414店となっております。
次に,経済効果につきましては,現在,アンケート調査を実施中でありますが,最終的に約12億円の売上げが水戸市内であると見込まれますので,一定の効果があったものと認識しております。
アンケート調査につきましては,議員御提案の趣旨を踏まえ,分析するよう検討してまいります。
次に,未使用券の期限切れ防止策につきましては,9月1日,15日号の広報「水戸」に使用期限が9月30日までであることを掲載し,周知しているところであります。期限切れの未使用券につきましては,未受領分と同様,国に返還することになります。
再質問
○議長(高橋丈夫君)6番,野村眞実君。〔6番野村眞実君登壇〕
○6番(野村眞実君)ただいま関係部長より誠意のある御答弁をちょうだいいたしました。
その中で,下水道行政についてl点だけ,これは,下水道の担当だけではないと思いますので,あえてここでまたちょっと触れさせていただきたいと思います。
以前にも,私は市街化区域内の公図不詳地域の存在ということを,この本会議の場で取り上げまして,今.農政課で担当している調整区域の国土調査が終了し,元吉田地区に今入りつつございますけれども,千波町の舟付であったり,あるいは石川町,それから西原,それから住吉町の一部,数々市街化区域でありながら公図不詳であったり,市道との境界がはっきりしてない,そういったことによって建築物が建てられなかったり,あるいは下水道の整備が進まないと,こういう地域が存在しているということにもつながってくるわけで,ぜひとも取り組んで頂きたい。ただいま関係課と連携の上という御答弁をいただきましたけれども,その辺について必要があればミニ告知を行うなり,今のバブルが崩壊して,この時期であればこそ境界問題も市が積極的に腰を上げればまとまる可能性もあるのではなかろうかと思いますので,法律上の受益者負担金を返還することは不可能であるという御答弁を今いただきましたので,しがらば,一日も早い下水道の普及へ向けてお取り組みいただきますよう,強く要望いたしまして,再質問にかえたいと思います。よろしくお願いいたします。